・・・これは収録語数を絞り込んだ見本版です;ので、ガンバって全部覚えても成果の程は保証できません・・・

大学入試重要古語水準語1500
[『扶桑語り』登場順]
<22作品総集編>
古語伏せ字テスト(赤チンくん

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[全語句総括: ]:
^TOP^1:『夢にねぶる娘』
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〈B〉ねぶ【ねぶ】
《「大人ぶ」と「老い就く」の中間で、「年齢を重ねる」の意。子供に用いれば「成長する/大人びる」、既に成長過程を終えた大人が対象なら「を取る」の意。「老け込む」という否定的意味をも表わし得るが、「惚く・惚る」や「痴る」のように「耄碌する」の意は含まない。》
〔自バ上二〕{び・び・ぶ・ぶる・ぶれ・びよ}(1)〈(大人に用いて)年齢を重ねる。または、いかにも老人らしい雰囲気になる。(耄碌の含意はない)〉を取る。老ける。  (2)〈(子供に用いて)(肉体的・精神的に、あるいは年齢不相応に)大人に近くなって行く。〉成長する。大人びる。ませる。

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〈B〉いまはむかし【今は昔】
《英語で言うところの〝Once upon a time?と同じく、「むかしむかし」を意味する物語の冒頭部の決まり文句。「今となっては昔のことだが」/「あなたは今、自分は昔の時代に存在している、という前提でこの話の世界に入って来て下さい」という二通りの解釈が可能。》
〔連語〕《いま〔名〕+は〔係助〕+むかし〔名〕》〈物語の冒頭で、これから昔語りが始まることを宣言する決まり文句。〉昔々

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〈A〉こよなし【こよなし】
《語源は「越ゆるもの無し」とも「より勝るもの無し」とも言われ、他者との相対比較上の優越性を意味する・・・筈だが、日本は古来、比較対象を明確に見据えることをせぬ「絶対文化圏」につき、「こよなし」も比較級というより絶対最上級的ツキヌケ独善讃辞の色彩が濃い。貶して「最悪」の意に用いる場合もある。》
〔形ク〕{から・く/かり・し・き/かる・けれ・かれ}(1)〈(最上級的賛辞として)とにかくひたすらに素晴らしい。〉この上ない。  (2)〈(良きにつけ悪しきにつけ)他に比較して格段の相違がある。〉段違いだ。

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〈C〉せうと【兄人】
女性から見た兄弟恋人など、親密な男性を指す「兄・背」に「人」を付けた「人・人」のウ音便形。平安期には、女性から見た「」または、それに擬すべき「親密な男性」を指した。後に「男の兄弟」の意が加わり、やがて「」のみに限定されるようになる。》
〔名〕(1)〈(女性から見た)男の兄弟。〉。  (2)〈(女性からの視点ではなく、一般的に)男の兄弟。後代には、。〉男兄弟。  (3)〈(女性から見た)親しい関係の男性。〉特別親しい男性

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〈A〉こと【事】
《中古に「」と分化して以降の「事」の対義語は「物」。存在する事物の実体に言及して具体的な「物」に対し、「事」は事物の状態・性質に言及して抽象的である。いずれも「・・・な物/事」という形式名詞的にも用いられ、この用法での両者の境界線は曖昧。》
〔名〕(1)〈(活用語の連体形の直後に置き、形式名詞的に用いて)名詞句を作る。〉・・・という事。  (2)〈(事柄の発生に着目して)(人の行為や、人・物との関わりの結果として)生起する事柄。〉出来事。  (3)〈(事柄の内容に着目して)(時間の経過と共に変化する)事態の様相展開。〉経緯。  (4)〈(その発生・展開・結末が)人や世の中に何らかの影響を及ぼすような重大な事柄。特に、人の。〉事件不幸。  (5)〈(一定の様式に従って執り行なわれる)職務的・事務的・典礼的な事柄。〉仕事。  (6)〈(文末に置き、断定・命令・禁止・感嘆・疑問などの意を)体言止めの形で強調的に表わす。〉・・・ということ。・・・すること。・・・せぬこと。・・・なものよ。・・・なのか。  (7)〈(「事に」、「事に」などの形で)その事柄に意を用いる意を表わす。〉没頭する。

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〈B〉いくばく【幾許】
数量的疑念を表わす「幾」に、量・程度について見積もる接尾語「ば」+副詞語尾「く」が付いた語で、疑問の意の「どのくらい」/否定の脈絡での「いくらも・・・ない」の二義を持つ。肯定文では使わず、疑問・否定・反語のいずれかで用いる。》
〔副〕(1)〈数量程度に関する疑問の意を表す。〉どのくらい。  (2)〈(下に打消・反語の表現を伴って)数量程度がそれほどでもないことを表わす。〉いくらも・・・ない。

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〈A〉おくる【後る・遅る】
《「時間的な遅れ」の語義から発展して、「人に死に後れる」・「他者との比較対照上、劣る」・「気後れする」などの語義を持つに至った。他動詞形は「後らかす」。》
〔自ラ下二〕{れ・れ・る・るる・るれ・れよ}(1)〈(時間的に)になる。〉遅れる。  (2)〈(他の人が死んだ後に)自分だけ生き残る。〉死に後れる。  (3)〈(才能・容姿・性質などが)他者と比較して、である。〉劣る。  (4)〈(自分の劣勢を感じて)消極的な気持ちになる。〉気後れする。

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〈A〉いと【いと】
《程度の甚だしさを表わす形容詞「し・し」の語幹「甚」の母音交替形で、「く・く」と同根語。「いたく(いとう)」が主に動詞を修飾するのに対し、「いと」は主に形容詞形容動詞副詞を強調する。「いといと」・「いとしも」・「いとも」などの強調形もある。》
〔副〕(1)〈(主に形容詞形容動詞副詞を修飾して)程度甚だしいさまを表わす。〉とても。  (2)〈(下に打消の語を伴って)程度はなはだしくないことを表わす。〉それほど・・・ない。

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〈C〉きびは【きびは】
《「ひよわ」を意味する「繊弱・怯弱」の語幹「ひは」に、「世慣れず初々しい」意の「」を添えた「きひは」の転か、と言われる。「幼年者のか弱いさま」の形容に限定される語で、病弱・疲労・精神的衝撃などで大人が弱っている状態の形容には用いない。》
〔形動ナリ〕{なら・なり/に・なり・なる・なれ・なれ}〈(若年者が)見るからに弱々しく、健気なさま。〉幼くか弱い。

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〈A〉うつくし【愛し・美し】
《「親から子/夫から妻」のような肉親間での「目上から目下への愛情」が原義。平安期には「年下・小型・無力な存在」への「守ってあげたい可憐な感覚」の語義が加わり、中世には「外観上の美麗さ」、中世末から近世にかけて「行動上の潔さ」の語義も加わった。》
〔形シク〕{しから・しく/しかり・し・しき/しかる・しけれ・しかれ}(1)〈(親子夫婦間での)愛しいたわりたい感覚。〉いとおしい。  (2)〈(相手の小ささ・弱さ・けなげさに対して)自身の心のとげとげしさが失せ、とろけるような気持ちで、相手を守ってあげたくなる感覚。〉可愛らしい。  (3)〈(外観に関して)美意識心地よく訴えてくる感覚。〉美麗だ。  (4)〈(行動・出来映えが)何らかの尺度に照らして、賞賛に値する感覚。〉見事だ

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〈B〉てならひ【手習ひ】
《現代語では「六十の手習い」(老いて後になお初心者として技芸修得に挑戦すること)の形で残るが、古語の場合、習う物事は「習字」だけに限定されず、学問や稽古事全般の「修練」の意や、(主として和歌を)気の向くままに書き散らす「落書き」の意もある。》
〔名〕(1)〈文字を書く練習。〉習字。  (2)〈(学問・稽古事全般に)打ち込むこと。〉修練。  (3)〈(主として和歌などを)気の向くままに書き散らすこと。また、そうして書いた物。〉走り書き

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〈B〉きほふ【競ふ】
《「他者に負けまいとして、勢い込んで事に向かって行く」が原義とされ、「気」+「負ふ」に発するものか、あるいは「勢ふ」(=息+覆ふ・・・その活力が周囲を威圧する)の略形かとも言われる。現代にも「気負う」の当て字で生き残っている。》
〔自ハ四〕{は・ひ・ふ・ふ・へ・へ}(1)〈(他者に負けまいとして)先を争って事を行なう。〉張り合う。  (2)〈(多く、落ち葉の散るさまに言及して)(無意志の存在が)まるで先を争うかのように何かをする。〉一斉に・・・する。

