・・・これは収録語数を絞り込んだ見本版です;ので、ガンバって全部覚えても成果の程は保証できません・・・

大学入試重要古語水準語1500
[『扶桑語り』登場順]
<22作品総集編>

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^TOP^1:『夢にねぶる娘』
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〈B〉 ねぶ【ねぶ】
《「大人ぶ」と「老い就く」の中間で、「年齢を重ねる」の意。子供に用いれば「成長する/大人びる」、既に成長過程を終えた大人が対象なら「年を取る」の意。「老け込む」という否定的意味をも表わし得るが、「惚く惚る」や「痴る」のように「耄碌する」の意は含まない。》
〔自バ上二〕 {び・び・ぶ・ぶる・ぶれ・びよ}
  (1) 〈(大人に用いて)年齢を重ねる。または、いかにも老人らしい雰囲気になる。(耄碌の含意はない)〉 年を取る。老ける。加齢する。老化する。老け込む。ジジくさくなる。ババくさくなる。   (2) 〈(子供に用いて)(肉体的・精神的に、あるいは年齢不相応に)大人に近くなって行く。〉 成長する。大人びる。ませる。大きくなる。育つ。
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〈B〉 いまはむかし【今は昔】
《英語で言うところの“Once upon a time”と同じく、「むかしむかし」を意味する物語の冒頭部の決まり文句。「今となっては昔のことだが」/「あなたは今、自分は昔の時代に存在している、という前提でこの話の世界に入って来て下さい」という二通りの解釈が可能。》
〔連語〕 《いま〔名〕+は〔係助〕+むかし〔名〕》
  (1) 〈物語の冒頭で、これから昔語りが始まることを宣言する決まり文句。〉 昔々。これは昔の話だが。今となっては昔語りになるが。昔日の物語であるが。古い話だが。
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〈A〉 こよなし【こよなし】
《語源は「越ゆるもの無し」とも「此より勝るもの無し」とも言われ、他者との相対比較上の優越性を意味する・・・だが、日本は古来、比較対象を明確に見据えることをせぬ「絶対文化圏」につき、「こよなし」も比較級というより絶対最上級的ツキヌケ独善讃辞の色彩が濃い。貶して「最悪」の意に用いる場合もある。》
〔形ク〕 {から・く/かり・し・き/かる・けれ・かれ}
  (1) 〈(最上級的賛辞として)とにかくひたすらに素晴らしい。〉 この上ない。格別だ。段違いだ。比べようがない。比類なき素晴らしさだ。   (2) 〈(良きにつけしきにつけ)他に比較して格段の相違がある。〉 段違いだ。格段に優る(劣る)。だしく・・・だ。雲泥の差だ。月とすっぽんだ。
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〈C〉 せうと【兄人】
《女性から見た兄弟・夫・恋人など、親密な男性を指す「兄・背」に「」を付けた「兄人・背人」のウ音便形。平安期には、女性から見た「兄・弟」または、それに擬すべき「親密な男性」を指した。後に「男の兄弟」の意が加わり、やがて「」のみに限定されるようになる。》
〔名〕
  (1) 〈(女性から見た)男の兄弟。〉 兄。弟。兄弟。   (2) 〈(女性からの視点ではなく、一般的に)男の兄弟。後代には、兄。〉 男兄弟。兄。お兄さん。兄貴。兄者。   (3) 〈(女性から見た)親しい関係の男性。〉 特別親しい男性。いい人。
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〈A〉 こと【事】
《中古に「言」と分化して以降の「事」の対義語は「物」。存在する事物の実体に言及して具体的な「物」に対し、「事」事物の状態・性質に言及して抽象的である。いずれも「・・・な物/事」という形式名詞的にも用いられ、この用法での両者の境界線は曖昧。》
〔名〕
  (1) 〈(活用語の連体形の直後に置き、形式名詞的に用いて)名詞句を作る。〉 ・・・という事。・・・する事。・・・である事。・・・な事。   (2) 〈(事柄の発生に着目して)(人の行為や、人・物との関わりの結果として)生起する事柄。〉 出来事。事例。事。件。   (3) 〈(事柄の内容に着目して)(時間の経過と共に変化する)事態の様相や展開。〉 経緯事情。状況。成り行き。展開。一部始終。模様。様子。   (4) 〈(その発生・展開・結末が)人や世の中に何らかの影響を及ぼすような重大な事柄。特に、人の死。〉 事件。不幸。事変。一大事。事故。由々しき事態。   (5) 〈(一定の様式に従って執り行なわれる)職務的・事務的・典礼的な事柄。〉 仕事。任務。用件。用事。公務。政務。行事。事業。儀礼。儀式。刑罰。   (6) 〈(文末に置き、断定・命令・禁止・感嘆・疑問などの意を)体言止めの形で強調的に表わす。〉 ・・・ということ。・・・すること。・・・せぬこと。・・・なものよ。・・・なのか。   (7) 〈(「事にす」、「事にて」などの形で)その事柄に意を用いる意を表わす。〉 没頭する。没入する。専心する。専念する。かかずり合う。
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〈B〉 いくばく【幾許】
《数量的疑念を表わす「」に、量・程度について見積もる接尾語「ば」+副詞語尾「く」が付いた語で、疑問の意の「どのくらい」/否定の脈絡での「いくらも・・・ない」の二義を持つ。肯定文では使わず、疑問・否定・反語のいずれかで用いる。》
〔副〕
  (1) 〈数量・程度に関する疑問の意を表す。〉 どのくらい。どの程度。どんなに。どれほど多く。   (2) 〈(下に打消・反語の表現を伴って)数量・程度がそれほどでもないことを表わす。〉 いくらも・・・ない。それほど・・・ない。たいして・・・ない。・・・と言ってもたかが知れている。
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〈A〉 おくる【後る・遅る】
《「時間的な遅れ」の語義から発展して、「人に死に後れる」・「他者との比較対照上、劣る」・「気後れする」などの語義を持つに至った。他動詞形は「後らかす」。》
〔自ラ下二〕 {れ・れ・る・るる・るれ・れよ}
  (1) 〈(時間的に)後になる。〉 遅れる。後になる。取り残される。時機を逃す。   (2) 〈(他の人が死んだ後に)自分だけ生き残る。〉 死に後れる。死別する。先立たれる。   (3) 〈(才能・容姿・性質などが)他者と比較して、下である。〉 劣る。負けている。及ばない。足りない。   (4) 〈(自分の劣勢を感じて)消極的な気持ちになる。〉 気後れする。臆する。臆病風に吹かれる。たじたじとなる。
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〈A〉 いと【いと】
《程度の甚だしさを表わす形容詞「甚し・痛し」の語幹「甚」母音交替形で、「甚く・痛く」同根語。「いたく(いとう)」が主に動詞を修飾するのに対し、「いと」は主に形容詞・形容動詞・副詞を強調する。「いといと」・「いとしも」・「いとも」などの強調形もある。》
〔副〕
  (1) 〈(主に形容詞・形容動詞・副詞を修飾して)程度がだしいさまを表わす。〉 とても。非常に。たいそう。大いに。それはもう。本当に。全く。実に。   (2) 〈(下に打消の語を伴って)程度がはなはだしくないことを表わす。〉 それほど・・・ない。あんまり・・・ない。たいして・・・ない。さほど・・・ない。さして・・・ない。
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〈C〉 きびは【きびは】
《「ひよわ」を意味する「繊弱・怯弱」の語幹「ひは」に、「世慣れ初々しい」意の「生」を添えた「きひは」の転か、と言われる。「幼年者のか弱いさま」の形容に限定される語で、病弱・疲労・精神的衝撃などで大人が弱っている状態の形容には用いない。》
〔形動ナリ〕 {なら・なり/に・なり・なる・なれ・なれ}
  (1) 〈(若年者が)見るからに弱々しく、健気なさま。〉 幼くてか弱い。たよりなげでいじらしい。はかなく可憐だ。
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〈A〉 うつくし【愛し・美し】
《「親から子/夫から妻」のような近親者の間での「目上から目下への愛情」が原義。平安期には「年下・小型・無力な存在」への「守ってあげたい可憐な感覚」の語義が加わり、中世には「外観上の美麗さ」、中世末から近世にかけて「行動上の潔さ」の語義も加わった。》
〔形シク〕 {しから・しく/しかり・し・しき/しかる・しけれ・しかれ}
  (1) 〈(親子・夫婦間での)愛し、いたわりたい感覚。〉 いとおしい。わしい。   (2) 〈(相手の小ささ・弱さ・けなげさに対して)自身の心のとげとげしさが失せ、とろけるような気持ちで、相手を守ってあげたくなる感覚。〉 可愛らしい。可憐だ。心がむ。抱きしめたい。ずりしたい。もうメロメロだ。   (3) 〈(外観に関して)美意識に心地よく訴えてくる感覚。〉 美麗だ。綺麗だ。よく整っている。美しい。   (4) 〈(行動・出来映えが)何らかの尺度に照らして、賞賛に値する感覚。〉 見事だ。立派だ。大したものだ。優秀だ。めてよい。
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〈B〉 てならひ【手習ひ】
《現代語では「六十の手習い」(老いて後になお初心者として技芸修得に挑戦すること)の形で残るが、古語の場合、習う物事は「習字」だけに限定されず、学問や稽古事全般の「修練」の意や、(主として和歌を)気の向くままに書き散らす「落書き」の意もある。》
〔名〕
  (1) 〈文字を書く練習。〉 習字。手習い。字の稽古   (2) 〈(学問・稽古事全般に)打ち込むこと。〉 修練。練習。稽古。鍛錬。修行。努力。   (3) 〈(主として和歌などを)気の向くままに紙に書き散らすこと。また、そうして書いた物。〉 走り書き。落書き。書き流し。乱れ書き。み書き。
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〈B〉 きほふ【競ふ】
《「他者に負けまいとして、勢い込んで事に向かって行く」が原義とされ、「気」+「負ふ」に発するものか、あるいは「勢ふ」(=息+覆ふ・・・その活力が周囲を威圧する)の略形かとも言われる。現代にも「気負う」の当て字で生き残っている。》
〔自ハ四〕 {は・ひ・ふ・ふ・へ・へ}
  (1) 〈(他者に負けまいとして)先を争って事を行なう。〉 張り合う。競争する。競合する。競い合う。我先にと・・・する。負けじと・・・する。   (2) 〈(多く、落ち葉の散るさまに言及して)(無意志の存在が)まるで先を争うかのように何かをする。〉 一斉に・・・する。はらはらと舞い散る。散り急ぐ。
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〈A〉 なす【為す・成す】
《今まで存在しなかったものが生まれる意の「生る・成る」の他動詞形が「為す・成す」。その語義には全て「変える」の含みがある。補助動詞としては「(本来そうではないものを)殊更/作為的に・・・とする」の意を表わす。》
〔他サ四〕 {さ・し・す・す・す・せ}
  (1) 〈行動を取る。〉 ・・・をする。・・・を行なう。・・・を為す。   (2) 〈(何かを材料に)新たなものを生み出す。(既にあるものに)手を加えて別ものに変える。(あるものを見て)・・・と解釈する。〉 ・・・を作り出す。・・・に作り替える。・・・とみなす。・・・を生む。・・・にする。・・・と感じる。・・・であるとする。   (3) 〈(本来とは異なるものへと)変える。〉 ・・・に変える。・・・へと転じる。・・・にする。・・・にしてしまう。・・・と化す。   (4) 〈(本来とは異なる用途に)あてはめて用いる。〉 ・・・に転用する。・・・の代用とする。・・・に代替する。・・・として使う。   (5) 〈(人を)役職につける。〉 任命する。任ずる。就任させる。かせる。   
