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▲ ♪ ▽ 46 △ ♪♪ <質問箱> [単語集]
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〈A〉ずは【ずは】
《「ず」の単なる強調形として「・・・などせずに」の意を表わす用法は上代のもの。「は」が順接の仮定条件を表わす「もし・・・ないならば」の用法は特に重要で、この用法の「ずは」から中世に「ずんば」の形が生まれた。「ずば」は近世以降の語形。》
〔連接語〕《ず〔助動特殊型〕打消+は〔係助〕》(1)〈(上代)否定語「ず」を強調する。〉・・・などせずに。 (2)〈順接の仮定条件を表わす。〉もし・・・ないならば、~。 (3)〈「ざり」の言い換えとして「ずはあり」の形で用いる。(和歌の七五調に合わせるための言い回し)〉・・・ない。
〔連接語〕《ず〔助動特殊型〕打消+は〔係助〕》(1)〈(上代)否定語「ず」を強調する。〉・・・などせずに。 (2)〈順接の仮定条件を表わす。〉もし・・・ないならば、~。 (3)〈「ざり」の言い換えとして「ずはあり」の形で用いる。(和歌の七五調に合わせるための言い回し)〉・・・ない。
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〈B〉ならでは【ならでは】
《断定助動詞「なり」の未然形に打消の接続助詞「で」と係助詞「は」を付けた語で、打消の表現を伴い「・・・以外には・・・ない」という限定性を表わす。この「は」は順接の仮定条件を表わし、機能的には明らかに接続助詞だが、伝統的古典文法では係助詞扱い。》
〔連接語〕《なり〔助動ナリ型〕断定+で〔接助〕+は〔係助〕》〈(打消の表現を伴って)ある特定の条件のみに限定する意を表わす。〉・・・以外には。
〔連接語〕《なり〔助動ナリ型〕断定+で〔接助〕+は〔係助〕》〈(打消の表現を伴って)ある特定の条件のみに限定する意を表わす。〉・・・以外には。
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〈A〉ぬべし【ぬべし】
《この「ぬ」は確述(意味を強める)。実現が確実視される推量「・・・しそうだ」、確実にやり遂げる見込み「・・・することができそうだ」、意志表明「きっと・・・してしまうつもりだ」、妥当性の判断「・・・するのが適当だ」など、脈絡次第で様々な意味を表わす。》
〔連接語〕《ぬ〔助動ナ変型〕完了+べし〔助動ク型〕推量》(1)〈(確定的推測)確実にそうなると思われる事態を推量の形で述べる。〉・・・しそうだ。 (2)〈(完遂見込み)確実にやり遂げられそうであるとの観測を述べる。〉・・・することができそうだ。 (3)〈(強い意志)必ずやり遂げようとする意志を表わす。〉・・・てしまうつもりだ。 (4)〈(妥当性の判断)そうするのが適当であろうという判断を表わす。〉・・・てしまうべきだ。
〔連接語〕《ぬ〔助動ナ変型〕完了+べし〔助動ク型〕推量》(1)〈(確定的推測)確実にそうなると思われる事態を推量の形で述べる。〉・・・しそうだ。 (2)〈(完遂見込み)確実にやり遂げられそうであるとの観測を述べる。〉・・・することができそうだ。 (3)〈(強い意志)必ずやり遂げようとする意志を表わす。〉・・・てしまうつもりだ。 (4)〈(妥当性の判断)そうするのが適当であろうという判断を表わす。〉・・・てしまうべきだ。
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〈A〉なむ【なむ】
《語形は係助詞・終助詞の「なむ」と同じ。意味は連語「てむ」とほぼ同じ。動作の主体が自身の場合「強い意志」、他者の場合「確信のある推量」/「軽い命令・願望」、いずれにも限定されぬ用法としては「高い可能性」/「妥当性の判断」の意となる。》
