<125>← [5]← 意味集団<126>・・・全95語/[10]ずつ=全10ブロック
[ 1 ] [ 2 ] [ 3 ] [ 4 ] [ 5 ] [ 6 ] [ 7 ] [ 8 ] [ 9 ] [ 10 ] ・・・これより先は、文法上の要注目語句、及び、単に語と語が連らなる「連語」というより、「連接語」と呼ぶべき有機的連携語群の数々・・・
→[15] ▲ ♪ ▽ 46 △ ♪♪ <質問箱> [古語試験]
■
〈A〉
ずは【ずは】
《「ず」の単なる強調形として「・・・などせずに」の意を表わす用法は上代のもの。「は」が順接の仮定条件を表わす「もし・・・ないならば」の用法は特に重要で、この用法の「ずは」から中世に「ずんば」の形が生まれた。「ずば」は近世以降の語形。》
〔連接語〕 《ず〔助動特殊型〕打消+は〔係助〕》
(1) 〈(上代)否定語「ず」を強調する。〉 ・・・などせずに。・・・ないで。・・・ではなくして。 (2) 〈順接の仮定条件を表わす。〉 もし・・・ないならば、~。・・・でないとすれば~。 (3) 〈「ざり」の言い換えとして「ずはあり」の形で用いる。(和歌の七五調に合わせるための言い回し)〉 ・・・ない。
〔連接語〕 《ず〔助動特殊型〕打消+は〔係助〕》
(1) 〈(上代)否定語「ず」を強調する。〉 ・・・などせずに。・・・ないで。・・・ではなくして。 (2) 〈順接の仮定条件を表わす。〉 もし・・・ないならば、~。・・・でないとすれば~。 (3) 〈「ざり」の言い換えとして「ずはあり」の形で用いる。(和歌の七五調に合わせるための言い回し)〉 ・・・ない。
▲ ♪ ▽ 48 △ ♪♪ <質問箱> [古語試験]
■
〈B〉
ならでは【ならでは】
《断定助動詞「なり」の未然形に打消の接続助詞「で」と係助詞「は」を付けた語で、打消の表現を伴い「・・・以外は~ない」という限定性を表わす。この「は」は順接の仮定条件を表わし、機能的には明らかに接続助詞だが、伝統的古典文法では係助詞扱い。》
〔連接語〕 《なり〔助動ナリ型〕断定+で〔接助〕+は〔係助〕》
(1) 〈(打消の表現を伴って)ある特定の条件のみに限定する意を表わす。〉 ・・・以外では~ない。・・・でなくては~ない。
〔連接語〕 《なり〔助動ナリ型〕断定+で〔接助〕+は〔係助〕》
(1) 〈(打消の表現を伴って)ある特定の条件のみに限定する意を表わす。〉 ・・・以外では~ない。・・・でなくては~ない。
▲ ♪ ▽ 51 △ ♪♪ <質問箱> [古語試験] 「古語随想」
■
〈A〉
ぬべし【ぬべし】
《この「ぬ」は確述(意味を強める)。実現が確実視される推量「・・・しそうだ」、確実にやり遂げる見込み「・・・することができそうだ」、意志表明「きっと・・・してしまうつもりだ」、妥当性の判断「・・・するのが適当だ」など、脈絡次第で様々な意味を表わす。》
〔連接語〕 《ぬ〔助動ナ変型〕完了+べし〔助動ク型〕推量》
(1) 〈(確定的推測)確実にそうなると思われる事態を推量の形で述べる。〉 ・・・しそうだ。きっと・・・だ。・・・に違いない。間違いなく・・・だろう。 (2) 〈(完遂見込み)確実にやり遂げられそうであるとの観測を述べる。〉 ・・・することができそうだ。・・・し遂げられそうだ。 (3) 〈(強い意志)必ずやり遂げようとする意志を表わす。〉 ・・・てしまうつもりだ。必ず・・・するつもりである。・・・せずにはおくものか。 (4) 〈(妥当性の判断)そうするのが適当であろうという判断を表わす。〉 ・・・てしまうべきだ。・・・するのが当然だ。
〔連接語〕 《ぬ〔助動ナ変型〕完了+べし〔助動ク型〕推量》