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〈A〉なす【為す・成す】
《今まで存在しなかったものが生まれる意の「る・る」の他動詞形が「為す・成す」。その語義には全て「変える」の含みがある。補助動詞としては「(本来そうではないものを)殊更/作為的に・・・とする」の意を表わす。》
〔他サ四〕{さ・し・す・す・す・せ}(1)〈行動を取る。〉・・・をする。  (2)〈(何かを材料に)新たなものを生み出す。(既にあるものに)手を加えて別ものに変える。(あるものを見て)・・・と解釈する。〉・・・を作り出す。・・・に作り替える。・・・とみなす。  (3)〈(本来とは異なるものへと)変える。〉・・・に変える。  (4)〈(本来とは異なる用途に)あてはめて用いる。〉・・・に転用する。  (5)〈(人を)役職につける。〉任命する。 〔補動サ四〕{さ・し・す・す・す・せ}〈(動詞の連用形に続けて)意識して、あるいは無理にそのようにする意を表わす。〉殊更・・・する。強引に・・・する。

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〈A〉ものす【物す】
《具体的な対象を意図的にぼかした婉曲表現で、脈絡次第で様々な意を表わす。『蜻蛉日記』や『源氏物語』では多用され、『枕草子』や『大鏡』には数例あるのみ、という事実からも知れる通り、省略的記述による含蓄効果を狙った文物にこそ似つかわしい表現。》
〔自サ変〕{せ・し・す・する・すれ・せよ}(1)〈「存在」の意を表わす。〉居る。  (2)〈「往来」の意を表わす。〉行く来る。  (3)〈「生死」のいずれかの意味を表わす。〉生まれる死ぬ。 〔他サ変〕{せ・し・す・する・すれ・せよ}〈その動作をする意を表わす。〉・・・(を)する。 〔補動サ変〕{せ・し・す・する・すれ・せよ}〈(活用語の連用形に付いて)その動作をする意を表す。(尊敬の助動詞「給ふ」を伴う「ものし給ふ」は、補助動詞「あり」の尊敬表現として用いられる)〉・・・(して)いる

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〈A〉こころばへ【心延へ】
《「延へ」は草木が「生える」にも通じ、生まれながらの特性として外の世界に延びて行きたがる性質を表わすので、「心延へ」には「生得的特質」の感覚が強い。一方、「心馳せ」は人為的な「心の用い方」だが、「心延へ」もこの語義で用いられる場合もある。》
〔名〕(1)〈(人やそれ以外の生き物の)本源的な特質。〉性質。  (2)〈(人物・出来事への対応に於ける)心の用い方。〉心遣い。  (3)〈(事物が、自然に、または、人為的に)発する雰囲気。〉風情趣向。  (4)〈(発言などの)意味。〉主旨

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〈A〉はづかし【恥づかし】
《現代語と同様、他者と比較した場合の自身劣位性を自覚する「恥」の感情が基本であるが、古語の場合、自分を恥じ入らせるほどに立派な相手への「賞賛」の念に転じる場合が多い点に要注意。》
〔形シク〕{しから・しく/しかり・し・しき/しかる・しけれ・しかれ}(1)〈(誰かが)周囲を圧倒するほどに卓越している。また、(自分が)他人の凄さ劣等感を抱く。〉素晴らしい気後れするほどだ。  (2)〈(自身の欠点失態を思って)恥ずかしい。また、(他人の欠点や失態が)直視に堪えぬ。〉恥ずかしい無様だ。  (3)〈とりたてて理由もないのに恥ずかしい。〉照れ臭い

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〈A〉まほ【真秀】【真面】
《稲穂・山の峰など、物理的突出部の意の「穂」を抽象優秀性に転じた「秀」に、「真」を付けて「完璧」の意とした語。「真帆」(帆船が真正面から風を受け止めること)の類推によると思われる「真正面から受け止め、直接的」・「いい加減でなく本格的」の語義もある。》
〔名・形動ナリ〕{なら・なり/に・なり・なる・なれ・なれ}【真秀】(1)〈(「片秀」の対義語)完全に整っていて、欠点を見出せないさま。〉完璧だ。  【真秀・真面】(2)〈(「真帆」の類推か?)いい加減なものではなく、本式なものであるさま。〉本格的だ。  【真面】(3)〈(「真帆」の類推から)真正面から物事を受け止めるさま。〉直接的だ。

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〈A〉ては【ては】
《前後をつなぐ役割の接続助詞「て」と強調及び順接仮定条件の係助詞「は」の組合せ。語義は、「」に力点のある用法(動作・作用の反復、順接の整調、付帯状況)/「」に力点のある用法(順接の仮定条件、恒常条件、順接の確定条件)に分化する。》
〔連接語〕《て〔接助〕+は〔係助〕》(1)〈(動作・作用の反復)「ては」の前後の動作や作用が、相互補完的に繰り返されることを表わす。〉・・・たかと思うとまた~。  (2)〈(順接の整調)前後を順接の関係でつなぐ「て」に、「は」を添えて語調を整える。(意味そのものは「て」に同じ)〉・・・て、そして。  (3)〈(付帯状況)「て」以前の状況の中に於いて、「は」以降の状況が成立していることを表わす。(打消・譲歩の表現とともに用いる)〉・・・しつつ。  (4)〈(順接の仮定条件)「て」以前の条件が満たされた場合を想定し、予想される帰結を「は」以降で述べる。〉・・・なら。  (5)〈(恒常条件)「て」以前の条件が満たされれば、「は」以降の結果常に生じることを表わす。〉・・・すると必ず。  (6)〈(順接の確定条件)「て」以前の条件が満たされた以上は、「は」以降の帰結が予想されることを表わす。〉・・・である以上は。

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〈C〉ひがむ【僻む】
《間違っていることを意味する「僻」に動詞化語尾「む」を付けた語。現代語では「根性がひねくれていて、事実を素直正しく認識できない」という性格面の欠陥を表わすのみだが、古語では「事実を歪める」という知的社会的問題行動に言及する語義も持つ。》
〔自マ四〕{ま・み・む・む・め・め}〈(性格的に)物事を素直に、あるいは正しく認識できない。〉ひねくれる。 〔他マ下二〕{め・め・む・むる・むれ・めよ}事実と異なる形へと物事をねじ曲げる。〉歪曲する。

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〈A〉なかなか【なかなか】
《中古迄は「なかなかに」の副詞形のみ、以後は形容動詞にも用いた。名詞「」の畳語で、両極端の半分に位置することから「中途半端」・「こんな程度なら最初からないほうがまし」・「いっそ・・・の方がいい」と否定的な語義ばかり。肯定的な語義は中世以降のもの。》
〔形動ナリ〕{なら・なり/に・なり・なる・なれ・なれ}(1)〈徹底を欠き、感心しないさま。〉中途半端だ。  (2)〈良い結果が期待できなかったり、逆効果になりそうな行動に気乗りがしないさま。〉むしろしない方がまし。 〔副〕(1)〈不徹底な形でなされるさま。〉中途半端に。  (2)〈本来予想されたのとはの結果がもたらされるさま。〉かえって。  (3)〈(中世以降)(打消の語を伴って)否定の意を強調する。〉到底。  (4)〈(中世以降)それなりに程度が高いさま。〉相当。 〔感〕〈(狂言で)相手のことばを肯定するときに用いる。〉いかにも

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〈B〉はかる【量る・計る・測る・図る・企る・謀る】
《一回の農作業で植え付けたり刈り取ったりするべき仕事量を意味する「はか」の動詞化。頭の中での知的推測の語義としては「計測」・「想像」・「推量」、他者を巻き込んでの社会学的計画の意だと「相談」・「画策・待機」・「謀略」などとなる。》
〔他ラ四〕{ら・り・る・る・れ・れ}(1)〈(重さ・長さ・範囲・数・量などについて)具体的に計数化する。〉測定する。  (2)〈(未だ出現していない未来や、証拠がない過去の事態について)どんなものになりそうか頭の中で思い描く。〉想像する。  (3)〈(直接には表現されない他者の心理や、詳しくは知らない状況について)どんな感じかを頭の中で思い描く。〉推量する。  (4)〈事を為すための方法を考えたり、機会窺ったりする。〉画策する。を待つ。  (5)〈他者を欺くことを目的として各種の手段を講じる。〉謀略を巡らす。  (6)〈(事を為すためや事態の収拾のために)他者と会って話をする。〉相談する。

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〈A〉せさす【為さす】
《サ変動詞「為」に、使役または尊敬の助動詞「さす」を付けたもの。「さす」が使役なら「・・・させる」の意、尊敬の「さす」と解釈すれば天皇皇后などに対する最高敬語「・・・あそばす」の意(必ず「せさせたまふ/せさせおはします/せさせる」などの複合形で用いる)。》
〔連接語〕《す〔他サ変〕+さす〔助動サ下二型〕使役・尊敬》(1)〈(「さす」が使役の助動詞の場合)他者に何かを行なわせる。〉・・・させる。  (2)〈(「さす」が尊敬の助動詞の場合)(「たまふ」・「おはします」・「らる」などを伴って)天皇皇后に対する最高の敬語を表わす。〉・・・あそばす

