意味集団<022>ブロック=[10]


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〈A〉 くちをし【口惜し】
上代には使用例がなく、中古以降の語とされる。原義は「朽ち+惜し」で、朽ち果てるのを止められない無力感を表わす「残念だ」の意。後には「口+惜し」(口に出して語ることすら惜しまれる)の発想で「期待外れだ」・「身分が低い」の語義が生まれた。》
〔形シク〕 {しから・しく/しかり・し・しき/しかる・しけれ・しかれ}
  (1) 〈(自分ではどうにもならない外的状況に関し)納得できないが受け入れるより他に仕方がない、という無力感を表わす。〉 何とも残念なことだ。不本意だが仕方ない。悔しいがどうにもならない。   (2) 〈(期待に外れる他者・自身の状態・行為に関し)失望を禁じ得ない。〉 がっかりだ。物足りない。拍子抜けだ。情けない。不甲斐ない。感心しない。いただけない。納得しかねる。これでは不本意だ。面白くない。つまらない。期待外れだ。見損なった。所詮この程度のものか。しい。悔しい。   (3) 〈(話題に乗せることすらはばかられるほどに)社会的地位が低い。〉 身分がしい。言うにも値しない。取るに足らない。物の数にも入らない。つまらぬ身分だ。けちな存在だ。

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〈B〉 あたら【惜】
《形容詞「あたらし」の元になった語で、元来は名詞直前に置かれて接頭語的機能を果たしていたものが、中古以降独立的に用いられるようになった。》
〔副〕
  (1) 〈価値あるものが、正当に扱われないことや、失われてしまうことを、惜しむ気持ちを表わす。〉 勿体なくも。惜しくも。残念にも。   
〔連体〕
  (1) 〈不当に低評価の物事や、消え去るのが惜しまれる物事に付ける。〉 折角の。惜しむべき。もったいない。立派な・・・なのに。

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