水準=【A】/語義総数=<4>/ブロック=[15]


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〈A〉 いう【優】
「優」の原義は「俳優」=「神前で各種の芸を演じること」で、「戯れ偽り」の語義はここに由来する。が、古語「優」の主たる語義は、同音「」の持つ「豊潤」の語義に発する「優秀」・「優美」であり、「艶」と並んで平安的理想美を代表する語となった。》
〔形動ナリ〕 {なら・なり/に・なり・なる・なれ・なれ}
  (1) 〈(性格・外見・振る舞い・書・画・音楽などについて)人物の物質的充足や精神的余裕から生まれる美が感じられる。〉 優美だ。優雅だ。上品だ。優しげだ。おっとりしている。自然体の美がある。伸びやかに美しい。あくせくしていない。わざとらしさがない。作り物でない内部からみ出るような美である。   (2) 〈(他者との相対比較上)まさっている。〉 優秀だ。卓越している。勝っている。抜きん出ている。他を圧している。他とはひと味違う。殊勝だ。見上げたものだ。格別だ。   (3) 〈(物質的に)豊かである。〉 潤沢だ。富裕だ。豊潤だ。金持ちだ。豊かだ。   (4) 〈(本気・本物ではなく)かりそめ・いつわりだ。〉 ほんのれだ。冗談だ。うそ偽りだ。

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〈A〉 いたはし【労し】
《「」=「(自分が)苦しい状況にある」系の「(病気や怪我で)苦しい」・「(心労・尽力で)骨が折れる」の語義と、苦境にある誰かに対し同情し手を差し伸べたい系統の「気の毒だ」・「いたわってやりたい」の語義に大別される。》
〔形シク〕 {しから・しく/しかり・し・しき/しかる・しけれ・しかれ}
  (1) 〈(自分自身が、病気や怪我で)苦痛を感じる。〉 苦しい。痛い。苦痛である。   (2) 〈(自分自身が、心遣い・尽力して)苦労する。〉 骨が折れる。一苦労である。心労が多い。気苦労が絶えない。楽じゃない。しんどい。きつい。辛い。   (3) 〈(病気の者や弱小な者に対して)大事にしたい気持ちになる。〉 大切にしたい。いたわりたい。いとおしい。世話してやりたい。守ってあげたい。   (4) 〈(苦境にあえぐ他人に同情して)心が痛む。〉 気の毒だ。痛ましい。辛い。可哀想だ。哀れだ。不憫だ。見ちゃいられない。

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〈A〉 うつくし【愛し・美し】
《「親から子/夫から妻」のような近親者の間での「目上から目下への愛情」が原義。平安期には「年下・小型・無力な存在」への「守ってあげたい可憐な感覚」の語義が加わり、中世には「外観上の美麗さ」、中世末から近世にかけて「行動上の潔さ」の語義も加わった。》
〔形シク〕 {しから・しく/しかり・し・しき/しかる・しけれ・しかれ}
  (1) 〈(親子・夫婦間での)愛し、いたわりたい感覚。〉 いとおしい。わしい。   (2) 〈(相手の小ささ・弱さ・けなげさに対して)自身の心のとげとげしさが失せ、とろけるような気持ちで、相手を守ってあげたくなる感覚。〉 可愛らしい。可憐だ。心がむ。抱きしめたい。ずりしたい。もうメロメロだ。   (3) 〈(外観に関して)美意識に心地よく訴えてくる感覚。〉 美麗だ。綺麗だ。よく整っている。美しい。   (4) 〈(行動・出来映えが)何らかの尺度に照らして、賞賛に値する感覚。〉 見事だ。立派だ。大したものだ。優秀だ。めてよい。   