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〈A〉くちをし【口惜し】
《上代には使用例がなく、中古以降の語とされる。原義は「朽ち+惜し」で、朽ち果てるのを止められない無力感を表わす「残念だ」の意。後には「口+惜し」(口に出して語ることすら惜しまれる)の発想で「期待外れだ」・「身分が低い」の語義が生まれた。》
〔形シク〕{しから・しく/しかり・し・しき/しかる・しけれ・しかれ}(1)〈(自分ではどうにもならない外的状況に関し)納得できないが受け入れるより他に仕方がない、という無力感を表わす。〉何とも残念なことだ。  (2)〈(期待に外れる他者自身の状態・行為に関し)失望を禁じ得ない。〉がっかりだ。  (3)〈(話題に乗せることすらはばかられるほどに)社会的地位が低い。〉身分が賤しい

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〈A〉おもふ【思ふ・想ふ】
《頭と心が宿し得る各種の思考・感情を広く表わす語。類義語の「心」は「内面の思いが外向性の行動として働く」ことに重点を置くのに対し、「思ひ・想ひ」は「人間の内面に於ける様々な心の働き」に重点がある。》
〔他ハ四〕{は・ひ・ふ・ふ・へ・へ}(1)〈(頭脳の働きにより)論理的に物事を処理する。〉思考する。  (2)〈(感情の作用により)他のものよりも殊更に大事に思い、心引かれる。〉愛慕する。  (3)〈(自分にとって好ましくない事態について)心の中で重く受け止める。〉苦悩する。  (4)〈(過去の事柄を)記憶の中から呼び出す。〉懐かしむ。  (5)〈(未来に於いて)何事かが実現することを期待する。〉希望する。  (6)〈(事態が実現する前に)ある種の事態の発生予め思い描く。〉予想する。  (7)〈(心の中の思いを)表情に表わす。〉気持ちに出す。

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〈B〉およすく【およすく】
《「およすく/およすぐ/およずく」のいずれが正しいか清濁不明の語。老化を意味する「老ゆ」の他動詞形「老よす」に様態を示す「気」を付けた「およすげ」の形容動詞を、動詞の如く用いたもので、その語源的来歴ゆえに「およすけ」の連用形以外での使用例は皆無。》
〔自カ下二〕{け・け・く・くる・くれ・けよ}(1)〈(子供が)次第に大人になって行く。〉成長する。  (2)〈(若年者が)あたかも大人のように見える、または、振る舞う。〉大人びる。大人ぶる。  (3)〈(加齢により)老人特有の症状を示す。(実年齢以上に)老人風に思われる。〉老ける地味である。

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〈C〉かうてさぶらふ【斯うて候ふ】
《副詞「斯くて」+動詞「侍ふ」=「私はこのようにして控えております」が、訪問時の取り次ぎを求める挨拶の定型句となったもの。「さぶらふ」は中古末期には「さうらふ」へと変化したが、中世初期成立の『平家物語』では女性は古形の「さぶらふ」を用い、「さうらふ」は男性口語である。後代の武家の手紙には「さうらふ」が頻出するため「候文(そうろうぶん)」と俗称される。》
〔連語〕《かくて〔副〕+さぶらふ〔自ハ四〕》〈訪問時の挨拶の言葉。〉御免下さい

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〈A〉きこゆ【聞こゆ】
《古典的貴族社会では、意志性・主体性は「下賤の者の特性」であり、他者を介して事を為さしむるのが「尊い」ので、「自然に耳に入る」意の「聞こゆ」は、「意図的に尋ねずとも、自然にその耳に入る」=「(目下から目上に)申し上げる」の意を表わす謙譲語としても用いた。》
〔自ヤ下二〕{え・え・ゆ・ゆる・ゆれ・えよ}(1)〈(物音や人の声が)自然に耳に届く。〉聞こえる。  (2)〈(人・物に関し)その話題世間に広く伝わる。〉に聞こえる。  (3)〈(見聞きした情報から)特定の様子であろうと判断される。〉・・・と感じられる。  (4)〈(否定形の「聞こえぬ」、あるいは完了助動詞を伴う「聞こえたる」の形で)(他者の行動・発言が、論理慣習に照らして)理解可能である。〉納得できる。  (5)〈(ある特定の)臭いを漂わせる。〉・・・の臭いがする。 〔他ヤ下二〕{え・え・ゆ・ゆる・ゆれ・えよ}(1)〈「言ふ」の謙譲語。〉申し上げる。  (2)〈(人や役職のを表わす語+格助詞「と」+「聞こゆ」の形で)名称を表わす。〉・・・というである。  (3)〈(手紙などの)通信文を差し上げる。〉お便り申し上げる。  (4)〈「願ふ」の謙譲語。〉お願い申し上げる。 〔補動ヤ下二〕{え・え・ゆ・ゆる・ゆれ・えよ}〈(動詞の連用形に付けて)謙譲の意を表わす。〉・・・申し上げる

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〈B〉きこえぬ【聞こえぬ】
《物理的な「聴覚的に認識不能」の意ではなく、「理解不能」として相手を非難する語。「聞いてもわからぬ」と説明されることが多いが、「聞こえぬ」である以上「聞いたことがない」=「前例がない・・・からには、誰も正当と認めたことがない事例であろう」が正しい解釈。》
〔連接語〕《きこゆ〔自ヤ下二〕+ず〔助動特殊型〕打消》〈(中世以降)相手の発言や行動を非難する言い回し。〉納得できない。

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〈A〉おほす【仰す】
《「負ふ」の他動詞「負ほす」(現代語で言う「負わす」)に発し、「他者に何事かを役割として背負わせる」の原義から転じて「目上の者が目下の者に命じる言葉をかける」の意となった。単独で用いるのは中世以降で、中古までの用法では必ず「らる」・「給ふ」を伴う。》
〔他サ下二〕{せ・せ・す・する・すれ・せよ}(1)〈(鎌倉時代以前の用法)「言ふ」の尊敬語。(直後に必ず尊敬の助動詞「らる」・補助動詞「給ふ」を伴った「おほせらる」・「おほせたまふ」の形でのみ用いる)〉おっしゃる。  (2)〈(鎌倉時代以降の用法)「言ふ」の尊敬語。(尊敬の助動詞を伴わずに単独で用いる)〉おっしゃる。  (3)〈(目上の者が目下の者に)何事かを為すように命令する。〉命じる

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〈B〉さるもの【然る者】【然る物】
《「然る物」は「そのような物」として直前に述べた物事を具体的に指すが、「然る者」となると、話者の主観や世間的常識に照らして「そういう人物」としているだけで、具体的指示内容が文中に存在せず、「大人物」の意になることさえあるなど、意外な用法が多い厄介な語。》
〔連語〕《さる〔連体〕+もの〔名〕》【然る者】(1)〈(直前に具体的な指示内容がある/なしにかかわらず)ある人物が(読み手・聞き手にもわかるような)何らかの特性を有していることを表わす。〉ああいう人。  (2)〈(話者の主観的な判断基準に照らして)それなり以上評価される者。〉なかなかの人物。  【然る物】(3)〈(「・・・をばさるものにて」の形で)直前に述べた事柄に加えて、更に別の何かが加わることを表わす。〉・・・は当然として。  (4)〈(「・・・をばさるものにて」の形で)直前に述べた事情に納得しつつ、その上で更に別の事情があることを表わす。〉・・・なのはもっともだが、その一方で。  (5)〈直前に述べた物事を具体的に指す。〉そのような物事。

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〈A〉あいなし【あいなし】
《「文無し」=論理的正当性がない/「愛・合ひ無し」=(主観的に)興味関心を引かれない、の二つの語源説があり、語義もまた「不合理」と「不愉快」の二系統に大別できる。》
〔形ク〕{から・く/かり・し・き/かる・けれ・かれ}(1)〈(主観的に)興味関心を引かれない。〉気に入らない。  (2)〈(に照らして)間違っている。〉不当だ。  (3)〈(連用形「あいなく」やウ音便「あいなう」の形で、副詞的に)程度がはなはだしい。〉無闇に

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〈B〉ひま【隙・暇】
《物の割れ目の意の「ひ」(「ひび割れ」の「ひ」)に「間」を付けた「物と物の間に出来た物理空間」が原義。これが時間空白に転じ、活動と活動の「合間」、有意な活動をせずにいる「余暇」、余剰時間の中から生まれる「余裕」を初めとする様々な語義が生まれた。》
〔名〕(1)〈物と物の間の空間。〉隙間。  (2)〈(一連の仕事・行動の間に)一時的に活動が停止する時間。〉合間。  (3)〈(仕事や、意味のある行為をせずに)休んでいる時間。〉余暇。  (4)〈(時間が十分にあることからくる)精神的に余裕のある感覚。〉ゆとり。  (5)〈(他者との心理的距離感や、緊張感の欠如など)人の心に生じる隙間。〉不和油断。  (6)〈(事を為す上で)ちょうどよい時。〉好機