(1) 〈(確定的推測)確実にそうなると思われる事態を推量の形で述べる。〉 ・・・しそうだ。きっと・・・だ。・・・に違いない。間違いなく・・・だろう。 (2) 〈(完遂見込み)確実にやり遂げられそうであるとの観測を述べる。〉 ・・・することができそうだ。・・・し遂げられそうだ。 (3) 〈(強い意志)必ずやり遂げようとする意志を表わす。〉 ・・・てしまうつもりだ。必ず・・・するつもりである。・・・せずにはおくものか。 (4) 〈(妥当性の判断)そうするのが適当であろうという判断を表わす。〉 ・・・てしまうべきだ。・・・するのが当然だ。
▲ ♪ ▽ 53 △ ♪♪ <質問箱> [古語試験]
■
〈A〉
なむ【なむ】
『接続:{連用形}』
《語形は係助詞(体言・助詞接続)・終助詞(未然形接続)の「なむ」と同じ。連用形に接続し、意味は連語「てむ」とほぼ同じ。動作の主体が自身の場合「強い意志」、他者の場合「確信のある推量」/「軽い命令・願望」、いずれにも限定されぬ用法としては「高い可能性」/「妥当性の判断」の意となる。》
〔連接語〕 《ぬ〔助動ナ変型〕完了+む〔助動マ四型〕推量》
(1) 〈(確信のある推量)(主語は、多く、自分以外)直前の動作が必ず行なわれるであろうという推量を表わす。〉 必ずや・・・に違いない。きっと・・・だろう。・・・であると見て間違いない。 (2) 〈(強い意志)(主語は自分自身)直前の動作を必ず行なおうとする意志を表わす。〉 必ず・・・しよう。きっと・・・するつもりである。是非とも・・・したい。 (3) 〈(高い可能性)(主語は自身/他者双方あり得る)直前の動作が可能であるとの確信を表わす。〉 きっと・・・できるだろう。どうやら・・・できそうだ。 (4) 〈(妥当性の判断)(特定の主語に限定されない客観的観測として述べる)直前の動作が行なわれるのが妥当であるとの判断を表わす。〉 ・・・すべきだ。・・・するのが適当だ。当然・・・であろう。 (5) 〈(軽い命令・願望)(主語は自分以外。多く「なむや」の形で)直前の動作を他者が行なうことを望む意を婉曲に表わす。〉 ・・・してはくれまいか。・・・というわけには行かないか。・・・してはどうか。 (6) 〈(仮定)(連体修飾語を形成し、直後に仮定の語を伴って)直前の動作が実際に行なわれた場合を想定する。〉 もし・・・したならば。仮に・・・だとすると。
〔連接語〕 《ぬ〔助動ナ変型〕完了+む〔助動マ四型〕推量》
(1) 〈(確信のある推量)(主語は、多く、自分以外)直前の動作が必ず行なわれるであろうという推量を表わす。〉 必ずや・・・に違いない。きっと・・・だろう。・・・であると見て間違いない。 (2) 〈(強い意志)(主語は自分自身)直前の動作を必ず行なおうとする意志を表わす。〉 必ず・・・しよう。きっと・・・するつもりである。是非とも・・・したい。 (3) 〈(高い可能性)(主語は自身/他者双方あり得る)直前の動作が可能であるとの確信を表わす。〉 きっと・・・できるだろう。どうやら・・・できそうだ。 (4) 〈(妥当性の判断)(特定の主語に限定されない客観的観測として述べる)直前の動作が行なわれるのが妥当であるとの判断を表わす。〉 ・・・すべきだ。・・・するのが適当だ。当然・・・であろう。 (5) 〈(軽い命令・願望)(主語は自分以外。多く「なむや」の形で)直前の動作を他者が行なうことを望む意を婉曲に表わす。〉 ・・・してはくれまいか。・・・というわけには行かないか。・・・してはどうか。 (6) 〈(仮定)(連体修飾語を形成し、直後に仮定の語を伴って)直前の動作が実際に行なわれた場合を想定する。〉 もし・・・したならば。仮に・・・だとすると。
▲ ♪ ▽ 61 △ ♪♪ <質問箱> [古語試験] 「古語随想」
■
〈A〉
な【な】
《上代には「な+動詞連用形」で、それ以降は「な+動詞連用形(カ変・サ変のみ未然形)+そ」の形で、「・・・はするな」の意を表わす。「動詞終止形+終助詞”な”」(現代日本語の否定表現と同じ形)と比較すると、やや弱い感じの禁止表現である。》
〔副〕
