古語試験:意味集団<086>ブロック=[05]


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〈A〉まゐる【参る】
《上代の「行く」・「来」の謙譲語「参る」の連用形「まゐ」に「入る」が付いた「参入る」が転じた語。原義は「貴人の許・貴所に行く」の謙譲語。他動詞としては「差し上げる」の謙譲語/「・・・(名詞)+参る」形で「・・・してさしあげる」/「飲食着用行為全般」の尊敬語となる。》
〔自ラ四〕{ら・り・る・る・れ・れ}(1)〈(貴人の近くや貴所へ)「行く」の謙譲語。〉参上する。  (2)〈(宮中貴人の下で)仕事をさせていただく。〉お仕えする。  (3)〈(皇后中宮女御などの立場で)天皇として宮中入らせていただく。〉入内する。  (4)〈(寺社・陵墓など)神聖な場所に出向く。〉参詣する。  (5)〈「行く」・「」の丁重語。〉参ります。 〔他ラ四〕{ら・り・る・る・れ・れ}(1)〈(貴人に対して)「与ふ」・「遣る」の謙譲語。〉差し上げる。  (2)〈(行為の対象に敬意を表して)(「名詞+参る」の形で)「」・「行ふ」の謙譲語。〉・・・して差し上げる。  (3)〈(行為主に敬意を表して)「」・「行ふ」その他の動詞の尊敬語。〉・・・なさる。  (4)〈「食ふ」・「飲む」・「着る」その他の動詞の尊敬語。〉お召しになる。

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〈A〉わたる【渡る】
《海洋を古語では「海」・「わたつうみ・わたつみ・わだつみ=海つ」と呼ぶが、これと同根語で、広い空間をこちら側からあちら側へ直線的に移動する意を表わす語が「渡る」。空間移動を原義としつつ、派生的に、時間的広がりにも言及する様々な語義を持つ。》
〔自ラ四〕{ら・り・る・る・れ・れ}(1)〈(川・海・湖など)水面上を、こちら側からあちら側へと直線的に移動する。〉渡航する。  (2)〈(太陽・月などの天体が)移動する。〉横切る。  (3)〈(部屋や家、他者のいる場所へと)地上を、特定の目的地へ向けて移動する。〉行く来る。  (4)〈(部屋や家、他者のいる前を)立ち止まることなくそのまま移動を続ける。〉通過する。  (5)〈(影響や効力が)特定の範囲に広がる。〉広く通じる。  (6)〈(中世以降、多く「わたらせたまふ」の形で)「あり」・「をり」の尊敬語。〉いらっしゃる。  (7)〈(時間的に)一定の期間を送る。〉過ごす。 〔補動ラ四〕{ら・り・る・る・れ・れ}〈(動詞の連用形に付いて)広い空間的・時間的範囲にまたがる意を表わす。〉広く・・・する。長い間・・・する。

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〈B〉おとづる【訪る】
《語源的には「」+「る」で「相手への音信・訪問を、連続的に行なう」が原義。「」を巡る同義語として「音なふ・訪なふ」もあり、「馴染みの相手とのよしみを御無沙汰なしに継続するための訪問・音信」の含みは両語に共通する。》
〔自ラ下二〕{れ・れ・る・るる・るれ・れよ}(1)〈(馴染みの相手との交際のために)自ら出向いて会いに行く。〉訪問する。  (2)〈(交際のある相手に)手紙を通じて近況を尋ねる。〉お便りを出す。  (3)〈(自分の存在を相手に知らせるために)を立てる。〉物音を立てる。

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〈A〉おとなふ【音なふ・訪ふ】
《「音」に由来し、「訪る」と同じく「(交際のある者との間での)訪問音信」及び「(自己存在主張するための)出し」の意を表わす。》
〔自ハ四〕{は・ひ・ふ・ふ・へ・へ}(1)〈(馴染みの相手との交際のために)自ら出向いて会いに行く。〉訪問する。  (2)〈(交際のある相手に)手紙を通じて近況尋ねる。〉お便りを出す。  (3)〈(自分の存在を相手に知らせるために)を立てる。(玄関先で)自分が訪問したことを伝え、に通してもらう。〉物音を立てる。取り次ぎを求める。

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