〔補動サ四〕 {さ・し・す・す・す・せ}
  (1) 〈(動詞の連用形に続けて)意識して、あるいは無理にそのようにする意を表わす。〉 殊更・・・する。強引に・・・する。わざと・・・する。あたかもそうであるかのく・・・する。思惑を込めて・・・する。
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〈A〉 ものす【物す】
《具体的な対象を意図的にぼかした婉曲表現で、脈絡次第で様々な意を表わす。『蜻蛉日記』や『源氏物語』では多用され、『枕草子』や『大鏡』には数例あるのみ、という事実からも知れる通り、省略的記述による含蓄効果を狙った文物にこそ似つかわしい表現。》
〔自サ変〕 {せ・し・す・する・すれ・せよ}
  (1) 〈「存在」の意を表わす。〉 居る。在る。   (2) 〈「往来」の意を表わす。〉 行く。来る。往来する。   (3) 〈「生死」のいずれかの意味を表わす。〉 生まれる。死ぬ。   
〔他サ変〕 {せ・し・す・する・すれ・せよ}
  (1) 〈その動作をする意を表わす。〉 ・・・(を)する。   
〔補動サ変〕 {せ・し・す・する・すれ・せよ}
  (1) 〈(活用語の連用形に付いて)その動作をする意を表す。(尊敬の補助動詞「ふ」を伴う「ものしふ」は、補助動詞「あり」の尊敬表現として用いられる)〉 ・・・(して)いる。・・・(で)いらっしゃる。
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〈A〉 こころばへ【心延へ】
「延へ」は草木が「生える」にも通じ、生まれながらの特性として外の世界に延びて行きたがる性質を表わすので、「心延へ」には「生得的特質」の感覚が強い。一方、「心馳せ」人為的な「心の用い方」だが、「心延へ」もこの語義で用いられる場合もある。》
〔名〕
  (1) 〈(人やそれ以外の生き物の)本源的な特質。〉 性質。気質。気性。性格。性分。気立て。   (2) 〈(人物・出来事への対応に於ける)心の用い方。〉 心遣い。気遣い。気配り。気を回すこと。機転。機知。見事な対応。   (3) 〈(事物が、自然に、または、人為的に)発する雰囲気。〉 風情。趣向。趣。情感。独特な感じ。凝った作り。工夫。技巧。   (4) 〈(発言などの)意味。〉 主旨。趣意。真義。言わんとするところ。
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〈A〉 はづかし【恥づかし】
《現代語と同様、他者と比較した場合の自身の劣位性を自覚する「恥」の感情が基本であるが、古語の場合、自分を恥じ入らせるほどに立派な相手への「賞賛」の念に転じる場合が多い点に要注意。》
〔形シク〕 {しから・しく/しかり・し・しき/しかる・しけれ・しかれ}
  (1) 〈(誰かが)周囲を圧倒するほどに卓越している。また、(自分が)他人の凄さに劣等感を抱く。〉 素晴らしい。気後れがする。参った。脱帽である。圧倒的に凄い。   (2) 〈(自身の欠点や失態を思って)恥ずかしい。また、(他人の欠点や失態が)直視にえぬ。〉 恥ずかしい。無様だ。面目ない。嫌になる。見ちゃいられない。   (3) 〈とりたてて理由もないのに恥ずかしい。〉 照れ臭い。気恥ずかしい。気が引ける。もじもじする。こっぱずかしい。
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〈A〉 まほ【真秀】【真面】
稲穂・山の峰など、物理的突出部の意の「穂」抽象的優秀性に転じた「秀」に、「真」を付けて「完璧」の意とした語。「真帆」(帆船が真正面から風を受け止めること)の類推によると思われる「真正面から受け止め、直接的」・「いい加減でなく本格的」の語義もある。》
〔名・形動ナリ〕 {なら・なり/に・なり・なる・なれ・なれ}
【真秀】   (1) 〈(「片秀」の対義語)完全に整っていて、欠点を見出せないさま。〉 完璧だ。完全だ。理想的だ。十分だ。
  【真秀・真面】   (2) 〈(「真帆」の類推か?)いい加減なものではなく、本式なものであるさま。〉 本格的だ。正規のものだ。正真正銘の・・・だ。まがいものではない。
  【真面】   (3) 〈(「真帆」の類推から)真正面から物事を受け止めるさま。〉 直接的だ。じかに・・・だ。まともに・・・だ。もろに・・・だ。
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〈A〉 ては【ては】
《前後をつなぐ役割の接続助詞「て」と強調及び順接仮定条件の係助詞「は」の組合せ。語義は、「て」に力点のある用法(動作・作用の反復、順接の整調、付帯状況)/「は」に力点のある用法(順接の仮定条件、恒常条件、順接の確定条件)に分化する。》
〔連接語〕 《て〔接助〕+は〔係助〕》
  (1) 〈(動作・作用の反復)「ては」の前後の動作や作用が、相互補完的に繰り返されることを表わす。〉 ・・・たかと思うとまた~。・・・したり~したり。・・・と~の繰り返し。   (2) 〈(順接の整調)前後を順接の関係でつなぐ「て」に、「は」を添えて語調を整える。(意味そのものは「て」に同じ)〉 ・・・て、そして。・・・ては。・・・てから。   (3) 〈(付帯状況)「て」以前の状況の中に於いて、「は」以降の状況が成立していることを表わす。(打消・譲歩の表現とともに用いる)〉 ・・・しつつ。・・・ながら。・・・ては。・・・と同時に。・・・という感じで。・・・てこそ。   (4) 〈(順接の仮定条件)「て」以前の条件が満たされた場合を想定し、予想される帰結を「は」以降で述べる。〉 ・・・なら。・・・たら。もし・・・であれば。仮に・・・だとすると。   (5) 〈(恒常条件)「て」以前の条件が満たされれば、「は」以降の結果が常に生じることを表わす。〉 ・・・すると必ず。・・・するたびに。・・・の時はいつも。   (6) 〈(順接の確定条件)「て」以前の条件が満たされた以上は、「は」以降の帰結が予想されることを表わす。〉 ・・・であるからには。・・・である以上は。・・・たからには。・・・なのだから当然。
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〈C〉 ひがむ【僻む】
《間違っていることを意味する「僻」に動詞化語尾「む」を付けた語。現代語では「根性がひねくれていて、事実を素直に正しく認識できない」という性格面の欠陥を表わすのみだが、古語では「事実を歪める」という知的・社会的問題行動に言及する語義も持つ。》
〔自マ四〕 {ま・み・む・む・め・め}
  (1) 〈(性格的に)物事を素直に、あるいは正しく認識できない。〉 ひねくれる。すねる。ねじける。る。偏屈である。   
〔他マ下二〕 {め・め・む・むる・むれ・めよ}
  (1) 〈事実と異なる形へと物事をねじ曲げる。〉 歪曲する。める。
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〈A〉 なかなか【なかなか】
《中古は「なかなかに」の副詞形のみ、以後は形容動詞にも用いた。名詞「」の畳語で、両極端の半分に位置することから「中途半端」・「こんな程度なら最初からないほうがまし」・「いっそ・・・の方がいい」と否定的な語義ばかり。肯定的な語義は中世以降のもの。》
〔形動ナリ〕 {なら・なり/に・なり・なる・なれ・なれ}
  (1) 〈徹底を欠き、感心しないさま。〉 中途半端だ。どっちつかずだ。はっきりしない。生半可だ。   (2) 〈良い結果が期待できなかったり、逆効果になりそうな行動に気乗りがしないさま。〉 むしろしない方がまし。なまじするとロクなことにならない。すればかえってドツボにはまる。そんなことしたら藪蛇だ。有害無益な行動だ。   
〔副〕
  (1) 〈不徹底な形でなされるさま。〉 中途半端に。なまじ。なまじっか。生半可に。どっちつかずの形で。   (2) 〈本来予想されたのとは逆の結果がもたらされるさま。〉 かえって。逆に。むしろ。いっそ。   (3) 〈(中世以降)(打消の語を伴って)否定の意を強調する。〉 到底。そう簡単には。なまじっかのことでは。なかなか。   (4) 〈(中世以降)それなりに程度が高いさま。〉 相当。随分。かなり。そこそこ。まずまず。なかなか。   
〔感〕
  (1) 〈(狂言で)相手のことばを肯定するときに用いる。〉 いかにも。そうそう。その通り。おっしゃる通り。勿論
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〈B〉 はかる【量る・計る・測る・図る・企る・謀る】
《一回の農作業で植え付けたり刈り取ったりするべき仕事量を意味する「はか」の動詞化。頭の中での知的推測の語義としては「計測」・「想像」・「推量」、他者を巻き込んでの社会学的計画の意だと「相談」・「画策・待機」・「謀略」などとなる。》
〔他ラ四〕 {ら・り・る・る・れ・れ}
  (1) 〈(重さ・長さ・範囲・数・量などについて)具体的に計数化する。〉 測定する。見積もる。計算する。算出する。算盤く。   (2) 〈(未だ出現していない未来や、証拠がない過去の事態について)どんなものになりそうか頭の中で思い描く。〉 想像する。予測する。予想する。想定する。当たりをつける。   (3) 〈(直接には表現されない他者の心理や、詳しくは知らない状況について)どんな感じかを頭の中で思い描く。〉 推量する。推し量る。推測する。おもんばかる。   (4) 〈事を為すための方法を考えたり、機会をったりする。〉 画策する。機を待つ。計画する。計略を立てる。企画する。企図する。企てる。図る。機をう。よい時を選ぶ。   (5) 〈他者をくことを目的として各種の手段を講じる。〉 謀略を巡らす。はかりごとをてる。謀反する。く。す。   (6) 〈(事を為すためや事態の収拾のために)他者と会って話をする。〉 相談する。協議する。意見を聞く。る。
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〈A〉 せさす【為さす】
《サ変動詞「為」に、使役または尊敬の助動詞「さす」を付けたもの。「さす」が使役なら「・・・させる」の意、尊敬の「さす」と解釈すれば天皇・皇后などに対する最高敬語「・・・あそばす」の意(必ず「せさせたまふ/せさせおはします/せさせらる」などの複合形で用いる)。》
〔連接語〕 《す〔他サ変〕+さす〔助動サ下二型〕使役・尊敬》
  (1) 〈(「さす」が使役の助動詞の場合)他者に何かを行なわせる。〉 ・・・させる。   (2) 〈(「さす」が尊敬の助動詞の場合)(「たまふ」・「おはします」・「らる」などを伴って)天皇・皇后に対する最高の敬意を表わす。〉 ・・・あそばす。・・・なさる。
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〈A〉 くちをし【口惜し】
上代には使用例がなく、中古以降の語とされる。原義は「朽ち+惜し」で、朽ち果てるのを止められない無力感を表わす「残念だ」の意。後には「口+惜し」(口に出して語ることすら惜しまれる)の発想で「期待外れだ」・「身分が低い」の語義が生まれた。》
〔形シク〕 {しから・しく/しかり・し・しき/しかる・しけれ・しかれ}
  (1) 〈(自分ではどうにもならない外的状況に関し)納得できないが受け入れるより他に仕方がない、という無力感を表わす。〉 何とも残念なことだ。不本意だが仕方ない。悔しいがどうにもならない。   (2) 〈(期待に外れる他者・自身の状態・行為に関し)失望を禁じ得ない。〉 がっかりだ。物足りない。拍子抜けだ。情けない。不甲斐ない。感心しない。いただけない。納得しかねる。これでは不本意だ。面白くない。つまらない。期待外れだ。見損なった。所詮この程度のものか。しい。悔しい。   (3) 〈(話題に乗せることすらはばかられるほどに)社会的地位が低い。〉 身分がしい。言うにも値しない。取るに足らない。物の数にも入らない。つまらぬ身分だ。けちな存在だ。
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〈A〉 おもふ【思ふ・想ふ】
