02)(007)―<命令形>の見分け方―

02)(007)―<命令形>の見分け方―
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♪音読モード(01:38)♪
◆直前に「いざ」を置き、相手に行動を促す形:英語の命令文「動詞原型+!(感嘆符・exclamation mark)に相当する形である。古文では主に「動詞」で命令形が使われるが、「形容詞」命令形の用例は少なく、「形容動詞」に至ってはその命令形「~なれ/~たれ」を古文書の中に探すことすら不可能に近い「机上の形態」である。こうした(特殊な活用形)は、{活用表}中では(~なれ)(~たれ)とカッコ付きで表示する:
「行く」=<いざ>{行け}
「良し」=<いざ>{良かれ}
「悪し」=<いざ>{悪しかれ}
(「愚か」=<いざ>{愚かなれ}!)・・・現実には用いない「理論上の命令形」
(「呆然」=<いざ>{呆然たれ}!)・・・現実には用いない「理論上の命令形」
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♪音読モード(02:21)♪
 ・・・以上が「6つの活用形の見分け方」という分類学的作業の心得である。
 ・・・「活用語」のパーツ(構成要素)の呼び名についても付け加えておこう:
1)前後の語句との対応によって様々に変化する語尾部分を「活用語尾」と呼ぶ。
 ・・・活用語尾の形に応じて、「これは命令している形だ」(命令形)とか「これは仮想の話だ」(未然形)とか、見分ける目安にすればよいわけである。
2)いかなる状況下でも常に変化しない語頭部分を「語幹」と呼ぶ。
 ・・・上例で言えば「行(い・ゆ)」・「良(よ)」・「悪(あ・わろ)」・「愚か(おろか)」・「呆然(ぼうぜん)」が「語幹」。食べ残しのイワシの頭みたいで何とも使い物にならない感じに見えるが、実はこの語幹部分にも大事な用法は(形容詞・形容動詞関連で)いくつかあるので、それらについてはまた後述することになる。



・・・以下、その6つの「活用形」(未然・連用・終止・連体・已然・命令)の具体的な「形態」を、まず「形容詞」・「形容動詞」の場合について確認して行こう(「動詞」はややこしいので、後回し)。これら二品詞の「形態」は定型的で「用法」もごく少数なので、まとめて一気に詳解することで、古文理解の足がかりを作ってしまおう。

02)(007)―<命令形>の見分け方―
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コメント (1件)

  1. the teacher
    <質疑応答コーナー>
    ・・・各ページ下には、質疑応答用の「コメントを残す」ボックスが用意されています(見本版では無効になっています)。
    ・・・教材をよく読めばわかるような無意味な質問や、当該テーマに無関係な内容の投稿でなければ、誠実&正確な回答が返ってくるはずです。

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