(1) 〈(中古以降)(「な+動詞の連用形(カ変・サ変のみ未然形)+そ」の形で)穏やかに禁止する意を表わす。〉 ・・・しないでほしい。・・・してくれるな。・・・しないでおくれ。・・・なよ。 (2) 〈(上代)(「な+動詞の連用形」の形で)禁止の意を表わす。〉 ・・・するな。・・・してくれるな。・・・しないでおくれ。
〔副〕
(1) 〈(中古以降)(「な+動詞の連用形(カ変・サ変のみ未然形)+そ」の形で)穏やかに禁止する意を表わす。〉 ・・・しないでほしい。・・・してくれるな。・・・しないでおくれ。・・・なよ。 (2) 〈(上代)(「な+動詞の連用形」の形で)禁止の意を表わす。〉 ・・・するな。・・・してくれるな。・・・しないでおくれ。
▲ ♪ ▽ 62 △ ♪♪ <質問箱> [古語試験]
■
〈A〉
そ【そ】
『接続:{連用形・動詞型活用助動詞連用形・カ変未然形・サ変未然形}』
《強調の係助詞「ぞ」の元語で、副詞「な」と呼応した「な+動詞連用形(カ変・サ変のみ未然形)+そ」形で(「動詞終止形+な」形よりは穏やかな)「禁止」の意を表わす。副詞「な」を伴わず単独の「そ」だけで「きつめの禁止」を表わす語法も、平安後期以降には生じた。》
〔終助〕
(1) 〈(副詞「な」と呼応した「な+動詞連用形:カ変・サ変は未然形+そ」の形で)相手にやんわりと自制を求める穏やかな禁止の意を表わす。〉 ・・・しないでほしい。・・・してくれるな。 (2) 〈(平安時代後期以降の用法)(副詞「な」と呼応しない「動詞連用形+そ」の形で)「な・・・そ」よりもきつめの禁止の意を表わす。〉 ・・・するな。・・・するのはやめろ。・・・してはならない。
〔終助〕
(1) 〈(副詞「な」と呼応した「な+動詞連用形:カ変・サ変は未然形+そ」の形で)相手にやんわりと自制を求める穏やかな禁止の意を表わす。〉 ・・・しないでほしい。・・・してくれるな。 (2) 〈(平安時代後期以降の用法)(副詞「な」と呼応しない「動詞連用形+そ」の形で)「な・・・そ」よりもきつめの禁止の意を表わす。〉 ・・・するな。・・・するのはやめろ。・・・してはならない。
▲ ♪ ▽ 70 △ ♪♪ <質問箱> [古語試験]
■
〈B〉
とかや【とかや】
《文中で用いると「不確実な伝聞」:直前の体言”X”(人・物・所・時など)に関し「はっきりそういう人・物・所・時だったか否か確証はないのだが、とにかくその”X”が・・・」の意となる。文末に置くと単なる「伝聞」の「・・・とかいう話である」の意(「とか」と同じ)になる。》
〔連接語〕 《と〔格助〕+か〔係助〕+や〔間投助〕》
(1) 〈(不確実な伝聞)(文中で)直前に述べられた記述が、情報として正確であるか否かが疑わしい意を表わす。〉 ・・・とかいう(人・物・所・時など)。定かではないが、とにかくその・・・。 (2) 〈(伝聞)(文末で)直前に述べられた事柄が、他者から聞いた情報であることを示す。〉 ・・・とかいうことだ。・・・なのだそうだ。・・・という話である。・・・と聞いている。
〔連接語〕 《と〔格助〕+か〔係助〕+や〔間投助〕》
(1) 〈(不確実な伝聞)(文中で)直前に述べられた記述が、情報として正確であるか否かが疑わしい意を表わす。〉 ・・・とかいう(人・物・所・時など)。定かではないが、とにかくその・・・。 (2) 〈(伝聞)(文末で)直前に述べられた事柄が、他者から聞いた情報であることを示す。〉 ・・・とかいうことだ。・・・なのだそうだ。・・・という話である。・・・と聞いている。
▲ ♪ ▽ 71 △ ♪♪ <質問箱> [古語試験]
■
〈B〉
とや【とや】
《「や」が疑問/反語を表わす場合(文中及び文末)は「・・・というのか?/・・・ということもあるまいに」の意になる。「や」が疑念を表わす場合(文末)は「・・・という話だと聞いている。が、その信憑性は保証しない」の意になる。》
〔連接語〕 《と〔格助〕+や〔係助〕》