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〈A〉いかで【如何で】
《形容動詞「如何なり」の連用形「いかに」に手段方法の格助詞「して」が付いた「いかにして」が「いかにて」に転じたものが音便化した「いかんで」から「ん」が消失したものが「いかで」。脈絡に応じて「疑問」・「反語」・「願望・意志」へと意味が分かれる。》
〔副〕(1)〈(疑問)(様態に関し)疑う意を表わす。〉どのようにして・・・か。  (2)〈(反語)(様態に関し)疑問の形を取りつつ、実質的に否定の意を表わす。〉どうして・・・なものか。  (3)〈(願望・意志)(「じ」・「てしがな」・「にしがな」・「ばや」・「まほし」などの語句を伴い)(いかなる手段を用いてでも)そうしたいと強く望む意を表わす。〉是非とも

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〈B〉おもひやる【思ひ遣る】
《「遣る」(こちら→遠方)の方向性を内包する語で、現代語にも残る「(相手を)気遣う」の語義もあるが、古語では、「(自身の)気晴らしをする」・「(遠く離れた人・物に)思いを馳せる」・「(眼前にない状況を)想像する」の語義の方が重要。》
〔他ラ四〕{ら・り・る・る・れ・れ}(1)〈(心の中に溜まった)思い憂いを、何らかの行動によって解消する。〉気を晴らす。  (2)〈(眼前にいない人・物について)心の中であれこれ思う。〉思いを馳せる。  (3)〈(よくわからない状況について)自分の知り得る限りの情報から、何らかの判断組み立てる。〉推量する。  (4)〈(相手のためになるようにと)あれこれと気を配る。〉気遣う

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〈B〉うんず【倦ず・鬱ず】
《「憂し」と同根語で、「同じ状況が延々と続くことに対する嫌気」を表わす「倦む」の連用形に「」が付いた「倦み」の転か、とされる。「ん」が消失したり、代りに「む」が付いたりした「うず」・「うむず」の表記も見られる。現代語「うんざり」に通じる語。》
〔自サ変〕{ぜ・じ・ず・ずる・ずれ・ぜよ}(1)〈(期待通りでないために)気持ちが挫ける。〉気落ちする。  (2)〈(同じ事の繰り返しに)対応を放棄したい気分になる。〉飽き飽きする。

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〈C〉さるに【然るに】
《漢字表記「然るに」の現代語読み「しかるに」(逆接の陳述)がそのまま古語としての語義となる。》
〔接続〕〈直前の内容に対する逆接の陳述を導く。〉それなのに

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〈A〉どち【どち】
《「仲間」の意の名詞にも、「・・・な者どうし」の接尾語にもなる。現代風に漢字表記すれば「同士・同志」だが、「どし」の読みは後発で、元来は「どち」。》
〔名〕〈親しい間柄にある者達。〉仲間。 〔接尾〕〈(名詞に付けて)同類の意を表わす。〉・・・同士

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〈B〉きんだち【公達・君達】
《人への敬称としての「君」に、敬意を込めた複数語尾の「達」を付けた「きみたち」の音便形で「きむだち」とも書く。元来は複数形だが、単数で用いられる場合もある。平家一門の子息=「公達」/源氏一門の子息=「御曹司」という使い分けも覚えておきたい。》
〔名〕(1)〈(単複両用で)上流貴族男子(稀に女子)を指す。特に、平氏の男子。(源氏の「御曹司」に対する呼称)〉上流階層の御子息(稀に)。  (2)〈(天皇以外の)皇族高貴な方々。〉皇孫。  (3)〈(代名詞的に用いて)(単複両用で)眼前の相手を敬って呼ぶ語。〉あなたがた。貴方様。

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〈A〉ふみ【文・書】
《漢語「文」の読み「ふん」が変化した語。元来は「文書」全般を指した。やがて、漢字中心の文書ということから「文・詩」、更には「中国を手本とした学問=漢学」(この語義では「大和魂」の対義語)の意が生じた。「手紙」の語義は現代でも文語の中に残っている。》
〔名〕(1)〈紙面上に文字の書かれたもの。〉文書。  (2)〈紙面を通じての他者への通信。〉手紙。  (3)〈(日本独自の和歌仮名文学と対比して)中国伝来の文、及び、文。〉漢詩文。  (4)〈(実務的な能力「やまとだましひ」と対比して)(主として、中国に範を取った)文物とその体系的学習。〉学問学。

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〈A〉まねぶ【学ぶ・真似ぶ】
見本(「真」)を定めて自らの様態を近似させる(「似」)意の「まに」の転じた「真似」の動詞化で、原義は「(他の誰かや書いてある何かと)同じことを口に出して言う/他者に語り伝える」。学習の基本は物真似、ということで「習う」の意に転じ、現代の「学ぶ」へとつながった。》
〔他バ四〕{ば・び・ぶ・ぶ・べ・べ}(1)〈(他者が言ったことや、に書いてある内容などを)そっくりそのまま同じように口に出して言う。〉口真似する。  (2)〈(自分が見聞した事柄を)覚えておいて、人に口述で伝える。〉見た(聞いた)ままを人に語る。  (3)〈(学問技芸などを)然るべきの下で体系的に教わる。〉習う

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〈B〉あげつらふ【論ふ】
《「言挙げ(言葉に出して言うこと)」の「あげ」と「釣り合ふ」の略形「つらふ」が合体した語かとされ、互いの言葉を出し合い、意見が一致するまで話し合うことから「議論する」の意となる。現代日本語の如く「欠陥短所ばかり取り上げて攻撃する」の語感は古語にはない。》
〔他ハ四〕{は・ひ・ふ・ふ・へ・へ}〈事の是非を巡って他人と話し合う。〉論争する。

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〈A〉す【為】
《現代語の「する」/英語の"do"に相当し、それ自体には殆ど意味がなく、「・・・な心地す」(・・・な気分がする)のように、直前語句(前例では"心地")の意味を借りねば記述が成立せぬ語。逆に言えば、直前の名詞目的語)に動詞性を添える補助動詞的な語が「為」である。》
〔自サ変〕{せ・し・す・する・すれ・せよ}(1)〈(自らの意志によらない)何らかの動作・状態が起こる。また、その動作・状態が自然的に認識感得される。〉・・・する。  (2)〈他の自動詞の代用として用いる。〉・・・する。  (3)〈(「・・・むとす」の形で)(意志的、または自然発生的に)何らかの動作を起こそうとする。または、何らかの状態が起ころうとする。〉・・・しようとする。・・・しそうになる。 〔他サ変〕{せ・し・す・する・すれ・せよ}(1)〈(意志的に)何らかの動作・行動を取る。〉・・・する。  (2)〈他の他動詞の代用として用いる。〉・・・する。  (3)〈(形容詞・形容動詞の連用形、名詞+格助詞「」・「」の下に付いて)そのようなものと判断・形容・処遇する。〉・・・とする。 〔補動サ変〕{せ・し・す・する・すれ・せよ}〈(動詞連用形+係助詞・副助詞の下に付いて)上の動詞の意味を強調したり、別の意味を添える。〉・・・する。

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〈A〉いとど【いとど】
《程度の甚だしさを強調する副詞「いと」を畳語化した「いといと」の転。元々甚だしかった程度が更にその度合いを増すのが原義。平安時代には、和文には「いとど」、漢文訓読には「ますます」が好んで用いられた。形容詞は「いとどし」。》
〔副〕(1)〈程度がますます甚だしくなるさま。〉いよいよ。  (2)〈(「いとど+形容詞・形容動詞」の形で)最初から存在していた状況が、ある事態が加わることで更にその度を増して行くさま。〉そうでもなくても・・・だというのに。  (3)〈箇条書き的に陳述を加えて駄目押しする語。〉その上

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〈C〉まじらふ【交じらふ】
《「交じり」+「合ふ」の略とも、「交じる」の連用形+反復を意味する接尾語「ふ」に由来するとも言われる語で、物理的に「混じり合う」の意を表わす他、多数・大人数の存在する場面に自ら分け入る=「仲間入りする」の語義にもなる。》
〔自ハ四〕{は・ひ・ふ・ふ・へ・へ}(1)〈他の物事の中へと入り込み区別が困難な状態になる。〉混じり合う。  (2)〈(大勢いる人々の中に)自らも分け入る。(特に、宮中への出仕を意味する例が多い)〉仲間入りする。

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〈A〉さかし【賢し】
《「ゆ」や「る」と同根語。「素晴らしく繁栄している」を原義とし、繁栄の原因として「が良い」・「気が利いている」・「酔っ払っていない」の語義が生じた。同音異義の連語「然かし」(そう、その通りだ)との混同に要注意。》
〔形シク〕{しから・しく/しかり・し・しき/しかる・しけれ・しかれ}(1)〈頭脳の働きが優れている。〉賢明だ。  (2)〈(意識判断力が)混乱をきたすことなく、正常に機能している。〉気は確かだ。  (3)〈(行為・歌の出来などが)人を感心させる見事さだ。〉気が利いている。  (4)〈(いかにも賢そうな態度に)不快な感じがする。〉小賢しい。  (5)〈(素晴らしいことに)繁栄している。〉めでたく栄えている。