〔連接語〕《ぬ〔助動ナ変型〕完了+む〔助動マ四型〕推量》(1)〈(確信のある推量)(主語は自分以外)直前の動作が必ず行なわれるであろうという推量を表わす。〉必ずや・・・に違いない。 (2)〈(強い意志)(主語は自分自身)直前の動作を必ず行なおうとする意志を表わす。〉必ず・・・しよう。 (3)〈(高い可能性)(主語は自身/他者双方あり得る)直前の動作が可能であるとの確信を表わす。〉きっと・・・できるだろう。 (4)〈(妥当性の判断)(特定の主語に限定されない客観的観測として述べる)直前の動作が行なわれるのが妥当であるとの判断を表わす。〉・・・すべきだ。 (5)〈(軽い命令・願望)(主語は自分以外。多く「なむや」の形で)直前の動作を他者が行なうことを望む意を婉曲に表わす。〉・・・してはくれまいか。 (6)〈(仮定)(連体修飾語を形成し、直後に仮定の語を伴って)直前の動作が実際に行なわれた場合を想定する。〉もし・・・したならば。
〔連接語〕《ぬ〔助動ナ変型〕完了+む〔助動マ四型〕推量》(1)〈(確信のある推量)(主語は自分以外)直前の動作が必ず行なわれるであろうという推量を表わす。〉必ずや・・・に違いない。 (2)〈(強い意志)(主語は自分自身)直前の動作を必ず行なおうとする意志を表わす。〉必ず・・・しよう。 (3)〈(高い可能性)(主語は自身/他者双方あり得る)直前の動作が可能であるとの確信を表わす。〉きっと・・・できるだろう。 (4)〈(妥当性の判断)(特定の主語に限定されない客観的観測として述べる)直前の動作が行なわれるのが妥当であるとの判断を表わす。〉・・・すべきだ。 (5)〈(軽い命令・願望)(主語は自分以外。多く「なむや」の形で)直前の動作を他者が行なうことを望む意を婉曲に表わす。〉・・・してはくれまいか。 (6)〈(仮定)(連体修飾語を形成し、直後に仮定の語を伴って)直前の動作が実際に行なわれた場合を想定する。〉もし・・・したならば。
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〈A〉な【な】
《上代には「な+動詞連用形」で、それ以降は「な+動詞連用形(カ変・サ変のみ未然形)+そ」の形で、「・・・はするな」の意を表わす。「動詞終止形+終助詞"な"」(現代日本語の否定表現と同じ形)と比較すると、やや弱い感じの禁止表現である。》
〔副〕(1)〈(中古以降)(「な+動詞の連用形(カ変・サ変のみ未然形)+そ」の形で)穏やかに禁止する意を表わす。〉・・・しないでほしい。 (2)〈(上代)(「な+動詞の連用形」の形で)禁止の意を表わす。〉・・・するな。
〔副〕(1)〈(中古以降)(「な+動詞の連用形(カ変・サ変のみ未然形)+そ」の形で)穏やかに禁止する意を表わす。〉・・・しないでほしい。 (2)〈(上代)(「な+動詞の連用形」の形で)禁止の意を表わす。〉・・・するな。
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〈A〉そ【そ】『接続:{連用形・動詞型活用助動詞連用形・カ変未然形・サ変未然形}』
《強調の係助詞「ぞ」に由来し、副詞「な」と呼応した「な+動詞連用形+そ」形で(「動詞終止形+な」形よりは穏やかな)「禁止」の意を表わす。副詞「な」を伴わず単独の「そ」だけで「きつめの禁止」を表わす語法も、平安後期以降には生じた。》
〔終助〕(1)〈(副詞「な」と呼応した「な+動詞連用形+そ」の形で)相手にやんわりと自制を求める穏やかな禁止の意を表わす。〉・・・しないでほしい。 (2)〈(平安時代後期以降の用法)(副詞「な」と呼応しない「動詞連用形+そ」の形で)「な・・・そ」よりもきつめの禁止の意を表わす。〉・・・するな。
〔終助〕(1)〈(副詞「な」と呼応した「な+動詞連用形+そ」の形で)相手にやんわりと自制を求める穏やかな禁止の意を表わす。〉・・・しないでほしい。 (2)〈(平安時代後期以降の用法)(副詞「な」と呼応しない「動詞連用形+そ」の形で)「な・・・そ」よりもきつめの禁止の意を表わす。〉・・・するな。