《頭と心が宿し得る各種の思考・感情を広く表わす語。類義語の「心」は「内面の思いが外向性の行動として働く」ことに重点を置くのに対し、「思ひ・想ひ」は「人間の内面に於ける様々な心の働き」に重点がある。》
〔他ハ四〕 {は・ひ・ふ・ふ・へ・へ}
  (1) 〈(頭脳の働きにより)論理的に物事を処理する。〉 思考する。思う。考える。判断する。考察する。理解する。認識する。える。   (2) 〈(感情の作用により)他のものよりも殊更に大事に思い、心引かれる。〉 愛慕する。愛する。愛好する。う。恋する。しく思う。気に入る。好きである。   (3) 〈(自分にとって好ましくない事態について)心の中で重く受け止める。〉 苦悩する。思い悩む。懸念を抱く。案ずる。心配する。   (4) 〈(過去の事柄を)記憶の中から呼び出す。〉 かしむ。思い出す。回想する。追想する。追憶する。追慕する。懐古する。   (5) 〈(未来に於いて)何事かが実現することを期待する。〉 希望する。願う。望む。希求する。思い描く。心中かに期す。   (6) 〈(事態が実現する前に)ある種の事態の発生をめ思い描く。〉 予想する。予測する。期する。覚悟する。想像する。   (7) 〈(心の中の思いを)表情に表わす。〉 気持ちを顔に出す。・・・といった顔付きをする。・・・げな表情である。
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〈B〉 およすく【およすく】
《「およすく/およすぐ/およずく」のいずれが正しいか清濁不明の語。老化を意味する「老ゆ」の他動詞形「老よす」に様態を示す「」を付けた「およすげ」の形容動詞を、動詞のごとく用いたもので、その語源的来歴ゆえに「およすけ」の連用形以外での使用例は皆無。》
〔自カ下二〕 {け・け・く・くる・くれ・けよ}
  (1) 〈(子供が)次第に大人になって行く。〉 成長する。成人する。大きくなる。大人になる。一人前に育って行く。   (2) 〈(若年者が)あたかも大人のように見える、または、振る舞う。〉 大人びる。大人ぶる。ませる。背伸びする。いっちょまえの顔をする。   (3) 〈(加齢により)老人特有の症状を示す。(実年齢以上に)老人風に思われる。〉 ける。地味である。けて見える。年寄り臭い。じじくさい。ばばくさい。目立たない。
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〈C〉 かうてさぶらふ【斯うて候ふ】
《副詞「斯くて」+動詞「侍ふ」=「私はこのようにして控えております」が、訪問時の取り次ぎを求める挨拶の定型句となったもの。「さぶらふ」は中古末期には「さうらふ」へと変化したが、中世初期成立の『平家物語』では女性は古形の「さぶらふ」を用い、「さうらふ」は男性口語である。後代の武家の手紙には「さうらふ」が頻出するため「候文(そうろうぶん)」と俗称される。》
〔連語〕 《かくて〔副〕+さぶらふ〔自ハ四〕》
  (1) 〈訪問時の挨拶の言葉。〉 御免下さい。御邪魔いたします。
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〈A〉 きこゆ【聞こゆ】
《古典的貴族社会では、意志性・主体性は「下賤の者の特性」であり、他者を介して事を為さしむるのが「尊い」ので、「自然に耳に入る」意の「聞こゆ」は、「意図的に尋ねずとも、自然にその耳に入る」=「(目下から目上に)申し上げる」の意を表わす謙譲語としても用いた。》
〔自ヤ下二〕 {え・え・ゆ・ゆる・ゆれ・えよ}
  (1) 〈(物音や人の声が)自然に耳に届く。〉 聞こえる。耳に入る。   (2) 〈(人・物に関し)その話題が世間に広く伝わる。〉 に聞く。評判になる。世に知られる。世に喧伝される。   (3) 〈(見聞きした情報から)特定の様子であろうと判断される。〉 ・・・と感じられる。・・・に思われる。・・・と解釈できる。・・・に見受けられる。・・・のように受け取られる。   (4) 〈(否定形の「聞こえぬ」、あるいは完了助動詞を伴う「聞こえたる」の形で)(他者の行動・発言が、論理や慣習に照らして)理解可能である。〉 納得できる。訳がわかる。道理にう。意味が通る。筋が通っている。一理ある。   (5) 〈(ある特定の)臭いを漂わせる。〉 ・・・の臭いがする。・・・の香りがする。   
〔他ヤ下二〕 {え・え・ゆ・ゆる・ゆれ・えよ}
  (1) 〈「言ふ」の謙譲語。〉 申し上げる。お話しする。お伝えする。   (2) 〈(人や役職の名を表わす語+格助詞「と」+「聞こゆ」の形で)名称を表わす。〉 ・・・という名である。・・・と申し上げる。・・・とお呼びする。世に・・・と称する。   (3) 〈(手紙などの)通信文を差し上げる。〉 お便り申し上げる。お手紙差し上げる。書簡を通じてお伝えする。   (4) 〈「願ふ」の謙譲語。〉 お願い申し上げる。意向をお伝えする。嘆願差し上げる。   
〔補動ヤ下二〕 {え・え・ゆ・ゆる・ゆれ・えよ}
  (1) 〈(動詞の連用形に付けて)謙譲の意を表わす。〉 ・・・申し上げる。お・・・する。・・・させていただく。
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〈B〉 きこえぬ【聞こえぬ】
《物理的な「聴覚的に認識不能」の意ではなく、「理解不能」として相手を非難する語。「聞いてもわからぬ」と説明されることが多いが、「聞こえぬ」である以上「聞いたことがない」=「前例がない・・・からには、誰も正当と認めたことがない事例であろう」が正しい解釈。》
〔連接語〕 《きこゆ〔自ヤ下二〕+ず〔助動特殊型〕打消》
  (1) 〈(中世以降)相手の発言や行動を非難する言い回し。〉 納得できない。筋違いだ。道理に外れる。そんなの見たことも聞いたこともない。前代未聞だ。
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〈A〉 おほす【仰す】
《「負ふ」の他動詞「負ほす」(現代語で言う「負わす」)に発し、「他者に何事かを役割として背負わせる」の原義から転じて「目上の者が目下の者に命じる/言葉をかける」の意となった。単独で用いるのは中世以降で、中古までの用法では必ず「らる」・「給ふ」を伴う。》
〔他サ下二〕 {せ・せ・す・する・すれ・せよ}
  (1) 〈(鎌倉時代以前の用法)「言ふ」の尊敬語。(直後に必ず尊敬の助動詞「らる」・補助動詞「ふ」を伴った「おほせらる」・「おほせたまふ」の形でのみ用いる)〉 おっしゃる。言われる。せになる。発言なさる。   (2) 〈(鎌倉時代以降の用法)「言ふ」の尊敬語。(尊敬の助動詞を伴わずに単独で用いる)〉 おっしゃる。言われる。せになる。発言なさる。   (3) 〈(目上の者が目下の者に)何事かを為すように命令する。〉 命じる。言明する。言いつける。
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〈B〉 さるもの【然る者】【然る物】
《「然る物」は「そのような物」として直前に述べた物事を具体的に指すが、「然る者」となると、話者の主観や世間的常識に照らして「そういう人物」としているだけで、具体的指示内容が文中に存在せず、「大人物」の意になることさえあるなど、意外な用法が多い厄介な語。》
〔連語〕 《さる〔連体〕+もの〔名〕》
  【然る者】   (1) 〈(直前に具体的な指示内容がある/なしにかかわらず)ある人物が(読み手・聞き手にもわかるような)何らかの特性を有していることを表わす。〉 ああいう人。そういう人。そんな人。   (2) 〈(話者の主観的な判断基準に照らして)それなり以上と評価される者。〉 なかなかの人物。大した人物。立派な者。るべき人。
  【然る物】   (3) 〈(「・・・は/をばさるものにて」の形で)直前に述べた事柄に加えて、更に別の何かが加わることを表わす。〉 ・・・は当然として。・・・はもちろんのこと。・・・のみならず更に~。   (4) 〈(「・・・は/をばさるものにて」の形で)直前に述べた事情に納得しつつ、その上で更に別の事情があることを表わす。〉 ・・・なのはもっともだが、その一方で。なるほど確かに・・・ではあるがしかし。   (5) 〈直前に述べた物事を具体的に指す。〉 そのような物事。ああしたもの。その種のもの。
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〈A〉 あいなし【あいなし】
《「文無し」=論理的正当性がない/「愛・合ひ無し」=(主観的に)興味・関心を引かれない、の二つの語源説があり、語義もまた「不合理」と「不愉快」の二系統に大別できる。》
〔形ク〕 {から・く/かり・し・き/かる・けれ・かれ}
  (1) 〈(主観的に)興味・関心を引かれない。〉 気に入らない。気に食わない。好きになれない。面白くない。興味がない。つまらない。意に沿わない。   (2) 〈(理に照らして)間違っている。〉 不当だ。理不尽だ。無茶だ。よろしくない。筋違いだ。お門違いだ。   (3) 〈(連用形「あいなく」やウ音便「あいなう」の形で、副詞的に)程度がはなはだしいさまを表わす。〉 無闇に。やたらと。ひどく。わけもなく。法外に。やけに。べらぼうに。
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〈B〉 ひま【隙・暇】
《物の割れ目の意の「ひ」(「ひび割れ」の「ひ」)に「間」を付けた「物と物の間に出来た物理的空間」が原義。これが時間的空白に転じ、活動と活動の「合間」、有意な活動をせずにいる「余暇」、余剰時間の中から生まれる「余裕」を初めとする様々な語義が生まれた。》
〔名〕
  (1) 〈物と物の間の空間。〉 隙間裂け目。割れ目。空間。   (2) 〈(一連の仕事・行動の間に)一時的に活動が停止する時間。〉 合間。小休止。空き時間。閑暇。休憩。ブレーク。ひまな時間。休み時間。   (3) 〈(仕事や、意味のある行為をせずに)休んでいる時間。〉 余暇。暇。休み。休暇。休職。仕事休み。バケーション。   (4) 〈(時間が十分にあることからくる)精神的に余裕のある感覚。〉 ゆとり。余裕。ぎ。ゆったりした気分。リラックス感覚。   (5) 〈(他者との心理的距離感や、緊張感の欠如など)人の心に生じる隙間。〉 不和。油断。不仲。疎遠な感じ。煙ったさ。心の。気の緩み。   (6) 〈(事を為す上で)ちょうどよい時。〉 好機。機会。機。折。場面。ついで。
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〈A〉 いかで【如何で】
《形容動詞「如何なり」の連用形「いかに」に手段・方法の格助詞「して」が付いた「いかにして」が「いかにて」に転じたものが音便化した「いかんで」から「ん」が消失したものが「いかで」。脈絡に応じて「疑問」・「反語」・「願望・意志」へと意味が分かれる。》
〔副〕
  (1) 〈(疑問)(様態に関し)疑う意を表わす。〉 どのようにして・・・か。いかに・・・だろうか。どう・・・したものか。   (2) 〈(反語)(様態に関し)疑問の形を取りつつ、実質的に否定の意を表わす。〉 どうして・・・なものか。・・・ないではないか。   (3) 〈(願望・意志)(「じ」・「てしがな」・「にしがな」・「ばや」・「まほし」などの語句を伴い)(いかなる手段を用いてでも)そうしたいと強く望む意を表わす。〉 是非とも。何とかして。どうにかして。何としても。何が何でも。
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〈B〉 おもひやる【思ひ遣る】
《「遣る」(こちら→遠方)の方向性を内包する語で、現代語にも残る「(相手を)気遣う」の語義もあるが、古語では、「(自身の)気晴らしをする」・「(遠く離れた人・物に)思いを馳せる」・「(眼前にない状況を)想像する」の語義の方が重要。》
〔他ラ四〕 {ら・り・る・る・れ・れ}