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〈A〉 おくる【後る・遅る】
《「時間的な遅れ」の語義から発展して、「人に死に後れる」・「他者との比較対照上、劣る」・「気後れする」などの語義を持つに至った。他動詞形は「後らかす」。》
〔自ラ下二〕 {れ・れ・る・るる・るれ・れよ}
  (1) 〈(時間的に)後になる。〉 遅れる。後になる。取り残される。時機を逃す。   (2) 〈(他の人が死んだ後に)自分だけ生き残る。〉 死に後れる。死別する。先立たれる。   (3) 〈(才能・容姿・性質などが)他者と比較して、下である。〉 劣る。負けている。及ばない。足りない。   (4) 〈(自分の劣勢を感じて)消極的な気持ちになる。〉 気後れする。臆する。臆病風に吹かれる。たじたじとなる。

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〈A〉 おとなし【大人し】
《名詞「大人」の持つ「一人前」・「中心的」・「老練」の意を形容詞化したもの。「おとなおとなし」の畳語形もある。現代語の「おとなしい=事を荒立てない」は、中世以降生じた「温和」の語義が発展したもの。》
〔形シク〕 {しから・しく/しかり・し・しき/しかる・しけれ・しかれ}
  (1) 〈(成人が)成熟した大人の特性を具備している。(子供が)年齢よりも妙に大人びている。〉 大人らしい。ませている。成熟している。大人びている。いかにも一人前だ。子供っぽくない。   (2) 〈(年齢・経験から)集団内で中心的な立場にある。〉 中心人物である。主だっている。年配である。重鎮の雰囲気がある。場を仕切っているように見える。   (3) 〈(年かさの者に特有の)年齢・経験に裏打ちされた気配りが行き届いている。〉 思慮深い。分別臭い。よくえたものだ。手慣れたものだ。心得たものだ。   (4) 〈(性格・行動が)他人に素直に受け入れられやすい。〉 温和だ。穏健だ。穏当だ。素直だ。癖がない。

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〈A〉 おのづから【自ら】
《「自己」の意の「」+「位置」を示す上代の格助詞「つ」+「源泉」の意の「柄」=「自分自身を源泉として」が原義。同種の組成の語には「同胞」(=同じ母親の腹から生じた人間=兄弟)/「遠つ日」(=現在から見てたった時点に位置する日=一昨日)がある。》
〔副〕
  (1) 〈(意志・意識の作用を伴わずに)事態が自然に発生するさまを表わす。〉 自然発露的に。自然発生的に。自発的に。ひとりでに。   (2) 〈(意志性・計画性を伴わずに)事態が無意識のうちに発生するさまを表わす。〉 いつの間にか。知らぬ間に。無意識のうちに。気付かぬうちに。そうするつもりもないのに。   (3) 〈(必然性を伴わずに)事態が偶発的に発生するさまを表わす。〉 たまたま。偶然。ただ何となく。特に理由もなく。わけもなく。   (4) 〈(仮定表現を伴って)婉曲に物事を想定する。〉 もし仮に・・・。ひょっとして・・・。万が一・・・。もしかして・・・。

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〈A〉 かたち【形・容・貌】
《「物の外形」が原義だが、「人の容貌=顔かたち」としての使用例が多く、(身なりを含む)全身的印象を表わす「姿」と対照的に用いる。「形有り」(=美形だ)、「形人」(=美女・美男)など、「かたち」を含む連語は「顔立ち」に関するものと覚えておくとよい。》
〔名〕
  (1) 〈(物事の物理的な)形象。〉 姿形。外形。輪郭。見た目。目に見える姿。   (2) 〈(人の)顔の造り。〉 容貌。顔立ち。造作。人相。   (3) 〈顔かたちの美しさ。(「形人」の略、主に女性について)顔立ちの美しい人。〉 美しい顔立ち(の人物)。美人。美女。綺麗どころ。   (4) 〈(「形有様」の略)(無形の)物事の状態。〉 有様。状況。様子。さま。感じ。