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〈A〉をのこ【男子・男】
《「をのこ」は「めのこ」と対になる語。「め」が「」と同時に動物の「・♀」をも想定させるように、「を」にも「」のみならず人間以下の生き物の「雄・牡・♂」の響きがある。「をのこ」の語義全般に、「をとこ」よりも一段低い存在としての含みがあるのはそのためである。》
〔名〕(1)〈(結婚適齢期以前/身分が低い、などの条件から、女性から見て結婚相手とはみなされない)若い男子。〉の子。  (2)〈(性別に言及し)(性に対する)一般的な意味での性。〉。  (3)〈(人・人から見た)下働きの男性。〉下男。  (4)〈(宮中の清涼殿の殿上の間に伺候する)雑用係の男性。〉蔵人

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〈C〉おひさきみゆ【生ひ先見ゆ】
《音だけ聞くと「老い先見ゆ」(=老後の惨めな様子が目に浮かぶ)という夢も希望もない表現みたいだが、実際には「若人将来」が「目に浮かぶ」の意で、「素晴らしく成長した将来の姿が、今から目に浮かぶ」という希望と期待の表現である。》
〔連語〕《おひさき〔名〕+みゆ〔自ヤ下二〕》〈(若い人に関して)将来成長した姿に期待希望が持てるさま。〉将来性がある。

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〈A〉かたち【形・容・貌】
《「物の外形」が原義だが、「人の容貌顔かたち」としての使用例が多く、(身なりを含む)全身的印象を表わす「姿」と対照的に用いる。「形有り」(=美形だ)、「形人」(=美女・美男)など、「かたち」を含む連語は「顔立ち」に関するものと覚えておくとよい。》
〔名〕(1)〈(物事の物理的な)形象。〉姿形。  (2)〈(人の)の造り。〉容貌。  (3)〈かたちの美しさ。(「形人」の略、主に女性について)顔立ち美しい人。〉美しい顔立ち(の人物)。  (4)〈(「形有様」の略)(無形の)物事の状態。〉有様

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〈A〉しのぶ【忍ぶ】【慕ぶ・偲ぶ・賞ぶ】
《「忍ぶ」と「慕ぶ・偲ぶ・賞ぶ」は語源的には別語。「堪え忍ぶ」及び「秘密裏に行なう」の語義には「ぶ」の漢字を宛て、「慕う」及び「賞美する」の「しのぶ」(中古以降の語で、上代には「しのふ」と清音)の宛字は「ぶ・ぶ・ぶ」である。》
〔他バ上二〕{び・び・ぶ・ぶる・ぶれ・びよ}〔他バ四〕{ば・び・ぶ・ぶ・べ・べ}【忍ぶ】(1)〈感情を抑制して表情行動に出さないようにする。〉堪え忍ぶ。  (2)〈人目に付かぬよう隠したり、密かに行動する。〉秘密裏に事を運ぶ。隠蔽する。  【慕ぶ・偲ぶ・賞ぶ】(3)〈(主に、近辺にいない人のことを)心の中恋しく思う。〉思慕する。  (4)〈(目で見て素晴らしいと感じる。〉賞美する。

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〈A〉かこつ【託つ】
《名詞形「託言」の動詞化したものとも、動詞の「託つ」が逆に「かこと・かごと」へと名詞化したのだとも言われる。事態を他者のせいにしたり、相手に関係付けて自身の行動を正当化したり依存したりするのが原義。》
〔他タ四〕{た・ち・つ・つ・て・て}(1)〈(事態を)他者に原因があるとする。〉・・・にかこつける。  (2)〈(相手が悪いのだと言うように)不満な態度を示す。〉愚痴る。  (3)〈(関係があるとみなして)他者に依拠する。〉つてとして頼る。

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〈A〉おとなふ【音なふ・訪ふ】
《「音」に由来し、「訪る」と同じく「(交際のある者との間での)訪問音信」及び「(自己存在主張するための)出し」の意を表わす。》
〔自ハ四〕{は・ひ・ふ・ふ・へ・へ}(1)〈(馴染みの相手との交際のために)自ら出向いて会いに行く。〉訪問する。  (2)〈(交際のある相手に)手紙を通じて近況尋ねる。〉お便りを出す。  (3)〈(自分の存在を相手に知らせるために)を立てる。(玄関先で)自分が訪問したことを伝え、に通してもらう。〉物音を立てる。取り次ぎを求める。

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〈A〉ざえ【才】
《字面からは「才能」全般を想起させる語だが、平安時代には朝廷での任務に欠かせぬ「漢学」を第一義とし、次いで「芸能の嗜み」をも意味した。これら学習修練により身に付くアカデミックな才能と対比しての「臨機応変実務的処理能力」は「大和魂」と呼ばれた。》
〔名〕(1)〈(特に、詩・学についての)学問上の知識。〉漢学の才。  (2)〈(音楽・書画・和歌などの)芸能上の才能技能。〉才芸。  (3)〈(「才の男」の略)内侍所神楽などでを謳う男性。〉男の謳い手

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〈C〉いやまさる【弥増さる】
《「弥」は、「ますます一層」/「極めて」/「最高に」の意を表わす接頭語だが、ここでは最初の意味。「増さる」と結び付いて「漸増傾向にある」の意味となる。この加速度的な「弥」の語感は、「いよ」に転じた形で副詞「」にも含まれる。》
〔自ラ四〕{ら・り・る・る・れ・れ}段階的に、数量が増して行く。また、度合いがさらに加わって行く。〉さらに増すいよいよ募る。

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〈A〉めづ【愛づ】
《自然の美しい景観美女など、見た目に美しいものを「賞美する」が原義。それが持続的・常習的な行動になると「愛好する・可愛がる」になる。これら二つの語義の中間に位置する評価系のものとして「褒め讃える」の語義もある。》
〔自ダ下二〕{で・で・づ・づる・づれ・でよ}〈(自然の美観美しい女性など)見た目に美しいものに心が引き付けられる。〉賞美する。 〔他ダ下二〕{で・で・づ・づる・づれ・でよ}(1)〈(対象について)素晴らしいという思いを言葉態度にはっきりと表わす。〉賞賛する。  (2)〈(人や物を)魅力的なもの、大事なものとして扱う。〉愛する

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〈A〉さが【性・相・祥】
《自分の力ではどうにもならぬ「自然のままの性質運命」を指す語。良くない「宿命」に言及する例が多いのは英語の"fate"と同じ。個人的な「生来の性分」、社会的な「世の習い」の意もある。近世以降の「欠点」の意は、「さがなし」(性格が悪い)の逆成+「さが」と「とが(咎)」の混同によるものであろう。》
〔名〕(1)〈(多く、悪いものに用いて)生まれる前から決まっている巡り合わせ。〉宿命不運。  (2)〈(多く、悪いものに用いて)(生得的で、自分ではどうにもならない)性質。〉生まれつき性分。  (3)〈(統計的に見て)世間によく見られる現象。〉世の習い

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〈C〉いとどし【いとどし】
《程度の甚だしさを意味する「いと」を畳語化した副詞「いとど」が形容詞化したもの。》
〔形シク〕{しから・しく/しかり・し・しき/しかる・しけれ・しかれ}(1)〈程度がますます甚だしくなるさまを表わす。〉いよいよ・・・だ。  (2)〈(「いとどしき+名詞」の形で)最初から存在していた状況が、ある事態が加わることで更にその度を増して行くさまを表わす。〉そうでもなくても・・・な~だというのに。

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〈C〉ねびまさる【ねび勝る】
《「ねぶ」は「成長する、大人びる」の意。「勝る」を「他との相対比較に於いて程度が」と見れば「年齢以上に大人びて見える」となり、「次第に程度が増してくる」と捉えると「成長するに従ってだんだんと素晴らしくなる」の意となる。》
〔自ラ四〕{ら・り・る・る・れ・れ}(1)〈(年齢に似合わず)大人の雰囲気がある。〉大人びている。  (2)〈(成長するにつれて)だんだん見栄えがする様子になる。(女の子成長過程について言う場合が多い)〉次第に立派に成長して行く。

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〈A〉けしき【気色】
《漢語「気色」から生じたもので、これを「きしょく・きそく」と読めばその適用対象は専ら「」となるが、「けしき」は「自然界」双方を対象とする点に相違がある;とはいえ、両語は根源的には同種であって、視覚的に認識される各種の気配を広範に表わす。》
〔名〕(1)〈(内面の感情が)表面に出ること。また、表情態度に表われた内心。〉気色ばむこと。面持ち。  (2)〈(表情態度から察せられる)人が密かに考えている事柄。〉内意。  (3)〈人に対して抱く好意的な感情。〉機嫌。  (4)〈(表情に出る、出ないにかかわらず)生理学的・心理的な感触。〉気分。  (5)〈(視覚的に捉えた)人・物事のありさま。(景物の)心引かれる雰囲気。〉様子情趣。  (6)〈(物・人・表情・態度などに見られる)変化を予感させるちょっとした動き。〉兆候。  (7)〈(副詞的に用いて)全体の中のごく一部であること、また、見逃しやすいほど目立たぬことを表わす。〉ほんの少しだけ。