  (1) 〈(心の中に溜まった)思いやいを、何らかの行動によって解消する。〉 気を晴らす。心をめる。胸のつかえを取る。思う存分・・・して楽になる。気が済むまで・・する。洗いざらいぶちまける。ぱぁーっとやってスカッとする。   (2) 〈(眼前にいない人・物について)心の中であれこれ思う。〉 思いをせる。遠くからおいする。どうしていることかと思う。   (3) 〈(よくわからない状況について)自分の知り得る限りの情報から、何らかの判断を組み立てる。〉 推量する。想像する。推察する。推論する。察しを付ける。   (4) 〈(相手のためになるようにと)あれこれと気を配る。〉 気遣う。心を配る。いたわる。思いやる。配慮する。
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〈B〉 うんず【倦ず・鬱ず】
《「憂し」と同根語で、「同じ状況が延々と続くことに対する嫌気」を表わす「倦む」の連用形に「」が付いた「倦み為」の転か、とされる。「ん」が消失したり、代りに「む」が付いたりした「うず」・「うむず」の表記も見られる。現代語「うんざり」に通じる語。》
〔自サ変〕 {ぜ・じ・ず・ずる・ずれ・ぜよ}
  (1) 〈(期待通りでないために)気持ちがける。〉 気落ちする。がっかりする。失望する。落胆する。屈託を抱える。ふさぎ込む。   (2) 〈(同じ事の繰り返しに)対応を放棄したい気分になる。〉 飽き飽きする。嫌気がさす。うんざりする。げんなりする。きる。投げ出したい気分になる。
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〈C〉 さるに【然るに】
《漢字表記「然るに」の現代語読み「しかるに」(逆接の陳述)がそのまま古語としての語義となる。》
〔接続〕
  (1) 〈直前の内容に対する逆接の陳述を導く。〉 それなのに。だというのに。にもかかわらず。ところが。るに。
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〈A〉 どち【どち】
《「仲間」の意の名詞にも、「・・・な者どうし」の接尾語にもなる。現代風に漢字表記すれば「同士・同志」だが、「どし」の読みは後発で、元来は「どち」。》
〔名〕
  (1) 〈親しい間柄にある者達。〉 仲間。友達。友人。知り合い。知己。知人。親好のある相手。ダチ公。   
〔接尾〕
  (1) 〈(名詞に付けて)同類の意を表わす。〉 ・・・同士。・・・仲間。・・・連。・・・達。
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〈B〉 きんだち【公達・君達】
《人への敬称としての「君」に、敬意を込めた複数語尾の「達」を付けた「きみたち」の撥音便形で「きむだち」とも書く。元来は複数形だが、単数で用いられる場合もある。平家一門の子息=「公達」/源氏一門の子息=「御曹司」という使い分けも覚えておきたい。》
〔名〕
  (1) 〈(単複両用で)上流貴族の男子(に女子)を指す。特に、平氏の男子。(源氏の「御曹司」に対する呼称)〉 上流階層の御子息(に娘)。貴公子。御曹司。良家の娘さん。深窓の御令嬢。   (2) 〈(天皇以外の)皇族の高貴な方々。〉 皇孫。皇子。親王。諸王。   (3) 〈(代名詞的に用いて)(単複両用で)眼前の相手を敬って呼ぶ語。〉 あなたがた。貴方様。諸君。みなさん。
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〈A〉 ふみ【文・書】
《漢語「文」の読み「ふん」が変化した語。元来は「文書」全般を指した。やがて、漢字中心の文書ということから「漢文・漢詩」、更には「中国を手本とした学問=漢学」(この語義では「大和魂」の対義語)の意が生じた。「手紙」の語義は現代でも文語の中に残っている。》
〔名〕
  (1) 〈紙面上に文字の書かれたもの。〉 文書。書物。書籍。書き物。   (2) 〈紙面を通じての他者への通信。〉 手紙。書簡。   (3) 〈(日本独自の和歌や仮名文学と対比して)中国伝来の韻文、及び、散文。〉 漢詩。漢文。漢籍。漢書。   (4) 〈(実務的な能力「やまとだましひ」と対比して)(主として、中国に範を取った)文物とその体系的学習。〉 学問。漢学。中国を手本にした学識。
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〈A〉 まねぶ【学ぶ・真似ぶ】
《見本(「」)を定めて自らの様態を近似させる(「」)意の「まに」の転じた「真似」の動詞化で、原義は「(他の誰かや書いてある何かと)同じことを口に出して言う/他者に語り伝える」。学習の基本は物真似、ということで「習う」の意に転じ、現代の「学ぶ」へとつながった。》
〔他バ四〕 {ば・び・ぶ・ぶ・べ・べ}
  (1) 〈(他者が言ったことや、本に書いてある内容などを)そっくりそのまま同じように口に出して言う。〉 真似する。まねて言う。オウム返しに言う。   (2) 〈(自分が見聞した事柄を)覚えておいて、人に口述で伝える。〉 見た(聞いた)ままを人に語る。見聞きしたことを語り伝える。   (3) 〈(学問や技芸などを)るべき師の下で体系的に教わる。〉 学習する。習う。学ぶ。教えを受ける。修得する。修行する。修める。
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〈B〉 あげつらふ【論ふ】
《「言挙げ(言葉に出して言うこと)」の「あげ」と「釣り合ふ」の略形「つらふ」が合体した語かとされ、互いの言葉を出し合い、意見が一致するまで話し合うことから「議論する」の意となる。現代日本語の如く「欠陥・短所ばかり取り上げて攻撃する」の語感は古語にはない。》
〔他ハ四〕 {は・ひ・ふ・ふ・へ・へ}
  (1) 〈事の是非を巡って他人と話し合う。〉 論争する。議論する。言い争う。討論する。
  42  ♪♪  [1500MW]  [A/B/C]  [DEF]  [テスト]
〈A〉 す【為】
《現代語の「する」/英語の"do"に相当し、それ自体には殆ど意味がなく、「・・・な心地す」(・・・な気分がする)のように、直前語句(前例では"心地")の意味を借りねば記述が成立せぬ語。逆に言えば、直前の名詞(目的語)に動詞性を添える補助動詞的な語が「為」である。》
〔自サ変〕 {せ・し・す・する・すれ・せよ}
  (1) 〈(自らの意志によらない)何らかの動作・状態が起こる。また、その動作・状態が自然的に認識・感得される。〉 ・・・する。・・・がする。・・・と感じる。・・・に思われる。   (2) 〈他の自動詞の代用として用いる。〉 ・・・する。   (3) 〈(「・・・むとす」の形で)(意志的、または自然発生的に)何らかの動作を起こそうとする。または、何らかの状態が起ころうとする。〉 ・・・しようとする。・・・しそうになる。・・・しようと思う。・・・することを望む。今や・・・としている。まさに・・・せんとする。   
〔他サ変〕 {せ・し・す・する・すれ・せよ}
  (1) 〈(意志的に)何らかの動作・行動を取る。〉 ・・・する。・・・をやる。・・・を行なう。   (2) 〈他の他動詞の代用として用いる。〉 ・・・する。   (3) 〈(形容詞・形容動詞の連用形、名詞+格助詞「に」・「と」の下に付いて)そのようなものと判断・形容・処遇する。〉 ・・・とする。・・・とみなす。・・・と言う。・・・と思う。・・・と考える。・・・として扱う。   
〔補動サ変〕 {せ・し・す・する・すれ・せよ}
  (1) 〈(動詞の連用形+係助詞・副助詞の下に付いて)上の動詞の意味を強調したり、別の意味を添える。〉 ・・・する。
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〈A〉 いとど【いとど】
《程度の甚だしさを強調する副詞「いと」を畳語化した「いといと」の転。元々甚だしかった程度が更にその度合いを増すのが原義。平安時代には、和文には「いとど」、漢文訓読には「ますます」が好んで用いられた。形容詞は「いとどし」。》
〔副〕
  (1) 〈程度がますますだしくなるさま。〉 いよいよ。ますます。一層。   (2) 〈(「いとど+形容詞・形容動詞」の形で)最初から存在していた状況が、ある事態が加わることで更にその度を増して行くさま。〉 そうでなくても・・・だというのに。ただでさえ・・・なのに。元来の・・・に更に輪を掛けて。   (3) 箇条書き的に陳述を加えて駄目押しする語。〉 その上。加えて。更にまた。ついでにまた。もひとつおまけに。
  44  ♪♪  [1500MW]  [A/B/C]  [DEF]  [テスト]
〈C〉 まじらふ【交じらふ】
《「交じり」+「合ふ」の略とも、「交じる」の連用形+反復を意味する接尾語「ふ」に由来するとも言われる語で、物理的に「混じり合う」の意を表わす他、多数・大人数の存在する場面に自ら分け入る=「仲間入りする」の語義にもなる。》
〔自ハ四〕 {は・ひ・ふ・ふ・へ・へ}
  (1) 〈他の物事の中へと入り込み、区別が困難な状態になる。〉 混じり合う。混合する。混在する。入り交じる。れる。   (2) 〈(大勢いる人々の中に)自らも分け入る。(特に、宮中への出仕を意味する例が多い)〉 仲間入りする。交際する。付き合う。一員となる。末席す。
  45  ♪♪  [1500MW]  [A/B/C]  [DEF]  [テスト]
〈A〉 さかし【賢し】
《「栄ゆ」や「盛る」と同根語。「素晴らしく繁栄している」を原義とし、繁栄の原因として「頭が良い」・「気が利いている」・「酔っ払っていない」の語義が生じた。同音異義の連語「然かし」(そう、その通りだ)との混同に要注意。》
〔形シク〕 {しから・しく/しかり・し・しき/しかる・しけれ・しかれ}
  (1) 〈頭脳の働きが優れている。〉 賢明だ。賢い。利口だ。利発だ。頭が良い。切れ者だ。   (2) 〈(意識・判断力が)混乱をきたすことなく、正常に機能している。〉 気は確かだ。正気だ。まともだ。しっかりしている。意識ははっきりしている。気丈だ。酔っぱらっていない。狂っていない。   (3) 〈(行為・歌の出来などが)人を感心させる見事さだ。〉 気が利いている。上手い。大したものだ。立派なものだ。洒落ている。   (4) 〈(いかにも賢そうな態度に)不快な感じがする。〉 小賢しい。才気走っている。何を偉そうに。利口ぶりやがって。小生意気な。達者な口をききやがって。   (5) 〈(素晴らしいことに)繁栄している。〉 めでたく栄えている。立派だ。
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〈A〉 をのこ【男子・男】
《「をのこ」は「めのこ」と対になる語。「め」が「女」と同時に動物の「雌・♀」をも想定させるように、「を」にも「男」のみならず人間以下の生き物の「雄・牡・♂」の響きがある。「をのこ」の語義全般に、「をとこ」よりも一段低い存在としての含みがあるのはそのためである。》
〔名〕
  (1) 〈(結婚適齢期以前/身分が低い、などの条件から、女性から見て結婚相手とはみなされない)若い男子。〉 男の子。男子。少年。若い男。   (2) 〈(性別に言及し)(女性に対する)一般的な意味での男性。〉 男。男性。男子。男児。   (3) 〈(主人・貴人から見た)下働きの男性。〉 下男下僕。召使いの男。従僕の男。   (4) 〈(宮中清涼殿殿上の間伺候する)雑用係の男性。〉 蔵人御側近くに控える男。
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〈C〉 おひさきみゆ【生ひ先見ゆ】
《音だけ聞くと「老い先見ゆ」(=老後の惨めな様子が目に浮かぶ)という夢も希望もない表現みたいだが、実際には「若人の将来」が「目に浮かぶ」の意で、「素晴らしく成長した将来の姿が、今から目に浮かぶ」という希望と期待の表現である。》
〔連語〕 《おひさき〔名〕+みゆ〔自ヤ下二〕》
  (1) 〈(若い人に関して)将来成長した姿に期待・希望が持てるさま。〉 将来性がある。先々が楽しみだ。末頼もしい。今後の成長が期待される。大きくなったらさぞ美人(立派な男)になることだろう。
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〈A〉 かたち【形・容・貌】
《「物の外形」が原義だが、「人の容貌=顔かたち」としての使用例が多く、(身なりを含む)全身的印象を表わす「姿」と対照的に用いる。「形有り」(=美形だ)、「形人」(=美女・美男)など、「かたち」を含む連語は「顔立ち」に関するものと覚えておくとよい。》