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〈A〉 ここち【心地】
《その場の状況から漠然と受ける気分や感じを表わす語。類義語「心」が持つ「対象への指向性・強い意志性」は「心地」には薄く、「なよなよ・へにゃへにゃ」とした受動的惰弱性(しばしば「病気」の気配さえ)伴う。》
〔名〕
  (1) 〈(その場の状況に触発されての)一時的な精神状態。〉 気分。心持ち。気持ち。心地。   (2) 〈(人・物・状態を)別の何かに例えて言う語。〉 ・・・のような感じ。まるで・・・みたい。例えて言えば・・・。・・・風。   (3) 〈(事態に正常に対処する上で必要な)精神状態や思考。〉 きちんとした考え。魂。心構え。思慮。分別   (4) 〈(病気などで)肉体的・精神的に弱った状態。〉 病弱。気分がすぐれぬこと。惰弱

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〈A〉 こころばへ【心延へ】
「延へ」は草木が「生える」にも通じ、生まれながらの特性として外の世界に延びて行きたがる性質を表わすので、「心延へ」には「生得的特質」の感覚が強い。一方、「心馳せ」人為的な「心の用い方」だが、「心延へ」もこの語義で用いられる場合もある。》
〔名〕
  (1) 〈(人やそれ以外の生き物の)本源的な特質。〉 性質。気質。気性。性格。性分。気立て。   (2) 〈(人物・出来事への対応に於ける)心の用い方。〉 心遣い。気遣い。気配り。気を回すこと。機転。機知。見事な対応。   (3) 〈(事物が、自然に、または、人為的に)発する雰囲気。〉 風情。趣向。趣。情感。独特な感じ。凝った作り。工夫。技巧。   (4) 〈(発言などの)意味。〉 主旨。趣意。真義。言わんとするところ。

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〈A〉 さすが【流石・遉】
上代の副詞「然すがに」の別読み語で、前述の内容を受けつつ「そうは言っても・・・」という逆接に加えて、現代語同様の「流石!」として後述の讃辞を導く用法もある。形容動詞としても用い、副詞同様の逆接を表わす他、事態を否定的に受け止める「やはり何となく気が咎める」の意も表わす。》
〔形動ナリ〕 {なら・なり/に・なり・なる・なれ・なれ}
  (1) 〈(相反する内容を持つ前後の脈絡をつないで)逆接的陳述を導く。〉 ・・・ではあるが、そうは言ってもやはり~である。いくら・・・だとしても、~はあるまい。確かに・・・だが、それでも~だ。いかに・・・とは言え、~というのはいかがなものか。   (2) 〈(特に照応する直前の脈絡を持たずに)事態に対する否定的な心情を表わす。〉 気がめる。感心しない。いけないことのような気がする。   
〔副〕
  (1) 〈(相反する内容を持つ前後の脈絡をつないで)逆接的陳述を導く。〉 ・・・ではあるが、そうは言ってもやはり~である。いくら・・・だとしても、~はあるまい。確かに・・・だが、それでも~だ。いかに・・・とは言え、~というのはいかがなものか。   (2) 〈(特に照応する直前の脈絡を持たずに)予想・期待・評判通りの事態であることを強調的に表わす。〉 さすがは。なるほど。やっぱり。いかにも。どうしてどうして。何と言っても。何のかんの言ってもやはり。

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〈A〉 しのぶ【忍ぶ】【慕ぶ・偲ぶ・賞ぶ】
「忍ぶ」「慕ぶ・偲ぶ・賞ぶ」は語源的には別語。「堪え忍ぶ」及び「秘密裏に行なう」の語義には「忍ぶ」の漢字を宛て、「慕う」及び「賞美する」の「しのぶ」(中古以降の語で、上代には「しのふ」と清音)の宛字「慕ぶ・偲ぶ・賞ぶ」である。》 〔他バ上二〕 {び・び・ぶ・ぶる・ぶれ・びよ} 〔他バ四〕 {ば・び・ぶ・ぶ・べ・べ}
【忍ぶ】   (1) 〈感情を抑制して表情や行動に出さないようにする。〉 え忍ぶ。我慢する。こらえる。じっと耐える。   (2) 〈人目に付かぬよう隠したり、かに行動する。〉 秘密裏に事を運ぶ。隠蔽する。隠す。こっそりとやる。
  【慕ぶ・偲ぶ・賞ぶ】   (3) 〈(主に、近辺にいない人のことを)心の中で恋しく思う。〉 思慕する。恋いう。わしく思う。追懐する。かしむ。   (4) 〈(目で見て)素晴らしいと感じる。〉 賞美する。賛美する。味わう。鑑賞する。える。