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〈C〉なまじひ【生強ひ・憖】
中途半端の「生」に、自身の気持ちや状況・道理などに逆らって無理に事を進める「強ひ」を付けた語。連用形「なまじひに」で副詞的に用いる用法もある。その略形「なまじひ」は近世以降生じ、これが現代語「なまじ」・「なまじっか」につながった。》
〔形動ナリ〕{なら・なり/に・なり・なる・なれ・なれ}(1)〈(自分自身)本心では嫌なことを、敢えて無理をしてやろうとするさま。〉本心に逆らって。  (2)〈(自分自身)本当はやりたくないことを、仕方なしにするさま。〉しぶしぶ。  (3)〈必然性もなく、他者の同意も得られぬ状況下で、逆効果になりそうな行動へと強引に突っ込んで行くさま。〉よせばいいのに。  (4)〈徹底を欠くさま。〉中途半端だ。

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〈C〉ことづく【言付く・託く】
《現代の「言付け」は「伝言」の意だが、上代には「言/事」は言語学的に未分化、その後も発言行動が密接に連動するのが古典時代の感覚なので、「事」系に属する「物品の預託」・「行動の委託」、更には「託つ」と同様の「事態の原因を他者に帰する」意をも表わす。》
〔自カ下二〕{け・け・く・くる・くれ・けよ}〈(事態を)他者に原因があるとする。〉・・・にかこつける。 〔他カ下二〕{け・け・く・くる・くれ・けよ}〈(第三者に対して)自分に代わって発言・行動・保管するよう頼む。〉伝言する。委託する。預託する。

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〈A〉まゐる【参る】
《上代の「行く」・「来」の謙譲語「参る」の連用形「まゐ」に「入る」が付いた「参入る」が転じた語。原義は「貴人の許・貴所に行く」の謙譲語。他動詞としては「差し上げる」の謙譲語/「・・・(名詞)+参る」形で「・・・してさしあげる」/「飲食着用行為全般」の尊敬語となる。》
〔自ラ四〕{ら・り・る・る・れ・れ}(1)〈(貴人の近くや貴所へ)「行く」の謙譲語。〉参上する。  (2)〈(宮中貴人の下で)仕事をさせていただく。〉お仕えする。  (3)〈(皇后中宮女御などの立場で)天皇として宮中入らせていただく。〉入内する。  (4)〈(寺社・陵墓など)神聖な場所に出向く。〉参詣する。  (5)〈「行く」・「」の丁重語。〉参ります。 〔他ラ四〕{ら・り・る・る・れ・れ}(1)〈(貴人に対して)「与ふ」・「遣る」の謙譲語。〉差し上げる。  (2)〈(行為の対象に敬意を表して)(「名詞+参る」の形で)「」・「行ふ」の謙譲語。〉・・・して差し上げる。  (3)〈(行為主に敬意を表して)「」・「行ふ」その他の動詞の尊敬語。〉・・・なさる。  (4)〈「食ふ」・「飲む」・「着る」その他の動詞の尊敬語。〉お召しになる。

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〈C〉さかしだつ【賢し立つ】
知的卓越を意味する「賢し」が、好意的な「賢い」ではなく、「いかにも偉そうに振る舞っている」と否定的に受け取られた場合の表現。》
〔自ラ四〕{ら・り・る・る・れ・れ}〈(他者の反感を買うような形で)自分の知識ひけらかす。〉利口ぶる。

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〈A〉あやなし【文無し】
《自然現象の中に見られる一定の様式秩序や物事の文様を示す「あや」+「なし」で、パターン認識不能な不可解さ、が原義。同根語「あいなし」が主観嫌悪感に重きを置くのに対し、「あやなし」は非論理性に対する非難の色彩が濃い。》
〔形ク〕{から・く/かり・し・き/かる・けれ・かれ}(1)〈(対象に規則性や秩序がないため)論理的に納得できない。〉わけがわからない。  (2)〈(物事の存在や行動に関して)正当な理由・根拠・意味・目的が見出せない。〉無意味だ。

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〈A〉ためらふ【躊躇ふ】
《人為的作用で曲げ・伸ばしする意の「矯む」に反復継続の意の「ふ」を付けて、他動詞としては「高ぶる感情抑制する」の意を表わし、自動詞としては、現代語同様の「行動の前段階で立ち止まり迷う」の他に「病状落ち着かせる静養する」の語義をも持つ。》
〔自ハ四〕{は・ひ・ふ・ふ・へ・へ}(1)〈病気の勢いを落ち着かせる(ことを目的に活動を控えて休む)。〉病状落ち着かせる養生する。  (2)〈行動に移る前の段階で、決断できずに立ち止まり、迷う。〉躊躇する。 〔他ハ四〕{は・ひ・ふ・ふ・へ・へ}〈高まった感情抑制する。〉気を落ち着かせる

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〈A〉とぶらふ【訪ふ】【弔ふ】
《「問ふ」と同源語で、を相手から得ようとして「質問する」・「訪問する」・「見舞う消息を尋ねる」の語義では(「ふ・ふ」の方が主体的探求性がやや強いが)ほぼ同義語。「お悔やみ」の語義は、中世以前は、死者の霊より死者の遺族へのお見舞いの感が強い。》
〔他ハ四〕{は・ひ・ふ・ふ・へ・へ}【訪ふ】(1)〈答えを知ろうとして相手に聞く。〉質問する。  (2)〈(何か特定の目的をもって)人のいる場所へと向かう。〉訪問する。  (3)〈答えを知ろうとして自ら調べ回る。〉調査する。  (4)〈(病気の人やしばらく会っていなかった相手を)気遣って様子を知ろうとする。(直接の訪問以外の、手紙・贈答品による消息の確認をも含む)〉見舞う消息を尋ねる。  【弔ふ】(5)〈(中世以前)(人のに際して)遺族見舞ったり死者哀悼の意を表したりする。(中世以後)死者の魂を慰めるための宗教的儀式を執り行なう。〉弔問する。哀悼する。追善供養する。

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〈C〉つとに【夙に】
《「朝早くに」または「早い時期から」の意で、「」(早朝・事のあった翌朝)や「勤む」(せっせと仕事する)と同根語。》
〔副〕(1)〈一日が始まって間もない時間帯に。〉早朝に。  (2)〈一連の時間の流れの中で、早い時期に。〉早期に。

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〈A〉なる【慣る・馴る】【萎る・褻る】
《「平す・均す・馴らす」や「習ふ」と同根語で、反復接触により凸凹状態を取り違和感なく(時に、緊張感なく)すんなり入り込む状態となる意。「習熟する」・「慣れ親しむ/馴れ馴れしくなる」は「ならふ」の類義語。「る・る」だと「経年変化」(よれよれ・使い古し)の意になる。》
〔自ラ下二〕{れ・れ・る・るる・るれ・れよ}【慣る・馴る】(1)〈(物事に関し)経験を重ねることで、違和感が消失して行く。また、完成度が高まったり、余裕ができたりする。〉慣れる。熟成する。  (2)〈(人・物事に対し)幾度も接するうちに、敵対感情や疎遠な感じが消えて行く。また、親近感が増しすぎて、緊張感や遠慮がなくなる。〉慣れ親しむ。馴れ馴れしくなる。  【萎る・褻る】(3)〈(着物や道具について)長く使ううちに、使用者にぴったり適合するようになる。また、経年変化摩滅劣化する。〉馴染む使い古す

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〈A〉としごろ【年頃・年比】
《おしなべて古語の時間感覚は現代に比較して厳密性を欠くので、「年頃・年比」と言えば「ここ数年来」の意を表わすのが基本だが、「長年に亘り」の意の場合もあるから油断ならない。「おおよその年齢」の意もあるが、現代語「お年頃」(恋愛・結婚適齢期)の意はない。》
〔名〕(1)〈最近数年間。また、長い期間。〉ここ数年長年。  (2)〈(人の)だいたいの年齢。〉年のころ。

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〈C〉をとめ【少女・乙女】
若さを取り戻す意の上代語「復つ・変若つ」が「をと」になったものを、女性を意味する「女」に付けて、「若い未婚女性」の意を表わした語。星座「乙女座」が英語で"Virgo(処女宮)"であるように「性交渉未体験の女性」の意や、「五節の舞姫」という特殊語義もある。》
〔名〕(1)〈若くて未婚の、または、性交渉未体験の女性。〉少女処女。  (2)〈(文物の中で)五節の舞姫。〉五節の舞姫。

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〈B〉ざる【戯る】
《「あざる」の略形で、普通と違う目立ち方に言及する点は同じだが、それを気の利いた振る舞いとして好意的に捉えていて、その語感は現代語「駄洒落」・「オシャレ」に引き継がれている。》
〔自ラ下二〕{れ・れ・る・るる・るれ・れよ}(1)〈(真剣でなく)軽い気持ちで楽しげに事を為す。〉ふざける。(2)〈男女間の恋愛事情によく通じている。また、好色そうに見える。〉世慣れている。なまめかしい。  (3)〈(見た目が)美的感覚・芸術的嗜好に訴える魅力を持っている。〉洒落ている。