〔名〕
  (1) 〈(物事の物理的な)形象。〉 姿形。外形。輪郭。見た目。目に見える姿。   (2) 〈(人の)顔の造り。〉 容貌。顔立ち。造作。人相。   (3) 〈顔かたちの美しさ。(「形人」の略、主に女性について)顔立ちの美しい人。〉 美しい顔立ち(の人物)。美人。美女。綺麗どころ。   (4) 〈(「形有様」の略)(無形の)物事の状態。〉 有様。状況。様子。さま。感じ。
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〈A〉 しのぶ【忍ぶ】【慕ぶ・偲ぶ・賞ぶ】
「忍ぶ」「慕ぶ・偲ぶ・賞ぶ」は語源的には別語。「堪え忍ぶ」及び「秘密裏に行なう」の語義には「忍ぶ」の漢字を宛て、「慕う」及び「賞美する」の「しのぶ」(中古以降の語で、上代には「しのふ」と清音)の宛字「慕ぶ・偲ぶ・賞ぶ」である。》 〔他バ上二〕 {び・び・ぶ・ぶる・ぶれ・びよ} 〔他バ四〕 {ば・び・ぶ・ぶ・べ・べ}
【忍ぶ】   (1) 〈感情を抑制して表情や行動に出さないようにする。〉 え忍ぶ。我慢する。こらえる。じっと耐える。   (2) 〈人目に付かぬよう隠したり、かに行動する。〉 秘密裏に事を運ぶ。隠蔽する。隠す。こっそりとやる。
  【慕ぶ・偲ぶ・賞ぶ】   (3) 〈(主に、近辺にいない人のことを)心の中で恋しく思う。〉 思慕する。恋いう。わしく思う。追懐する。かしむ。   (4) 〈(目で見て)素晴らしいと感じる。〉 賞美する。賛美する。味わう。鑑賞する。える。
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〈A〉 かこつ【託つ】
《名詞形「託言」の動詞化したものとも、動詞の「託つ」が逆に「かこと・かごと」へと名詞化したのだとも言われる。事態を他者のせいにしたり、相手に関係付けて自身の行動を正当化したり依存したりするのが原義。》
〔他タ四〕 {た・ち・つ・つ・て・て}
  (1) 〈(事態を)他者に原因があるとする。〉 ・・・にかこつける。・・・のせいにする。・・・を口実とする。・・・にする。   (2) 〈(相手が悪いのだと言うように)不満な態度を示す。〉 愚痴る。不平を言う。恨みがましく振る舞う。嘆いて見せる。こぼす。   (3) 〈(関係があるとみなして)他者に依拠する。〉 つてとして頼る。これも何かの因縁だと言ってすがる。
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〈A〉 おとなふ【音なふ・訪ふ】
「音」に由来し、「訪る」と同じく「(交際のある者との間での)訪問・音信」及び「(自己存在を主張するための)音出し」の意を表わす。》
〔自ハ四〕 {は・ひ・ふ・ふ・へ・へ}
  (1) 〈(馴染みの相手との交際のために)自ら出向いて会いに行く。〉 訪問する。訪れる。訪ねる。来訪する。御邪魔する。   (2) 〈(交際のある相手に)手紙を通じて近況を尋ねる。〉 お便りを出す。お手紙する。安否を尋ねる。音信を交わす。一筆啓上する。   (3) 〈(自分の存在を相手に知らせるために)音や声を立てる。(玄関先で)自分が訪問したことを伝え、奥に通してもらう。〉 物音を立てる。取り次ぎを求める。声を上げる。呼び掛ける。案内を請う。来意を告げる。鳴く。叫ぶ。騒ぎ立てる。
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〈A〉 ざえ【才】
字面からは「才能」全般を想起させる語だが、平安時代には朝廷での任務に欠かせぬ「漢学」を第一義とし、次いで「芸能の嗜み」をも意味した。これら学習・修練により身に付くアカデミックな才能と対比しての「臨機応変の実務的処理能力」は「大和魂」と呼ばれた。》
〔名〕
  (1) 〈(特に、漢詩・漢学についての)学問上の知識。〉 漢学の才。学才。学術的教養。   (2) 〈(音楽・書画・和歌などの)芸能上の才能や技能。〉 才芸。芸のたしなみ。芸術的素養。   (3) 〈(「」の略)内侍所の神楽などで歌をう男性。〉 男のい手。」。男性シンガー。
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〈C〉 いやまさる【弥増さる】
「弥」は、「ますます一層」/「極めて」/「最高に」の意を表わす接頭語だが、ここでは最初の意味。「増さる」と結び付いて「漸増傾向にある」の意味となる。この加速度的な「弥」の語感は、「いよ」に転じた形で副詞「」にも含まれる。》
〔自ラ四〕 {ら・り・る・る・れ・れ}
  (1) 〈段階的に、数量が増して行く。また、度合いがさらに加わって行く。〉 さらに増す。いよいよる。いっそう凄くなる。エスカレートする。
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〈A〉 めづ【愛づ】
《自然の美しい景観や美女など、見た目に美しいものを「賞美する」が原義。それが持続的・常習的な行動になると「愛好する・可愛がる」になる。これら二つの語義の中間に位置する評価系のものとして「褒め讃える」の語義もある。》
〔自ダ下二〕 {で・で・づ・づる・づれ・でよ}
  (1) 〈(自然の美観や美しい女性など)見た目に美しいものに心が引き付けられる。〉 賞美する。一目見て素晴らしいと思う。心かれる。魅了される。   
〔他ダ下二〕 {で・で・づ・づる・づれ・でよ}
  (1) 〈(対象について)素晴らしいという思いを言葉や態度にはっきりと表わす。〉 賞賛する。め讃える。感心する。   (2) 〈(人や物を)魅力的なもの、大事なものとして扱う。〉 愛する。好む。愛好する。可愛がる。大切に思う。
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〈A〉 さが【性・相・祥】
《自分の力ではどうにもならぬ「自然のままの性質・運命」を指す語。良くない「宿命」に言及する例が多いのは英語の"fate"と同じ。個人的な「生来性分」、社会的な「世の習い」の意もある。近世以降の「欠点」の意は、「さがなし」(性格が悪い)の逆成+「さが」と「とが(咎)」の混同によるものであろう。》
〔名〕
  (1) 〈(多く、悪いものに用いて)生まれる前から決まっている巡り合わせ。〉 宿命。不運。運命。天運。   (2) 〈(多く、悪いものに用いて)(生得的で、自分ではどうにもならない)性質。〉 生まれつきの性分性格。体質。本性。   (3) 〈(統計的に見て)世間によく見られる現象。〉 世の習い。世の常。習わし。習慣。習俗。慣習。
  56  ♪♪  [1500MW]  [A/B/C]  [DEF]  [テスト]
〈C〉 いとどし【いとどし】
《程度の甚だしさを意味する「いと」を畳語化した副詞「いとど」が形容詞化したもの。》
〔形シク〕 {しから・しく/しかり・し・しき/しかる・しけれ・しかれ}
  (1) 〈程度がますますだしくなるさまを表わす。〉 いよいよ・・・だ。ますます・・・だ。一層・・・だ。   (2) 〈(「いとどしき+名詞」の形で)最初から存在していた状況が、ある事態が加わることで更にその度を増して行くさまを表わす。〉 そうでなくても・・・な~だというのに。ただでさえ・・・な~なのに。元から・・・な~なのに更に輪を掛けて。
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〈C〉 ねびまさる【ねび勝る】
《「ねぶ」は「成長する、大人びる」の意。「勝る」を「他との相対比較に於いて程度が上」と見れば「年齢以上に大人びて見える」となり、「次第に程度が増してくる」と捉えると「成長するに従ってだんだんと素晴らしくなる」の意となる。》
〔自ラ四〕 {ら・り・る・る・れ・れ}
  (1) 〈(年齢に似合わず)大人の雰囲気がある。〉 大人びている。大人っぽい。子供っぽくない。   (2) 〈(成長するにつれて)だんだん見栄えがする様子になる。(女の子の成長過程について言う場合が多い)〉 次第に立派に成長して行く。だんだん綺麗になって行く。
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〈A〉 けしき【気色】
《漢語「気色」から生じたもので、これを「きしょく・きそく」と読めばその適用対象は専ら「人」となるが、「けしき」は「人・自然界」双方を対象とする点に相違がある;とはいえ、両語は根源的には同種であって、視覚的に認識される各種の気配を広範に表わす。》
〔名〕
  (1) 〈(内面の感情が)表面に出ること。また、表情・態度に表われた内心。〉 気色ばむこと。面持ち。表情。顔色。顔付き。態度。素振り。   (2) 〈(表情や態度から察せられる)人がかに考えている事柄。〉 内意。意向。本心。思い。考え。   (3) 〈人に対して抱く好意的な感情。〉 御機嫌寵愛。覚え。お気に入り。好意。信任。   (4) 〈(表情に出る、出ないにかかわらず)生理学的・心理的な感触。〉 気分。気持ち。感じ。精神状態。具合い。気色。   (5) 〈(視覚的にえた)人・物事のありさま。(景物の)心引かれる雰囲気。〉 様子。情趣。景色。情景。光景。風景。事情。見た感じ。見た目。風情。勝れた趣。景勝。   (6) 〈(物・人・表情・態度などに見られる)変化を予感させるちょっとした動き。〉 兆候。し。気配。変わった素振り。変な感じ。   (7) 〈(副詞的に用いて)全体の中のごく一部であること、また、見逃しやすいほど目立たぬことを表わす。〉 ほんの少しだけ。かばかり。一部分。一端。ちょっと。か。
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〈C〉 なまじひ【生強ひ・憖】
中途半端「生」に、自身の気持ちや状況・道理などに逆らって無理に事を進める「強ひ」を付けた語。連用形「なまじひに」で副詞的に用いる用法もある。その略形「なまじひ」は近世以降生じ、これが現代語「なまじ」・「なまじっか」につながった。》
〔形動ナリ〕 {なら・なり/に・なり・なる・なれ・なれ}
  (1) 〈(自分自身)本心では嫌なことを、えて無理をしてやろうとするさま。〉 本心に逆らって。心にもなく。えて。強いて。依怙地に。意地を張って。   (2) 〈(自分自身)本当はやりたくないことを、仕方なしにするさま。〉 しぶしぶ。不承不承。やむなく。気が進まないが。   (3) 〈必然性もなく、他者の同意も得られぬ状況下で、逆効果になりそうな行動へと強引に突っ込んで行くさま。〉 よせばいいのに。なまじっか。無理矢理。   (4) 〈徹底を欠くさま。〉 中途半端だ。いい加減だ。ぞんざいだ。適当だ。生半可だ。
  60  ♪♪  [1500MW]  [A/B/C]  [DEF]  [テスト]   「古語随想」を読む
〈C〉 ことづく【言付く・託く】
《現代の「言付け」は「伝言」の意だが、上代には「言/事」は言語学的に未分化、その後も発言と行動が密接に連動するのが古典時代の感覚なので、「事」系に属する「物品の預託」・「行動の委託」、更には「託つ」と同様の「事態の原因を他者に帰する」意をも表わす。》
〔自カ下二〕 {け・け・く・くる・くれ・けよ}
  (1) 〈(事態を)他者に原因があるとする。〉 ・・・にかこつける。・・・のせいにする。・・・を口実とする。・・・にする。   
〔他カ下二〕 {け・け・く・くる・くれ・けよ}
  (1) 〈(第三者に対して)自分に代わって発言・行動・保管するよう頼む。〉 伝言する。委託する。預託する。言付ける。言い付ける。言い置く。預ける。託す。お願いする。
  61  ♪♪  [1500MW]  [A/B/C]  [DEF]  [テスト]   「古語随想」を読む
〈A〉 まゐる【参る】
上代「行く」「来」の謙譲語「参る」の連用形「まゐ」に「入る」が付いた「参入る」が転じた語。原義は「貴人の・貴所に行く」の謙譲語。他動詞としては「差し上げる」の謙譲語/「・・・(名詞)+参る」形で「・・・してさしあげる」/「飲食・着用・行為全般」の尊敬語となる。》
〔自ラ四〕 {ら・り・る・る・れ・れ}