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〈B〉とかや【とかや】
《文中で用いると「不確実な伝聞」:直前の体言"X"(人・物・所・時など)に関し「はっきりそういう人・物・所・時だったか否か確証はないのだが、とにかくその"X"が・・・」の意となる。文末に置くと単なる「伝聞」の「・・・とかいう話である」の意(「とか」と同じ)になる。》
〔連接語〕《と〔格助〕+か〔係助〕+や〔間投助〕》(1)〈(不確実な伝聞)(文中で)直前に述べられた記述が、情報として正確であるか否かが疑わしい意を表わす。〉・・・とかいう(人・物・所・時など)。 (2)〈(伝聞)(文末で)直前に述べられた事柄が、他者から聞いた情報であることを示す。〉・・・とかいうことだ。
〔連接語〕《と〔格助〕+か〔係助〕+や〔間投助〕》(1)〈(不確実な伝聞)(文中で)直前に述べられた記述が、情報として正確であるか否かが疑わしい意を表わす。〉・・・とかいう(人・物・所・時など)。 (2)〈(伝聞)(文末で)直前に述べられた事柄が、他者から聞いた情報であることを示す。〉・・・とかいうことだ。
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〈B〉とや【とや】
《「や」が疑問/反語を表わす場合(文中及び文末)は「・・・というのか?/・・・ということもあるまいに」の意になる。「や」が疑念を表わす場合(文末)は「・・・という話だと聞いている。が、その信憑性は保証しない」の意になる。》
〔連接語〕《と〔格助〕+や〔係助〕》(1)〈(疑問・反語)(文中・文末で)「と」以前に述べられた内容を疑う、または、否定する意を表わす。〉・・・ということはない。・・・というのか? (2)〈(不確実な伝聞)(文末で)そこまでの記述が、幾分怪しげな伝聞情報であることを表わす。〉・・・とかいうことらしい。
〔連接語〕《と〔格助〕+や〔係助〕》(1)〈(疑問・反語)(文中・文末で)「と」以前に述べられた内容を疑う、または、否定する意を表わす。〉・・・ということはない。・・・というのか? (2)〈(不確実な伝聞)(文末で)そこまでの記述が、幾分怪しげな伝聞情報であることを表わす。〉・・・とかいうことらしい。
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〈B〉べからず【べからず】
《「禁止」(・・・してはならぬ)、「否定的推量」(・・・の筈がない)、「打消意志」(・・・するつもりはない)、「不可能」(・・・できぬ)など、脈絡に応じて様々の意となる。中古の「べからず」は漢文訓読調表現で、和文脈では「べくもあらず」や助動詞「まじ」を用いた。》
〔連接語〕《べし〔助動ク型〕推量+ず〔助動特殊型〕打消》(1)〈(禁止)妥当性を欠く行為として禁ずる意を表わす。〉・・・してはならない。 (2)〈(否定的推量)ある事態の発生可能性が低いだろうとの予測(確信度は様々)を表わす。〉・・・の筈がない。・・・そうにもない。 (3)〈(意志の打消)ある行為を行なう意志がないことを強調する。〉・・・するつもりはない。 (4)〈(不可能)(能力不足や可能性の低さから)ある事態が成立しないであろうとの推量を表わす。〉・・・できない。
〔連接語〕《べし〔助動ク型〕推量+ず〔助動特殊型〕打消》(1)〈(禁止)妥当性を欠く行為として禁ずる意を表わす。〉・・・してはならない。 (2)〈(否定的推量)ある事態の発生可能性が低いだろうとの予測(確信度は様々)を表わす。〉・・・の筈がない。・・・そうにもない。 (3)〈(意志の打消)ある行為を行なう意志がないことを強調する。〉・・・するつもりはない。 (4)〈(不可能)(能力不足や可能性の低さから)ある事態が成立しないであろうとの推量を表わす。〉・・・できない。
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