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〈A〉ゐる【居る】
《「立居振舞」の表現に見る通り、「立つ」の対義語が「居る」。「座っている」・「動かず一箇所に留まる」・「ある場所に一時的/恒常的に存在する」・「ある地位に就く」・「ある場所に自然物が生じる」など、語義は多様。「が/をゐる」(激情の鎮静)の意にも要注意。》
〔自ワ上一〕{ゐ・ゐ・ゐる・ゐる・ゐれ・ゐよ}(1)〈(人が)膝や腰を曲げた姿勢で一箇所に留まる。〉座る。  (2)〈(鳥・雲・波などの)自然界の存在が、動かず一箇所に留まる。また、動きを止める。〉じっとしている。  (3)〈(特定の場所に)一時的または恒常的に存在する。〉る。む。  (4)〈特定の地位に就く。(天皇皇后斎宮などの位についていう)〉・・・である。  (5)〈(氷柱・水草など)自然界の存在が、特定の場所に生じる。〉発生する。  (6)〈(「がゐる」の形で)高ぶった感情がおさまる。〉立腹おさまる。 〔他ワ上一〕{ゐ・ゐ・ゐる・ゐる・ゐれ・ゐよ}〈(「をゐる」の形で)何らかの行動によって、高ぶった感情をおさめる。〉鬱憤晴らす。 〔補動ワ上一〕{ゐ・ゐ・ゐる・ゐる・ゐれ・ゐよ}〈(動詞の連用形に付けて)動作が継続している意を表わす。〉・・・し続ける。

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〈B〉ほどなし【程無し】
時間的程度に言及して「あまりもない」の意となる場合が特に多い語だが、空間的程度の意に用いると「距離」・「手狭」となる。社会学的程度に言及して「身分が低い」とする語義もあるし、「年端も行かない(若年)」の意となる場合もある。》
〔形ク〕{から・く/かり・し・き/かる・けれ・かれ}(1)〈(時間的に)あまり長くは経過していない。〉間もなくだ。  (2)〈(空間的に)あまり隔たっていない。〉近所だ。  (3)〈(寸法的に)広くなく、余裕がない。〉狭苦しい。  (4)〈(社会的に)取るに足らない人物である。〉身分が卑しい。  (5)〈(年齢的に)十分に大人になっていない。〉年端も行かない。

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〈C〉み【身】
《古形は「」(例:「身胴」)と言われる名詞。語義の大部分は現代語と同じ(「肉体」・「生命」・「身分」・「身内」・「中身」・「刀身」)で、古文で重要なのは「(自身に言及して)我が身」の語義と、男性が自身のことを指す代名詞「この私」。》
〔名〕(1)〈(物理的な)肉体。〉身体。  (2)〈(生物学的な)生命。〉。  (3)〈(社会的な)立場。〉身分。  (4)〈(話者が)自分自身に言及する語。〉この。  (5)〈(他人と対比して)血縁関係のある人。(相手方や敵と対比して)自分の側の人。〉身内味方。  (6)〈(外面・形式などと対比して)中に含まれる実質的なもの。〉中身。  (7)〈(刀の)に収まっている部分。〉刀身。 〔代名〕〈(男性が)自分自身を指して言う語。〉

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〈B〉たぐふ【類ふ・比ふ・副ふ】
《「異なる複数の物事の質・水準が釣り合い、一緒に存在するのが似付かわしい」が原義。本来異質のものどうしの近似性を表わす語で、「違ふ」との同源説もある。物理的な並置を表わすだけ/対等似合いの存在としての類似性を表わす、の二系統の語義を持つ。》
〔自ハ四〕{は・ひ・ふ・ふ・へ・へ}(1)〈(物理的に)同じ場所存在する。〉一緒にいる。  (2)〈(価値判断を含んで)対等似合いの存在である。〉似合う。 〔他ハ下二〕{へ・へ・ふ・ふる・ふれ・へよ}(1)〈(物理的に)同じ場所存在させる。〉並ばせる。  (2)〈(他の物事に)近い存在として引き合いに出す。〉なぞらえる。  (3)〈(他の物事に)類似の様態を取る。〉似せる。

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〈A〉おとなし【大人し】
《名詞「大人」の持つ「一人前」・「中心的」・「老練」の意を形容詞化したもの。「おとなおとなし」の畳語形もある。現代語の「おとなしい=事を荒立てない」は、中世以降生じた「温和」の語義が発展したもの。》
〔形シク〕{しから・しく/しかり・し・しき/しかる・しけれ・しかれ}(1)〈(成人が)成熟した大人の特性を具備している。(子供が)年齢よりも妙に大人びている。〉大人らしい。ませている。  (2)〈(年齢・経験から)集団内で中心的な立場にある。〉中心人物である。  (3)〈(年かさの者に特有の)年齢・経験に裏打ちされた気配りが行き届いている。〉思慮深い。  (4)〈(性格・行動が)他人に素直に受け入れられやすい。〉温和だ。

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〈A〉えん【艶】
《漢語に由来し、上代には(男女双方の)「華麗で艶のある」、中古漢詩文では外観上の魅惑的な(妖艶)の意で用いたが、漢学の素養のある平安女流文学の筆者達が各人各様の「魅惑的」の感覚で濫用し出して以降、定義困難な多様性を持つ語となった。》
〔名〕〈(鎌倉初期に藤原俊成が唱えた)和歌の余情美を表わす歌論用語。〉艶。 〔名・形動ナリ〕{なら・なり/に・なり・なる・なれ・なれ}(1)〈(外観上の)人目を引くような際立つ美。〉華麗なる美しさ。  (2)〈(人の容姿・態度からそれとなく発散される)肉感的な魅力。〉官能的魅力。  (3)〈(人が)風情あるものや恋愛の情緒を好む態度。〉風流心。好色。  (4)〈(人の態度から感じられる)何かしらわけがありそうな感じ。〉いわくありげ。  (5)〈(景色に対する個人的印象としての)何となく心引かれる。〉情趣。  (6)〈(歌論語として)華麗にして奥深余情美。〉妖艶だ。

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〈A〉みゆ【見ゆ】
《主体的な「見る」に、自発・可能・受身の上代の助動詞「ゆ」を付けた語なので、自然発露的・受動的な語感がある(「結婚する」の語義が「女性限定」で、男の場合「見る」を使う点も象徴的だ)が、意図的に「出現する」/「(他者の目に)・・・であるように見せる」は例外。》
〔自ヤ下二〕{え・え・ゆ・ゆる・ゆれ・えよ}(1)〈(こちらの意思とは無関係に、何らかの光景が)視界に飛び込んでくる。〉見える。  (2)〈(形容詞・形容動詞の連用形に付いて、または「・・・見ゆ」の形で)そのようなものとして目に映る意を表わす。〉・・・に感じられる。  (3)〈(常識的なものとして)世の中に存在し、容易に確認できる。(多く「に見え」などの否定形で用いる)〉世にある。  (4)〈(人・物が)その姿を現わす。〉出現する。  (5)〈「」の尊敬語。〉お越しになる。  (6)〈(他者の目を意識して)作為的に振る舞って、相手に何らかの印象を与えようとする。〉・・・に見せかける。  (7)〈(人と)顔を合わせる。〉対面する。  (8)〈(性が、性と)夫婦として結ばれる。〉となる。

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〈C〉おのれと【己と】
自分自身を意味する「己」に、「資格」を示す格助詞「と」を付けた「自分自身発して」が原義で、「おのづから」と同じく「自然発生的に」の意となる。こうした「と」の類例としては「と」(=主として)などがある。》
〔副〕〈(意志意識の作用を伴わずに)事態が自然に発生するさまを表わす。〉自然発露的に。

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〈C〉ことざま【異様】
《現代語「異様」(常とは異なる様子)の他に、その脈絡で問題になっている人や事柄とは「別の誰か・何か」をも意味する。同音異義語「事様」(事態の様相)との区別に要注意の語で、混同を嫌ってのことであろう、「ことざま」ではなく「ことやう」と読む場合も多い。》
〔名〕(1)〈普通とは異なる状態。〉異様さ。  (2)〈(その場で問題になっている人・物とは)別の誰か・何かを指す語。〉人。の話。

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〈C〉ついゐる【突い居る】
《「突き居る」の音便形で、文字通り「を突いて座る」の意。「つい」の部分を"軽み"を添える接頭語的に捉えて「ちょこんと座る」と訳すとよい場合もある。》
〔自ワ上一〕{ゐ・ゐ・ゐる・ゐる・ゐれ・ゐよ}(1)〈をついて座る。〉ひざまづく。  (2)〈軽く寛いだ様子で座る。また、何となくその場に居続ける。〉ちょこんと座る。