  (1) 〈(貴人の近くや貴所へ)「行く」の謙譲語。〉 参上する。う。参る。参内する。   (2) 〈(宮中や貴人の下で)仕事をさせていただく。〉 お仕えする。出仕申し上げる。御奉公する。勤めさせていただく。   (3) 〈(皇后・中宮女御などの立場で)天皇の妻として宮中に入らせていただく。〉 入内する。天皇のもとにぐ。   (4) 〈(寺社・陵墓など)神聖な場所に出向く。〉 参詣する。お参りする。でる。   (5) 〈「行く」・「来」丁重語。〉 参ります。行きます。来ます。出向きます。   
〔他ラ四〕 {ら・り・る・る・れ・れ}
  (1) 〈(貴人に対して)「与ふ」・「る」の謙譲語。〉 差し上げる。献上する。   (2) 〈(行為の対象に敬意を表して)(「名詞+参る」の形で)「為」・「行ふ」の謙譲語。〉 ・・・して差し上げる。・・・申し上げる。・・・をさせていただく。   (3) 〈(行為主に敬意を表して)「為」・「行ふ」その他の動詞の尊敬語。〉 ・・・なさる。・・・しなさる。   (4) 〈「食ふ」・「飲む」・「着る」その他の動詞の尊敬語。〉 お召しになる。召し上がる。お食べになる。お飲みになる。着なさる。
  62  ♪♪  [1500MW]  [A/B/C]  [DEF]  [テスト]
〈C〉 さかしだつ【賢し立つ】
《知的卓越を意味する「賢し」が、好意的な「賢い」ではなく、「いかにも偉そうに振る舞っている」と否定的に受け取られた場合の表現。》
〔自ラ四〕 {ら・り・る・る・れ・れ}
  (1) 〈(他者の反感を買うような形で)自分の知識をひけらかす。〉 利口ぶる。賢そうに振る舞う。才気走る。
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〈A〉 あやなし【文無し】
《自然現象の中に見られる一定の様式・秩序や物事の文様を示す「あや」+「なし」で、パターン認識不能な不可解さ、が原義。同根語「あいなし」が主観的嫌悪感に重きを置くのに対し、「あやなし」は非論理性に対する非難の色彩が濃い。》
〔形ク〕 {から・く/かり・し・き/かる・けれ・かれ}
  (1) 〈(対象に規則性や秩序がないため)論理的に納得できない。〉 わけがわからない。筋が通らない。不可解だ。非論理的だ。   (2) 〈(物事の存在や行動に関して)正当な理由・根拠・意味・目的が見出せない。〉 無意味だ。いわれがない。つまらない。詮無きことだ。・・・してもしょうがない。
  64  ♪♪  [1500MW]  [A/B/C]  [DEF]  [テスト]   「古語随想」を読む
〈A〉 ためらふ【躊躇ふ】
人為的作用で曲げ・伸ばしする意の「矯む」に反復・継続の意の「ふ」を付けて、他動詞としては「高ぶる感情を抑制する」の意を表わし、自動詞としては、現代語同様の「行動の前段階で立ち止まり、迷う」の他に「病状を落ち着かせる/静養する」の語義をも持つ。》
〔自ハ四〕 {は・ひ・ふ・ふ・へ・へ}
  (1) 〈病気の勢いを落ち着かせる(ことを目的に活動を控えて休む)。〉 病状を落ち着かせる。養生する。静養する。安静にする。   (2) 〈行動に移る前の段階で、決断できずに立ち止まり、迷う。〉 躊躇する。ぐずぐずする。ためらう。二の足を踏む。踏ん切りが付かない。   
〔他ハ四〕 {は・ひ・ふ・ふ・へ・へ}
  (1) 〈高まった感情を抑制する。〉 気を落ち着かせる。気を静める。高ぶりを抑える。鎮静化する。
  65  ♪♪  [1500MW]  [A/B/C]  [DEF]  [テスト]
〈A〉 とぶらふ【訪ふ】【弔ふ】
《「問ふ」と同源語で、答を相手から得ようとして「質問する」・「訪問する」・「見舞う・消息を尋ねる」の語義では(「訪ふ・弔ふ」の方が主体的探求性がやや強いが)ほぼ同義語。「お悔やみ」の語義は、中世以前は、死者の霊より死者の遺族へのお見舞いの感が強い。》
〔他ハ四〕 {は・ひ・ふ・ふ・へ・へ}
【訪ふ】   (1) 〈答えを知ろうとして相手に聞く。〉 質問する。尋ねる。問う。問いす。問い掛ける。返答を求める。   (2) 〈(何か特定の目的をもって)人のいる場所へと向かう。〉 訪問する。訪ねる。訪れる。来訪する。   (3) 〈答えを知ろうとして自ら調べ回る。〉 調査する。探求する。探索する。尋ね回る。探す。調べる。ぎ回る。   (4) 〈(病気の人やしばらく会っていなかった相手を)気遣って様子を知ろうとする。(直接の訪問以外の、手紙・贈答品による消息の確認をも含む)〉 見舞う。消息を尋ねる。安否を気遣う。手紙をやる。
  【弔ふ】   (5) 〈(中世以前)(人の死に際して)遺族を見舞ったり死者に哀悼の意を表したりする。(中世以後)死者の魂をめるための宗教的儀式をり行なう。〉 弔問する。哀悼する。追善供養する。お悔やみ申し上げる。死者をむ。法事の世話をする。
  66  ♪♪  [1500MW]  [A/B/C]  [DEF]  [テスト]   「古語随想」を読む
〈C〉 つとに【夙に】
《「朝早くに」または「早い時期から」の意で、「朝」(早朝・事のあった翌朝)や「勤む」(せっせと仕事する)と同根語。》
〔副〕
  (1) 〈一日が始まって間もない時間帯に。〉 早朝に。朝早くから。   (2) 〈一連の時間の流れの中で、早い時期に。〉 早期に。早くから。幼い頃から。いち早く。
  67  ♪♪  [1500MW]  [A/B/C]  [DEF]  [テスト]   「古語随想」を読む
〈A〉 なる【慣る・馴る】【萎る・褻る】
《「平す・均す・馴らす」や「習ふ」と同根語で、反復的接触により凸凹状態を取り違和感なく(時に、緊張感なく)すんなり入り込む状態となる意。「習熟する」・「慣れ親しむ/馴れ馴れしくなる」は「ならふ」の類義語。「萎る・褻る」だと「経年変化」(よれよれ・使い古し)の意になる。》
〔自ラ下二〕 {れ・れ・る・るる・るれ・れよ}
【慣る・馴る】   (1) 〈(物事に関し)経験を重ねることで、違和感が消失して行く。また、完成度が高まったり、余裕ができたりする。〉 慣れる。熟成する。習慣となる。習い性になる。習熟する。地に足が付く。   (2) 〈(人・物事に対し)幾度も接するうちに、敵対感情や疎遠な感じが消えて行く。また、親近感が増しすぎて、緊張感や遠慮がなくなる。〉 慣れ親しむ。れしくなる。打ち解ける。馴染む。く。素直に従う。恭順の意を示す。図々しくなる。
  【萎る・褻る】   (3) 〈(着物や道具について)長く使ううちに、使用者にぴったり適合するようになる。また、経年変化で摩滅・劣化する。〉 馴染む。使い古す。よれよれになる。古びる。フィットする。
  68  ♪♪  [1500MW]  [A/B/C]  [DEF]  [テスト]   「古語随想」を読む
〈A〉 としごろ【年頃・年比】
《おしなべて古語の時間感覚は現代に比較して厳密性を欠くので、「年頃・年比」と言えば「ここ数年来」の意を表わすのが基本だが、「長年に亘り」の意の場合もあるから油断ならない。「おおよその年齢」の意もあるが、現代語「お年頃」(恋愛・結婚適齢期)の意はない。》
〔名〕
  (1) 〈最近数年間。また、長い期間。〉 ここ数年。長年。数年来。長きにって。   (2) 〈(人の)だいたいの年齢。〉 年のころ。おおよその齢。年配。
  69  ♪♪  [1500MW]  [A/B/C]  [DEF]  [テスト]   「古語随想」を読む
〈C〉 をとめ【少女・乙女】
《若さを取り戻す意の上代「復つ・変若つ」が「をと」になったものを、女性を意味する「女」に付けて、「若い未婚女性」の意を表わした語。星座「乙女座」が英語で"Virgo(処女宮)"であるように「性交渉未体験の女性」の意や、「五節の舞姫」という特殊語義もある。》
〔名〕
  (1) 〈若くて未婚の、または、性交渉未体験の女性。〉 少女。処女。乙女。生娘。娘。ヴァージン。   (2) 〈(文物の中で)五節舞姫。〉 五節舞姫
  70  ♪♪  [1500MW]  [A/B/C]  [DEF]  [テスト]   「古語随想」を読む
〈B〉 ざる【戯る】
《「あざる」の略形で、普通と違う目立ち方に言及する点は同じだが、それを気の利いた振る舞いとして好意的に捉えていて、その語感は現代語「駄洒落」・「オシャレ」に引き継がれている。》
〔自ラ下二〕 {れ・れ・る・るる・るれ・れよ}
  (1) 〈(真剣でなく)軽い気持ちで楽しげに事を為す。〉 ふざける。はしゃぐ。れる。遊び心でやる。   (2) 〈男女間の恋愛事情によく通じている。また、好色そうに見える。〉 世慣れている。なまめかしい。っぽい。色っぽい。あだっぽい。いかにも好きそうだ。   (3) 〈(見た目が)美的感覚・芸術的嗜好に訴える魅力を持っている。〉 洒落ている。オシャレだ。風流だ。風雅な趣がある。趣深い。
  71  ♪♪  [1500MW]  [A/B/C]  [DEF]  [テスト]
〈A〉 ゐる【居る】
《「立居振舞」の表現に見る通り、「立つ」の対義語が「居る」。「座っている」・「動かず一箇所留まる」・「ある場所に一時的/恒常的に存在する」・「ある地位に就く」・「ある場所に自然物が生じる」など、語義は多様。「腹が/をゐる」(激情の鎮静)の意にも要注意。》
〔自ワ上一〕 {ゐ・ゐ・ゐる・ゐる・ゐれ・ゐよ}
  (1) 〈(人が)や腰を曲げた姿勢で一箇所にまる。〉 座る。しゃがむ。腰を下ろす。   (2) 〈(鳥・雲・波などの)自然界の存在が、動かず一箇所にまる。また、動きを止める。〉 じっとしている。止まっている。かかっている。とどまる。止む。静まる。   (3) 〈(特定の場所に)一時的または恒常的に存在する。〉 居る。住む。居合わせる。滞在する。まる。居留する。居住する。   (4) 〈特定の地位に就く。(天皇・皇后・斎宮などの位についていう)〉 ・・・である。・・・になる。   (5) 〈(氷柱・水草など)自然界の存在が、特定の場所に生じる。〉 発生する。生育する。できる。生える。   (6) 〈(「がゐる」の形で)高ぶった感情がおさまる。〉 立腹がおさまる。激情が鎮まる。怒りが冷める。   
〔他ワ上一〕 {ゐ・ゐ・ゐる・ゐる・ゐれ・ゐよ}
  (1) 〈(「をゐる」の形で)何らかの行動によって、高ぶった感情をおさめる。〉 鬱憤を晴らす。腹いせをする。怒りを鎮める。怒りを冷ます。   
〔補動ワ上一〕 {ゐ・ゐ・ゐる・ゐる・ゐれ・ゐよ}
  (1) 〈(動詞の連用形に付けて)動作が継続している意を表わす。〉 ・・・し続ける。ずっと・・・している。
  72  ♪♪  [1500MW]  [A/B/C]  [DEF]  [テスト]
〈B〉 ほどなし【程無し】
《時間的程度に言及して「あまり間もない」の意となる場合が特に多い語だが、空間的程度の意に用いると「近距離」・「手狭」となる。社会学的程度に言及して「身分が低い」とする語義もあるし、「年端も行かない(若年)」の意となる場合もある。》
〔形ク〕 {から・く/かり・し・き/かる・けれ・かれ}
  (1) 〈(時間的に)あまり長くは経過していない。〉 間もなくだ。じきだ。すぐだ。ほどなくして・・・だ。   (2) 〈(空間的に)あまり隔たっていない。〉 近所だ。間近だ。すぐそばだ。近距離にある。   (3) 〈(寸法的に)広くなく、余裕がない。〉 狭苦しい。手狭だ。小さい。小規模だ。   (4) 〈(社会的に)取るに足らない人物である。〉 身分がしい。地位が低い。   (5) 〈(年齢的に)十分に大人になっていない。〉 年端も行かない。若輩の。若年の。若造の。青二才の。
  73  ♪♪  [1500MW]  [A/B/C]  [DEF]  [テスト]   「古語随想」を読む
〈B〉 み【身】
《古形は「む」(例:「身胴」)と言われる名詞。語義の大部分は現代語と同じ(「肉体」・「生命」・「身分」・「身内」・「中身」・「刀身」)で、古文で重要なのは「(自身に言及して)我が身」の語義と、男性が自身のことを指す代名詞「この私」。》
〔名〕
  (1) 〈(物理的な)肉体。〉 身体。体。生身。身。ボディ。   (2) 〈(生物学的な)生命。〉 命。この身。その身。   (3) 〈(社会的な)立場。〉 身分。身の上。身。地位。   (4) 〈(話者が)自分自身に言及する語。〉 この身。我が身。この私。この自分。小生   (5) 〈(他人と対比して)血縁関係のある人。(相手方や敵と対比して)自分の側の人。〉 身内。味方。親族。仲間。   (6) 〈(外面・形式などと対比して)中に含まれる実質的なもの。〉 中身。中味。内容。   (7) 〈(刀の)に収まっている部分。〉 刀身中身。中味。   
