おとなふ【音なふ・訪ふ】〔自ハ四〕

   [312] おとなふ【音なふ・訪ふ】〔自ハ四〕

〈A〉 おとなふ【音なふ・訪ふ】
「音」に由来し、「訪る」と同じく「(交際のある者との間での)訪問・音信」及び「(自己存在を主張するための)音出し」の意を表わす。》
〔自ハ四〕 {は・ひ・ふ・ふ・へ・へ}
  (1) 〈(馴染みの相手との交際のために)自ら出向いて会いに行く。〉 訪問する。訪れる。訪ねる。来訪する。御邪魔する。   (2) 〈(交際のある相手に)手紙を通じて近況を尋ねる。〉 お便りを出す。お手紙する。安否を尋ねる。音信を交わす。一筆啓上する。   (3) 〈(自分の存在を相手に知らせるために)音や声を立てる。(玄関先で)自分が訪問したことを伝え、奥に通してもらう。〉 物音を立てる。取り次ぎを求める。声を上げる。呼び掛ける。案内を請う。来意を告げる。鳴く。叫ぶ。騒ぎ立てる。
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【おと】+【なふ】人は常連客
 「おとなふ」の組成は「音+なふ」であり、「音=音信・あいさつ・ごめんくださぁーい!」であって、「なふ」は「その行為を(多く、常習・反復的に)行なう(・・・おこなふ)」意味であるから、「幾度となく相手を訪問したり、通信文を出したりする」意味となる・・・つまり、「仲のいいお友達との交際」に使う語であって、「初対面の誰かを訪問」なら「おとづる=音連る・・・訪る」とは言っても「音なふ」とは言わない。
 この種の「なふ」の語感を実感するのに最も良い語は、「(縄などを)綯ふ」であろう。実際自ら縄をなう体験をしたことのある現代人は少ないであろうが、見学したことぐらいはあるだろう:複数の細長い繊維を幾度も幾度も繰り返し絡ませて一本の縄に仕立て上げるあの感覚が、多かれ少なかれ古語の「なふ」の「(常習・反復性の)動作」にも宿っているのだ。
 「うべなふ(宜なふ)=YES, YES,そうだ、そーだ、ソーダ、と首をしきりに縦に振る首肯する」が感じさせるオモチャのおサルさん的な首の動きも、「いざなふ(誘ふ)=Hey, come on, let’s…ねぇ、ほら、さぁ、...しようょぉ~」の粘着性のおねだり感覚も、「あきなふ=Business = busy+ness = 忙しげに同じ事を繰り返すこと=継続性こそビジネスの本義とは見つけたり」の語源が「秋=収穫の季節」がやってくるたびに「百姓がせっせと手間暇かけて作った農作物」を「なふ」さぁ今こそ商機とばかり「まいど、おぉきに...ほなら、今年もまた、米**俵=**銭ほどで、あきなはせてもらいまひょか」と右から左へと流して利ざやをかすめ取って行く季節性渡り鳥的な「あきんど=秋人=商人=他者が作った何かを(収穫期のアキに要領よく)動かして自分の手柄にする人間」も、みんな「ナフぃ行動」取ってるわけである。
 最後のヤツなんざ、「商売言ぅもんは、奥が深くて、飽きが来ない。そゃさかい、あきない、言ぅんや」などと平然と言い放つアキンドさんもよぉけおらはるよぉですが・・・まぁ飽きもせず横滑りさせて自分の好きなツボに勝手に言葉を落とし込みはりますこってすなぁ、このニホンゴいぅ常習性ビリヤード型言葉あっちこっち転変ゲームプレイヤーさんたちのおこなひ言うたらもぅ・・・んでもってそうした非論理的感覚一本のデタラメ説明にも、ま~ぁせっせとうべなふ御調子者のニホンジンがほとんどなんやから・・・もぅワテほんまによぉ言わんゎ(以下、無言・・・音ない)。

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コメント (1件)

  1. the teacher
    ・・・当講座に「man-to-man指導」はありませんが、「コメント欄」を通しての質疑応答ができます(サンプル版ではコメントは無効です)

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