(1) 〈(疑問・反語)(文中・文末で)「と」以前に述べられた内容を疑う、または、否定する意を表わす。〉 ・・・ということはない。・・・というのか?・・・ということもあるまいに。 (2) 〈(不確実な伝聞)(文末で)そこまでの記述が、幾分怪しげな伝聞情報であることを表わす。〉 ・・・とかいうことらしい。・・・なのだそうだ。・・・という話だ。
〔連接語〕 《と〔格助〕+や〔係助〕》
(1) 〈(疑問・反語)(文中・文末で)「と」以前に述べられた内容を疑う、または、否定する意を表わす。〉 ・・・ということはない。・・・というのか?・・・ということもあるまいに。 (2) 〈(不確実な伝聞)(文末で)そこまでの記述が、幾分怪しげな伝聞情報であることを表わす。〉 ・・・とかいうことらしい。・・・なのだそうだ。・・・という話だ。
▲ ♪ ▽ 79 △ ♪♪ <質問箱> [古語試験]
■
〈B〉
べからず【べからず】
《「禁止」(・・・してはならぬ)、「否定的推量」(・・・の筈がない)、「打消意志」(・・・するつもりはない)、「不可能」(・・・できぬ)など、脈絡に応じて様々の意となる。中古の「べからず」は漢文訓読調表現で、和文脈では「べくもあらず」や助動詞「まじ」を用いた。》
〔連接語〕 《べし〔助動ク型〕推量+ず〔助動特殊型〕打消》
(1) 〈(禁止)妥当性を欠く行為として禁ずる意を表わす。〉 ・・・してはならない。・・・すべきではない。 (2) 〈(否定的推量)ある事態の発生可能性が低いだろうとの予測(確信度は様々)を表わす。〉 ・・・の筈がない。・・・そうにもない。・・・などあり得ない。たぶん・・・ないだろう。 (3) 〈(意志の打消)ある行為を行なう意志がないことを強調する。〉 ・・・するつもりはない。・・・せぬつもりだ。絶対・・・しない。 (4) 〈(不可能)(能力不足や可能性の低さから)ある事態が成立しないであろうとの推量を表わす。〉 ・・・できない。・・・できそうにない。・・・られないだろう。・・・の可能性は低い。
〔連接語〕 《べし〔助動ク型〕推量+ず〔助動特殊型〕打消》
(1) 〈(禁止)妥当性を欠く行為として禁ずる意を表わす。〉 ・・・してはならない。・・・すべきではない。 (2) 〈(否定的推量)ある事態の発生可能性が低いだろうとの予測(確信度は様々)を表わす。〉 ・・・の筈がない。・・・そうにもない。・・・などあり得ない。たぶん・・・ないだろう。 (3) 〈(意志の打消)ある行為を行なう意志がないことを強調する。〉 ・・・するつもりはない。・・・せぬつもりだ。絶対・・・しない。 (4) 〈(不可能)(能力不足や可能性の低さから)ある事態が成立しないであろうとの推量を表わす。〉 ・・・できない。・・・できそうにない。・・・られないだろう。・・・の可能性は低い。
▲ ♪ ▽ 89 △ ♪♪ <質問箱> [古語試験]
■
〈C〉
むずらむ【むずらむ】
《自分自身以外の行動についての予測や疑問を述べる連語で、「むず」を単純な推量と見れば「・・・なのだろう(か?)」となり、意志を含むものと見れば「・・・するつもりなのだろう(か?)」となる。》
〔連接語〕 《むず〔助動サ変型〕推量+らむ〔助動ラ四型〕現在推量》
(1) 〈(単純推量)将来の、または未確認の事態について、予測や疑問を述べる。〉 ・・・だろう(か?)・・・になるのだろう(か?) (2) 〈(意志の推量)第三者の意志について、予測や疑問を述べる。〉 ・・・つもりなのだろう(か?)・・・しようというのだろう(か?)
〔連接語〕 《むず〔助動サ変型〕推量+らむ〔助動ラ四型〕現在推量》
(1) 〈(単純推量)将来の、または未確認の事態について、予測や疑問を述べる。〉 ・・・だろう(か?)・・・になるのだろう(か?) (2) 〈(意志の推量)第三者の意志について、予測や疑問を述べる。〉 ・・・つもりなのだろう(か?)・・・しようというのだろう(か?)