〔代名〕
  (1) 〈(男性が)自分自身を指して言う語。〉 私。我。この自分。小生。当方。
  74  ♪♪  [1500MW]  [A/B/C]  [DEF]  [テスト]
〈B〉 たぐふ【類ふ・比ふ・副ふ】
《「異なる複数の物事の質・水準が釣り合い、一緒に存在するのが似付かわしい」が原義。本来異質のものどうしの近似性を表わす語で、「違ふ」との同源説もある。物理的な並置を表わすだけ/対等・似合いの存在としての類似性を表わす、の二系統の語義を持つ。》
〔自ハ四〕 {は・ひ・ふ・ふ・へ・へ}
  (1) 〈(物理的に)同じ場所に存在する。〉 一緒にいる。連れ立つ。連れ添う。随伴する。同行する。伴う。   (2) 〈(価値判断を含んで)対等・似合いの存在である。〉 似合う。よく合う。調和する。釣り合いが取れている。対等だ。匹敵する。相当する。肩を並べる。比肩する。   
〔他ハ下二〕 {へ・へ・ふ・ふる・ふれ・へよ}
  (1) 〈(物理的に)同じ場所に存在させる。〉 並ばせる。合わせる。一緒にいさせる。伴わせる。同行させる。   (2) 〈(他の物事に)近い存在として引き合いに出す。〉 なぞらえる。例える。比べる。比較する。   (3) 〈(他の物事に)類似の様態を取る。〉 似せる。真似る。近付ける。
  75  ♪♪  [1500MW]  [A/B/C]  [DEF]  [テスト]
〈A〉 おとなし【大人し】
《名詞「大人」の持つ「一人前」・「中心的」・「老練」の意を形容詞化したもの。「おとなおとなし」の畳語形もある。現代語の「おとなしい=事を荒立てない」は、中世以降生じた「温和」の語義が発展したもの。》
〔形シク〕 {しから・しく/しかり・し・しき/しかる・しけれ・しかれ}
  (1) 〈(成人が)成熟した大人の特性を具備している。(子供が)年齢よりも妙に大人びている。〉 大人らしい。ませている。成熟している。大人びている。いかにも一人前だ。子供っぽくない。   (2) 〈(年齢・経験から)集団内で中心的な立場にある。〉 中心人物である。主だっている。年配である。重鎮の雰囲気がある。場を仕切っているように見える。   (3) 〈(年かさの者に特有の)年齢・経験に裏打ちされた気配りが行き届いている。〉 思慮深い。分別臭い。よくえたものだ。手慣れたものだ。心得たものだ。   (4) 〈(性格・行動が)他人に素直に受け入れられやすい。〉 温和だ。穏健だ。穏当だ。素直だ。癖がない。
  76  ♪♪  [1500MW]  [A/B/C]  [DEF]  [テスト]
〈A〉 えん【艶】
《漢語に由来し、上代には(男女双方の)「華麗でのある美」、中古漢詩文では外観上の魅惑的な美(妖艶)の意で用いたが、漢学の素養のある平安女流文学の筆者達が各人各様の「魅惑的」の感覚で濫用し出して以降、定義困難な多様性を持つ語となった。》
〔名〕
  (1) 〈(鎌倉初期に藤原俊成が唱えた)和歌の余情美を表わす歌論用語。〉   
〔名・形動ナリ〕 {なら・なり/に・なり・なる・なれ・なれ}
  (1) 〈(外観上の)人目を引くような際立つ美。〉 華麗なる美しさ。やかさ。優美さ。しっとりとした美。   (2) 〈(人の容姿・態度からそれとなく発散される)肉感的な魅力。〉 官能的魅力。色っぽさ。っぽさ。あだっぽさ。なまめかしさ。悩ましさ。ほのかな色気。   (3) 〈(人が)風情あるものや恋愛の情緒を好む態度。〉 風流心。好色。多感。多情。情緒的。色好み。   (4) 〈(人の態度から感じられる)何かしらわけがありそうな感じ。〉 いわくありげ。思わせぶり。訳あり。ほのめかし。含み。含蓄示唆   (5) 〈(景色・物に対する個人的印象としての)何となく心引かれる趣。〉 情趣。風情。風流。魅惑。そこはかとない趣。奥深さ。   (6) 〈(歌論語として)華麗にして奥深い余情美。〉 妖艶優雅にして官能的。華やかになまめかしい。
  77  ♪♪  [1500MW]  [A/B/C]  [DEF]  [テスト]
〈A〉 みゆ【見ゆ】
《主体的な「見る」に、自発・可能・受身の上代の助動詞「ゆ」を付けた語なので、自然発露的・受動的な語感がある(「結婚する」の語義が「女性限定」で、男の場合「見る」を使う点も象徴的だ)が、意図的に「出現する」/「(他者の目に)・・・であるように見せる」は例外。》
〔自ヤ下二〕 {え・え・ゆ・ゆる・ゆれ・えよ}
  (1) 〈(こちらの意思とは無関係に、何らかの光景が)視界に飛び込んでくる。〉 見える。目に入る。目に映る。目に付く。   (2) 〈(形容詞・形容動詞の連用形に付いて、または「・・・と見ゆ」の形で)そのようなものとして目に映る意を表わす。〉 ・・・に感じられる。・・・に思われる。・・・に見える。・・・なようである。   (3) 〈(常識的なものとして)世の中に存在し、容易に確認できる。(多く「世に見えぬ」などの否定形で用いる)〉 世にある。よくある。見慣れた。普通の。当たり前の。   (4) 〈(人・物が)その姿を現わす。〉 出現する。出てくる。来る。現われる。登場する。来訪する。   (5) 「来」の尊敬語。〉 お越しになる。おいでなさる。いらっしゃる。来訪される。お運びになる。   (6) 〈(他者の目を意識して)作為的に振る舞って、相手に何らかの印象を与えようとする。〉 ・・・に見せかける。・・・のく振る舞う。人に・・・と思わせる。   (7) 〈(人と)顔を合わせる。〉 対面する。会見する。会う。行き会う。遭遇する。まみえる。   (8) 〈(女性が、男性と)夫婦として結ばれる。〉 妻となる。結ばれる。結婚する。夫婦となる。ぐ。
  78  ♪♪  [1500MW]  [A/B/C]  [DEF]  [テスト]
〈C〉 おのれと【己と】
《自分自身を意味するに、「資格」を示す格助詞「と」を付けた「自分自身に発して」が原義で、「おのづから」と同じく「自然発生的に」の意となる。こうした「と」の類例としては「宗と」(=主として)などがある。》
〔副〕
  (1) 〈(意志・意識の作用を伴わずに)事態が自然に発生するさまを表わす。〉 自然発露的に。自然発生的に。自発的に。ひとりでに。
  79  ♪♪  [1500MW]  [A/B/C]  [DEF]  [テスト]
〈C〉 ことざま【異様】
《現代語「異様」(常とは異なる様子)の他に、その脈絡で問題になっている人や事柄とは「別の誰か・何か」をも意味する。同音異義語「事様」(事態の様相)との区別に要注意の語で、混同を嫌ってのことであろう、「ことざま」ではなく「ことやう」と読む場合も多い。》
〔名〕
  (1) 〈普通とは異なる状態。〉 異様さ。違う点。変わったところ。妙な様子。   (2) 〈(その場で問題になっている人・物とは)別の誰か・何かを指す語。〉 別人。別の話。他の人。別方面。別系統。それ以外。それとは関係ない。そういうことではなくて。
  80  ♪♪  [1500MW]  [A/B/C]  [DEF]  [テスト]
〈C〉 ついゐる【突い居る】
《「突き居る」の音便形で、文字通り「を突いて座る」の意。「つい」の部分を"軽み"を添える接頭語的に捉えて「ちょこんと座る」と訳すとよい場合もある。》
〔自ワ上一〕 {ゐ・ゐ・ゐる・ゐる・ゐれ・ゐよ}
  (1) をついて座る。〉 ひざまづく。を突く。端座する。かしこまって座る。   (2) 〈軽くいだ様子で座る。また、何となくその場に居続ける。〉 ちょこんと座る。居座る。
  81  ♪♪  [1500MW]  [A/B/C]  [DEF]  [テスト]
〈B〉 こまやか【細やか・濃やか】
《「細かなり」に「やか」を付加した語が「細やかなり」。両語には語義が重複する部分も多いが、「細かなり」が対象の物理的形状を客観的に観察して述べる感覚の語であるのに対し、「細やかなり」はある種の価値判断をそこに加えることで、語義に奥行きを与えている。》
〔形動ナリ〕 {なら・なり/に・なり・なる・なれ・なれ}
  (1) 〈(物理的に)細かな構成要素で出来ている。〉 微細だ。小粒だ。細かい。細々している。粒状だ。   (2) 〈(人工物の形状や、文芸的技巧が)細部まで整って作られている。〉 精巧だ。精緻だ。精密だ。精妙だ。きめ細かい。丹精込められている。   (3) 〈(注意・観察が)細部まで一切の見落としがない。〉 詳細だ。綿密だ。念入りだ。事細かだ。細大漏らさぬ。   (4) 〈(心情的に)配慮が行き届いている。〉 心遣いが細やかだ。気配りがある。心がもっている。親切だ。親密だ。   (5) 〈(人と人とが)極めて近しい関係にある。〉 ろだ。親密だ。深い間柄だ。   (6) 〈(人の表情が)親しさ・楽しさにれている。〉 にこやかだ。にこにこしている。満面に笑みを浮かべている。   (7) 〈(人の皮膚や毛髪について)がさがさした感じがなく、滑らかに整っている。〉 きめ細かだ。がある。つやつやしている。潤いがある。張りがある。光沢がある。瑞々しい。   (8) 〈(衣服などの色合いが)むらがなくきめ細やかで深く澄んでいる。〉 濃密だ。深い色合いだ。
  82  ♪♪  [1500MW]  [A/B/C]  [DEF]  [テスト]
〈B〉 まだき【夙・未だき】
《「未だその時期にもなっていないというのに、早くも」の意を表わす副詞で、多く格助詞「に」・「も」を伴った「まだきに」あるいは「まだきも」の形で用いる。意味上も語形的にも、形容詞「未だし」から生じたものかとされる。》
〔副〕
  (1) 〈未だその時期に至っていないというのに、何かが始まってしまった意を表わす。〉 早くも。既にもう。早々に。早速。
  83  ♪♪  [1500MW]  [A/B/C]  [DEF]  [テスト]
〈A〉 げに【実に】
「現に」の転かとされ、自身の知識や前もって抱いていた印象、他者の意見などの既存の情報が、現実の中で事実として再確認されたという感触を得た時に発する言葉。転じて、既存の情報との照合を含意せず、単に程度の甚だしさを表わす語義もある。》
〔副〕
  (1) 〈(知識・先入観・風聞・他者の意見などの)既存の情報を、現実の中で事実と確認した時に発する納得の言葉。〉 実際。現実に。真に。実に。事実。真実。なるほど。やはり。その通りに。思った通り。言った通り。予想通り。   (2) 〈(相手の発言や直前の記述に対する)自身の賛同の念を強調する感動詞的言葉。〉 本当にそうです。いかにもその通りです。まったくもってそうです。おっしゃる通りです。なるほどそうですね。   (3) 〈(既存情報との照合を含意せずに)程度を強調する語。〉 全く。実に。まことに。本当に。
  84  ♪♪  [1500MW]  [A/B/C]  [DEF]  [テスト]
〈A〉 ほど【程】
《ある動作を行なう際に経過する「時間の長さ」が原義。その時間幅の中で移動可能な「空間距離」や、一定時間内に変化する物事の「様子・程度・度合」、更には社会学的に見た人間の属性を示す様々な尺度を意味する「身のほど」へと語義が広がった。》
〔名〕
  (1) 〈(時間的程度)ある動作・行動が行なわれる際に経過する一定の時間幅を表わす。〉 頃。時分。折。時間。経過時間。待ち時間。期間。・・・の間。・・・のうち。   (2) 〈(空間的程度)具体的な空間距離や、その空間の内部・近辺に存在する意を表わす。〉 距離。り。道のり。隔たり。広さ。大きさ。面積。付近。周辺。途上。途中。道中。   (3) 〈(質量的程度)一定範囲内で変化し得る物事について、現時点でどの段階・どんな様態にあるかを表わす。〉 程度。様子。度合。有様。具合。・・・ぐらい。・・・ほど。・・・のあたり。   (4) 〈(社会的程度)人間の個人の属性を社会的に規定する様々な尺度を表わす。〉 身の程。年齢。仲。分際。身分。家柄。間柄。関係(者)。
  85  ♪♪  [1500MW]  [A/B/C]  [DEF]  [テスト]
〈A〉 しる【知る】
《「理解する」・「区別する」・「経験する」・「知り合いである」・「男女関係にある」など、意味に広がりがあるが、いずれも英語の"know"の守備範囲と重なる。古語特有の語義としては、「言ひ知らず」(何とも言えず)のように不可能の意を添える補助動詞的用法がある。》