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〈A〉 なまめかし【生めかし・艶めかし】
《動詞「生めく」の形容詞化。現代には「艶めかしい」の表記で残るので「艶っぽい艶やか」の性的魅力に引きずられがちだが、”“に由来する「新鮮:fresh/自然:naturalな魅力」の語義も忘れてはならない。》
〔形シク〕 {しから・しく/しかり・し・しき/しかる・しけれ・しかれ}
  (1) 〈(人が)若さから来る新鮮な美をえている。〉 若々しい。瑞々しい。清々しい。清新な美がある。新鮮だ。弾けるようだ。若鮎のようだ。ぴちぴちしている。フレッシュだ。   (2) 〈(人や物が)(ちょっと見ではわからないが)よく見るとなかなかどうして魅力的だ。〉 意外に魅力的だ。さりげなく綺麗だ。なかなかに味がある。じんわりと好ましい。妙にかれる。なんとなくイイ感じだ。なにげにイケてる。   (3) 〈(人・道具・人為的景観などが)自然に溶け込んだ調和的な美を感じさせる。〉 自然でさりげない魅力がある。落ち着いた美がある。そこはかとない風情がある。しみじみと心かれる。   (4) 〈(人目を引くような)主張の強い美しさがある。(異性の目から見て)肉感的な魅力が強く感じられる。〉 やかだ。色っぽい。派手だ。色鮮やかだ。っぽい。好色な感じだ。

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〈A〉 ぬべし【ぬべし】
《この「ぬ」は確述(意味を強める)。実現が確実視される推量「・・・しそうだ」、確実にやり遂げる見込み「・・・することができそうだ」、意志表明「きっと・・・してしまうつもりだ」、妥当性の判断「・・・するのが適当だ」など、脈絡次第で様々な意味を表わす。》
〔連接語〕 《ぬ〔助動ナ変型〕完了+べし〔助動ク型〕推量》
  (1) 〈(確定的推測)確実にそうなると思われる事態を推量の形で述べる。〉 ・・・しそうだ。きっと・・・だ。・・・に違いない。間違いなく・・・だろう。   (2) 〈(完遂見込み)確実にやり遂げられそうであるとの観測を述べる。〉 ・・・することができそうだ。・・・し遂げられそうだ。   (3) 〈(強い意志)必ずやり遂げようとする意志を表わす。〉 ・・・てしまうつもりだ。必ず・・・するつもりである。・・・せずにはおくものか。   (4) 〈(妥当性の判断)そうするのが適当であろうという判断を表わす。〉 ・・・てしまうべきだ。・・・するのが当然だ。

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〈A〉 ふみ【文・書】
《漢語「文」の読み「ふん」が変化した語。元来は「文書」全般を指した。やがて、漢字中心の文書ということから「漢文・漢詩」、更には「中国を手本とした学問=漢学」(この語義では「大和魂」の対義語)の意が生じた。「手紙」の語義は現代でも文語の中に残っている。》
〔名〕
  (1) 〈紙面上に文字の書かれたもの。〉 文書。書物。書籍。書き物。   (2) 〈紙面を通じての他者への通信。〉 手紙。書簡。   (3) 〈(日本独自の和歌や仮名文学と対比して)中国伝来の韻文、及び、散文。〉 漢詩。漢文。漢籍。漢書。   (4) 〈(実務的な能力「やまとだましひ」と対比して)(主として、中国に範を取った)文物とその体系的学習。〉 学問。漢学。中国を手本にした学識。