〔自ラ下二〕 {れ・れ・る・るる・るれ・れよ}
  (1) 〈(主に否定形の「人知れず」で)他者の知るところとなる。〉 知られる。気付かれる。言い当てられる。ばれる。認識される。   
〔自ラ四〕 {ら・り・る・る・れ・れ}
  (1) 〈(知識・思考・感覚・想像といった)知力を用いて対象を理解する。〉 わかる。知る。   
〔他ラ四〕 {ら・り・る・る・れ・れ}
  (1) 〈(知識・思考・感覚・想像といった)知力を用いて対象を理解する。〉 理解する。知る。わかる。   (2) 〈(異なる他の物事との)差を明確に認識する。〉 区別する。それと認める。見分けが付く。峻別する。差別化する。   (3) 〈(伝聞情報としてではなく)直接的に体験して対象の実情を知る。〉 経験する。身をもって知る。実地に体験する。直に見聞きしたことがある。   (4) 〈(非恋愛的関係として)社会的に人と関わる。〉 付き合いがある。関わり合う。親好がある。親しく交際している。知己を得る。   (5) 〈(恋愛の対象として)異性と関わる。〉 男と女の関係にある。付き合っている。恋人同士である。深い仲である。   (6) 〈(人・物に関して)保護・管理の責任をきちんと果たす。〉 世話をする。面倒を見る。責任を持つ。   (7) 〈(下に打消の語を伴って)可能(実質、不可能)の意を表わす。〉 ・・・することができる。・・・し得る。
  86  ♪♪  [1500MW]  [A/B/C]  [DEF]  [テスト]
〈B〉 くすし【奇し・霊し】
《同じ表記の「奇し」、あるいは「薬」同根語で、「人智を越えた不思議さを持つ」が原義。この超自然的現象への畏敬の念が次第に薄れ、中古以降は「理解不能」の語感が強くなり、「普通と違っていて、親しみが持てない」という否定的語義も加わった。》
〔形シク〕 {しから・しく/しかり・し・しき/しかる・しけれ・しかれ}
  (1) 〈(畏敬の念を込めて)人智を越えた神秘的なさまを表わす。〉 神秘的だ。不思議だ。不可思議だ。神秘的だ。摩訶不思議だ。霊妙だ。超自然的だ。この世のものとも思われぬ。   (2) 〈(否定的に)自分にとって理解不能なものへの違和感を表わす。〉 へんてこな感じだ。奇妙だ。珍妙だ。普通と違う。異様だ。異常だ。現実離れしている。人間離れしている。親しみにくい。取っつきづらい。しっくりこない。ついて行けない。
  87  ♪♪  [1500MW]  [A/B/C]  [DEF]  [テスト]
〈A〉 ここち【心地】
《その場の状況から漠然と受ける気分や感じを表わす語。類義語「心」が持つ「対象への指向性・強い意志性」は「心地」には薄く、「なよなよ・へにゃへにゃ」とした受動的惰弱性(しばしば「病気」の気配さえ)伴う。》
〔名〕
  (1) 〈(その場の状況に触発されての)一時的な精神状態。〉 気分。心持ち。気持ち。心地。   (2) 〈(人・物・状態を)別の何かに例えて言う語。〉 ・・・のような感じ。まるで・・・みたい。例えて言えば・・・。・・・風。   (3) 〈(事態に正常に対処する上で必要な)精神状態や思考。〉 きちんとした考え。魂。心構え。思慮。分別   (4) 〈(病気などで)肉体的・精神的に弱った状態。〉 病弱。気分がすぐれぬこと。惰弱
  88  ♪♪  [1500MW]  [A/B/C]  [DEF]  [テスト]
〈A〉 かく【斯く】
《指示代名詞「彼・此」に副詞語尾「く」を付けたク語法(類例:「言はく・曰く」・「思はく」・「申さく」)。そのウ音便形「斯う」は現代語「こう」の祖先。指示副詞の「と」と対を成す「とやかくや/とやかうや」・「ともあれかくもあれ/とまれかうまれ」などの連語での使用例が多い。》
〔副〕
  (1) 〈前・後の話の内容や眼前の対象を指し示す語。〉 こう。そう。こうして。ああして。このように。そのように。次のように。くて。くして。くのく。前述のく。既述のく。上掲のく。既に言った通り。前にも言ったように。後述するように。
  89  ♪♪  [1500MW]  [A/B/C]  [DEF]  [テスト]
〈A〉 おはす【御座す】
上代の尊敬語「坐す」を尊敬の接頭語「御」で強めた「おほます」の変形とも、中古の尊敬語「御座します」からの逆成語とも言われ、「おはします」と意味は同じだが、「おはす」の方が敬意が低い。現代関西弁の「・・・でおます/・・・おまへん」の祖である。》
〔自サ変〕 {せ・し・す・する・すれ・せよ}
  (1) 〈「あり」・「居り」の尊敬語。〉 (・・・に)いらっしゃる。(・・・に)おられる。(・・・に)お住まいだ。(・・・に)御滞在中だ。   (2) 〈「行く」・「来」の尊敬語。〉 行かれる。来られる。いらっしゃる。おいでになる。訪問なさる。来訪なさる。お出かけになる。お越しになる。   
〔補動サ変〕 {せ・し・す・する・すれ・せよ}
  (1) 〈(用言の連用形、及びそれに接続助詞「て」を付けたものに続けて)尊敬の意を表わす。〉 ・・・ていらっしゃる。・・・ておいでになる。・・・なさる。・・・であられる。・・・であらせられる。
  90  ♪♪  [1500MW]  [A/B/C]  [DEF]  [テスト]
〈A〉 おぼゆ【覚ゆ】
《動詞「思ふ」に上代の助動詞「ゆ」が付いて「おもはゆ」となり、これが「おもほゆ」→「おぼほゆ」→「おぼゆ」と転じたもの。感覚・想念が自然発露的に浮かぶ意を表わし、現代語「思い出す」に通じる記憶・想起系の語だが、「他の何か・誰かに似ている」の語義には要注意。》
〔自ヤ下二〕 {え・え・ゆ・ゆる・ゆれ・えよ}
  (1) 〈(意志・作為を伴わず)自然発生的に何らかの感覚が浮かぶ。〉 ・・・と感じられる。・・・の気がする。・・・に思われる。   (2) 〈(意識せずに)自然発生的に何らかの記憶が浮かぶ。〉 思い出される。思い浮かぶ。思い起こされる。記憶にる。   (3) 〈(他の何かに)似ていると感じられる。〉 似通う。・・・に似ている。・・・そっくりだ。・・・を思い起こさせる。・・・風なところがある。・・・を彷彿とさせる。   (4) 〈(他者から)何らかの評価を受ける。〉 ・・・とみなされる。・・・だと思われる。・・・扱いされる。・・・として世間で通る。世に・・・と言われる。   
〔他ヤ下二〕 {え・え・ゆ・ゆる・ゆれ・えよ}
  (1) 〈(記憶の中から)自然に思い出す。〉 思い浮かべる。思い付く。想起する。   (2) 〈(記憶の中から)思い出して他者に語る。〉 思い出話をする。昔語りをする。   (3) 〈(記憶の中に)意識して刻み込む。〉 覚え込む。記憶する。暗記する。忘れずにいる。
  91  ♪♪  [1500MW]  [A/B/C]  [DEF]  [テスト]
〈C〉 ことざま【事様】
《漢字で書くと一目瞭然だが、「ことざま」には「事様」と「異様」とがあり、混同し易い。「事様」は読んで字の如き「事態・様子」と、事態の背後にい知ることの出来る「人の心の様子」の意を表わす。(混同回避の意も込めて)「事の様」と連語風に言う場合も多い。》
〔名〕
  (1) 〈(物事の)存在の様態。〉 様子。有様。感じ。雰囲気。   (2) 〈(物事の背後にい知れる)人の心の様子。〉 気構え。心構え。心の程。心模様。
  92  ♪♪  [1500MW]  [A/B/C]  [DEF]  [テスト]
〈A〉 うべ【宜・諾】
承諾の意を表わす感動詞「う」に、動詞「合ふ」の連用形「あへ」が付いたものの転か、と言われる。中古以降は「むべ」・「んべ」とも表記される。形容詞「うべうべし(むべむべし)」、動詞「うべなふ(むべなふ)」、更には助動詞「べし」の元になった語。》
〔形動ナリ〕 {なら・なり/に・なり・なる・なれ・なれ}
  (1) 〈(道理に照らして)納得できるさま。〉 もっともだ。道理である。納得できる。理にっている。筋が通っている。その通りである。   
〔副〕
  (1) 〈(事態に対して)納得する気持ちを表わす。〉 なるほど。いかにも。当然のこととして。無理もないが。
  93  ♪♪  [1500MW]  [A/B/C]  [DEF]  [テスト]
〈A〉 うしろめたし【後ろめたし】
《「後ろ目痛し」=「後ろで見ていて、この先どうなることか心配だ」が原義とも、「後ろ方痛し」=「自分の視線が直接届かない未知の場・時に於ける状況が心配だ」に由来する語とも言われる。》
〔形ク〕 {から・く/かり・し・き/かる・けれ・かれ}
  (1) 〈(今後の状況の展開が)どうなってしまうことかと思うと、心安らかでいられない。〉 気懸かりだ。不安だ。心配だ。懸念される。先が思いやられる。   (2) 〈(相手・状況の今後の動向に対して)警戒をるわけには行かない。〉 要注意だ。警戒を要する。油断ならない。気が許せない。目が離せない。   (3) 〈(自分に落ち度があるために)他人が自分をどう思っていることかと思うと、心安らかでいられない。〉 後ろ暗い。心やましい。気がめる。うしろめたい。人の目が気になる。良心の呵責を感じる。
  94  ♪♪  [1500MW]  [A/B/C]  [DEF]  [テスト]   「古語随想」を読む
〈A〉 まばゆし【目映ゆし・眩し】
「目」+「映ゆし」で、強い光が目に当たって直視できず「まぶしい」が原義で、転じると讃辞「光り輝く」となる。古語特有の語義としては、視覚的眩惑を「正常状態からの逸脱」と見た貶し言葉としての「(自身が)恥ずかしい」・「(他者が)見るに堪えない」がある。》
〔形ク〕 {から・く/かり・し・き/かる・けれ・かれ}
  (1) 〈(物理的に)強い光が目に当たって、直視できぬ感覚を表わす。〉 まぶしい。目がむ。目映い。   (2) 〈(比喩的に)まるで光り輝く太陽のように立派なさま。〉 目映いばかりに見事だ。まぶしいほど素晴らしい。   (3) 〈(自分自身について)人とまともに顔を合わせられないほどに引け目を感じる心理を表わす。〉 恥ずかしい。照れ臭い。決まりが悪い。ばつが悪い。当惑している。   (4) 〈(他者の様子について)あまりにも度を超していて目をそむけたくなるさまを表わす。〉 見るにえない。正視できない。とても見ちゃいられない。見られたものではない。
  95  ♪♪  [1500MW]  [A/B/C]  [DEF]  [テスト]
〈C〉 こころだましひ【心魂】
《知・情・意の中核(英語では"mind・heart・soul")の「心」+「」("spirit")=「精神」の意と、生得的理解能力「心」才気「才」+修練技能「」+精神的適性「器」+これらを活用した実務処理能力「大和魂」を包含する包括的な「心と頭の働き」の意を表わす欲張りな語。》
〔名〕
  (1) 〈(知・情・意の中枢としての)心の働き。また、心が正常に働く精神状態。〉 精神。正気。魂。気力。冷静さ。   (2) 〈(生得的な)思考能力。(実用的な)対処能力。〉 心と頭の働き。思慮。才覚。才気。機略。機転。実務処理能力。
  96  ♪♪  [1500MW]  [A/B/C]  [DEF]  [テスト]
〈A〉 すぐす【過ぐす】
《「過ぐ」の他動詞形。「年月を過ごす」・「やり過ごす」は現代語の類推で判る語義。「最後までやり終える」は「過ごす」というより「済ます」の感じ。「通常の範囲を越える」は「出過ぎる」の感覚で、動詞連用形に続けて補助動詞的に「・・・し過ぎる」の意でも用いる。》
〔他サ四〕 {さ・し・す・す・す・せ}
  (1) 〈(時間的に)過ごす。(ある状態で)生活する。〉 年月を過ごす。暮らす。時を送る。時間を費やす。日々を送る。   (2) 〈(物事の移動や、事態の展開について)何の対応もせずそのまま過ぎるに任せる。〉 やり過ごす。通過させる。すんなり通す。そのままにしておく。放っておく。うち捨てて相手にしない。   (3) 〈(行事や仕事などを)最後までやり通す。〉 済ます。終わらせる。完遂する。しまいまでやる。し終える。やり遂げる。   (4) 〈(年齢が)望ましい段階を既に越えている。〉 かなりの年齢である。もう年である。   (5) 〈(妥当と思われる水準を)超越している。また、(技能などが)普通以上の水準である。〉 度を超している。並外れて優れている。尋常一様でない。普通じゃない。半端じゃない。   
〔補動サ四〕 {さ・し・す・す・す・せ}
  (1) 〈(動詞の連用形に付いて、補助動詞的に)妥当な限度を超えている意を表わす。〉