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〈A〉 ほど【程】
《ある動作を行なう際に経過する「時間の長さ」が原義。その時間幅の中で移動可能な「空間距離」や、一定時間内に変化する物事の「様子・程度・度合」、更には社会学的に見た人間の属性を示す様々な尺度を意味する「身のほど」へと語義が広がった。》
〔名〕
  (1) 〈(時間的程度)ある動作・行動が行なわれる際に経過する一定の時間幅を表わす。〉 頃。時分。折。時間。経過時間。待ち時間。期間。・・・の間。・・・のうち。   (2) 〈(空間的程度)具体的な空間距離や、その空間の内部・近辺に存在する意を表わす。〉 距離。り。道のり。隔たり。広さ。大きさ。面積。付近。周辺。途上。途中。道中。   (3) 〈(質量的程度)一定範囲内で変化し得る物事について、現時点でどの段階・どんな様態にあるかを表わす。〉 程度。様子。度合。有様。具合。・・・ぐらい。・・・ほど。・・・のあたり。   (4) 〈(社会的程度)人間の個人の属性を社会的に規定する様々な尺度を表わす。〉 身の程。年齢。仲。分際。身分。家柄。間柄。関係(者)。

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〈A〉 まこと【真・実・誠】
《純粋・正確の意の接頭語「ま」に「事」を付けた語。ありのままを忠実に伝える「事実・真実」と、何の邪心もない「誠実」の意味に二分されるのは現代語も古語も同じ。副詞としては「実に」、感動詞としては(何かを思い出して)「そうそう、そういえば」の意を表わす。》
〔名・形動ナリ〕 {なら・なり/に・なり・なる・なれ・なれ}
  (1) 〈物事をありのまま忠実に伝え、虚偽がないこと。〉 真実。事実。   (2) 〈悪い思惑も何もなく、心底から相手を思いやる気持ち。〉 誠実。誠意。誠心。真心。   
〔副〕
  (1) 〈程度のだしさを強調する語。〉 本当に。まことに。全く。実に。   
〔感〕
  (1) 〈(多く「まことや」の形で)何かを思い出したり、咄嗟に思い付いたりした時に言う語。〉 そうそう。そう言えば。おお、そうだ。あぁ、確か。

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〈A〉 まばゆし【目映ゆし・眩し】
「目」+「映ゆし」で、強い光が目に当たって直視できず「まぶしい」が原義で、転じると讃辞「光り輝く」となる。古語特有の語義としては、視覚的眩惑を「正常状態からの逸脱」と見た貶し言葉としての「(自身が)恥ずかしい」・「(他者が)見るに堪えない」がある。》
〔形ク〕 {から・く/かり・し・き/かる・けれ・かれ}
  (1) 〈(物理的に)強い光が目に当たって、直視できぬ感覚を表わす。〉 まぶしい。目がむ。目映い。   (2) 〈(比喩的に)まるで光り輝く太陽のように立派なさま。〉 目映いばかりに見事だ。まぶしいほど素晴らしい。   (3) 〈(自分自身について)人とまともに顔を合わせられないほどに引け目を感じる心理を表わす。〉 恥ずかしい。照れ臭い。決まりが悪い。ばつが悪い。当惑している。   (4) 〈(他者の様子について)あまりにも度を超していて目をそむけたくなるさまを表わす。〉 見るにえない。正視できない。とても見ちゃいられない。見られたものではない。

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〈A〉 をのこ【男子・男】
《「をのこ」は「めのこ」と対になる語。「め」が「女」と同時に動物の「雌・♀」をも想定させるように、「を」にも「男」のみならず人間以下の生き物の「雄・牡・♂」の響きがある。「をのこ」の語義全般に、「をとこ」よりも一段低い存在としての含みがあるのはそのためである。》
〔名〕
  (1) 〈(結婚適齢期以前/身分が低い、などの条件から、女性から見て結婚相手とはみなされない)若い男子。〉 男の子。男子。少年。若い男。   (2) 〈(性別に言及し)(女性に対する)一般的な意味での男性。〉 男。男性。男子。男児。   (3) 〈(主人・貴人から見た)下働きの男性。〉 下男下僕。召使いの男。従僕の男。   (4) 〈(宮中清涼殿殿上の間伺候する)雑用係の男性。〉 蔵人御側近くに控える男。

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