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〈B〉こまやか【細やか・濃やか】
《「細かなり」に「やか」を付加した語が「細やかなり」。両語には語義が重複する部分も多いが、「細かなり」が対象の物理的形状を客観的に観察して述べる感覚の語であるのに対し、「細やかなり」はある種の価値判断をそこに加わることで、語義に奥行きを与えている。》
〔形動ナリ〕{なら・なり/に・なり・なる・なれ・なれ}(1)〈(物理的に)細かな構成要素で出来ている。〉微細だ。  (2)〈(人工物の形状や、文芸的技巧が)細部まで整って作られている。〉精巧だ。  (3)〈(注意・観察が)細部まで一切の見落としがない。〉詳細だ。  (4)〈(心情的に)配慮が行き届いている。〉心遣いが細やかだ。  (5)〈(人と人とが)極めて近しい関係にある。〉懇ろだ。  (6)〈(人の表情が)親しさ・楽しさに溢れている。〉にこやかだ。  (7)〈(人の皮膚や毛髪について)がさがさした感じがなく、滑らかに整っている。〉きめ細かだ。  (8)〈(衣服などの色合いが)むらがなくきめ細やかで深く澄んでいる。〉濃密だ。

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〈B〉まだき【夙・未だき】
《「未だその時期にもなっていないというのに、早くも」の意を表わす副詞で、多く格助詞「に」・「も」を伴った「まだきに」あるいは「まだきも」の形で用いる。意味上も語形的にも、形容詞「未だし」から生じたものかとされる。》
〔副〕〈未だその時期に至っていないというのに、何かが始まってしまった意を表わす。〉早くも

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〈A〉げに【実に】
《「に」の転かとされ、自身の知識や前もって抱いていた印象、他者の意見などの既存の情報が、現実の中で事実として再確認されたという感触を得た時に発する言葉。転じて、既存の情報との照合を含意せず、単に程度の甚だしさを表わす語義もある。》
〔副〕(1)〈(知識・先入観・風聞・他者の意見などの)既存の情報を、現実の中で事実と確認した時に発する納得の言葉。〉実際。  (2)〈(相手の発言や直前の記述に対する)自身の賛同の念を強調する感動詞的言葉。〉本当にそうです。  (3)〈(既存情報との照合を含意せずに)程度を強調する語。〉全く

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〈A〉ほど【程】
《ある動作を行なう際に経過する「時間の長さ」が原義。その時間幅の中で移動可能な「空間距離」や、一定時間内に変化する物事の「様子程度度合」、更には社会学的に見た人間の属性を示す様々な尺度を意味する「のほど」へと語義が広がった。》
〔名〕(1)〈(時間的程度)ある動作・行動が行なわれる際に経過する一定の時間幅を表わす。〉。  (2)〈(空間的程度)具体的な空間距離や、その空間の内部・近辺に存在する意を表わす。〉距離辺り。  (3)〈(質量的程度)一定範囲内で変化し得る物事について、現時点でどの段階・どんな様態にあるかを表わす。〉程度様子。  (4)〈(社会的程度)人間の個人の属性社会的に規定する様々な尺度を表わす。〉の程。年齢

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〈A〉しる【知る】
《「理解する」・「区別する」・「経験する」・「知り合いである」・「男女関係にある」など、意味に広がりがあるが、いずれも英語の"know"の守備範囲と重なる。古語特有の語義としては、「言ひ知らず」(何とも言えず)のように不可能の意を添える補助動詞的用法がある。》
〔自ラ下二〕{れ・れ・る・るる・るれ・れよ}〈(主に否定形の「知れず」で)他者の知るところとなる。〉知られる。 〔自ラ四〕{ら・り・る・る・れ・れ}〈(知識・思考・感覚・想像といった)知力を用いて対象を理解する。〉わかる。 〔他ラ四〕{ら・り・る・る・れ・れ}(1)〈(知識・思考・感覚・想像といった)知力を用いて対象を理解する。〉理解する。  (2)〈(異なる他の物事との)を明確に認識する。〉区別する。  (3)〈(伝聞情報としてではなく)直接的に体験して対象の実情を知る。〉経験する。  (4)〈(非恋愛的関係として)社会的に人と関わる。〉付き合いがある。  (5)〈(恋愛の対象として)異性と関わる。〉男と女の関係にある。  (6)〈(人・物に関して)保護・管理の責任をきちんと果たす。〉世話をする。  (7)〈(下に打消の語を伴って)不可能の意を表わす。〉・・・することができない

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  86  ♪♪   単語集へ
〈B〉くすし【奇し・霊し】
《同じ表記の「奇し」、あるいは「」と同根語で、「人智を越えた不思議さを持つ」が原義。この超自然的現象への畏敬の念が次第に薄れ、中古以降は「理解不能」の語感が強くなり、「普通と違っていて、親しみが持てない」という否定的語義も加わった。》
〔形シク〕{しから・しく/しかり・し・しき/しかる・しけれ・しかれ}(1)〈(畏敬の念を込めて)人智を越えた神秘的なさまを表わす。〉神秘的だ。  (2)〈(否定的に)自分にとって理解不能なものへの違和感を表わす。〉へんてこな感じだ。

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  87  ♪♪   単語集へ
〈A〉ここち【心地】
《その場の状況から漠然と受ける気分感じを表わす語。類義語「心」が持つ「対象への指向性・強い意志性」は「心地」には薄く、「なよなよ・へにゃへにゃ」とした受動惰弱性(しばしば「病気」の気配さえ)伴う。》
〔名〕(1)〈(その場の状況に触発されての)一時的な精神状態。〉気分。  (2)〈(人・物・状態を)別の何かに例えて言う語。〉・・・のような感じ。  (3)〈(事態に正常に対処する上で必要な)精神状態や思考。〉きちんとした考え。  (4)〈(病気などで)肉体的・精神的に弱った状態。〉病弱。気分がすぐれぬこと。

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  88  ♪♪   単語集へ
〈A〉かく【斯く】
《指示代名詞「彼・此」に副詞語尾「く」を付けたク語法(類例:「言はく・曰く」・「思はく」・「申さく」)。その音便形「斯う」は現代語「こう」の祖先。指示副詞の「と」と対を成す「とやかくや/とやかうや」・「ともあれかくもあれ/とまれかうまれ」などの連語での使用例が多い。》
〔副〕〈前・後の話の内容や眼前の対象を指し示す語。〉こう

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〈A〉おはす【御座す】
《上代の尊敬語「坐す」を尊敬の接頭語「御」で強めた「おほます」の変形とも、中古の尊敬語「御座します」からの逆成語とも言われ、「おはします」と意味は同じだが、「おはす」の方が敬意が低い。現代関西弁の「・・・でおます/・・・おまへん」の祖である。》
〔自サ変〕{せ・し・す・する・すれ・せよ}(1)〈「あり」・「居り」の尊敬語。〉(・・・に)いらっしゃる。  (2)〈「行く」・「」の尊敬語。〉行かれる。来られる。 〔補動サ変〕{せ・し・す・する・すれ・せよ}〈(用言の連用形、及びそれに接続助詞「」を付けたものに続けて)尊敬の意を表わす。〉・・・ていらっしゃる。

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  90  ♪♪   単語集へ
〈A〉おぼゆ【覚ゆ】
《動詞「思ふ」に上代の助動詞「ゆ」が付いて「おもはゆ」となり、これが「おもほゆ」→「おぼほゆ」→「おぼゆ」と転じたもの。感覚・想念が自然発露的に浮かぶ意を表わし、現代語「思い出す」に通じる記憶・想起系の語だが、「他の何か・誰かに似ている」の語義には要注意。》
〔自ヤ下二〕{え・え・ゆ・ゆる・ゆれ・えよ}(1)〈(意志・作為を伴わず)自然発生的に何らかの感覚が浮かぶ。〉・・・と感じられる。  (2)〈(意識せずに)自然発生的に何らかの記憶が浮かぶ。〉思い出される。  (3)〈(他の何かに)似ていると感じられる。〉似通う。  (4)〈(他者から)何らかの評価を受ける。〉・・・とみなされる。 〔他ヤ下二〕{え・え・ゆ・ゆる・ゆれ・えよ}(1)〈(記憶の中から)自然思い出す。〉思い浮かべる。  (2)〈(記憶の中から)思い出して他者に語る。〉思い出話をする。  (3)〈(記憶の中に)意識して刻み込む。〉覚え込む

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  91  ♪♪   単語集へ
〈C〉ことざま【事様】
《漢字で書くと一目瞭然だが、「ことざま」には「様」と「様」とがあり、混同し易い。「様」は読んで字の如き「事態・様子」と、事態の背後に窺い知ることの出来る「人の心の様子」の意を表わす。(混同回避の意も込めて)「の様」と連語風に言う場合もある。》
〔名〕(1)〈(物事の)存在の様態。〉様子。  (2)〈(物事の背後に窺い知れる)人の心の様子。〉気構え

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  92  ♪♪   単語集へ
〈A〉うべ【宜・諾】
承諾の意を表わす感動詞「う」に、動詞「合ふ」の連用形「あへ」が付いたものの転か、と言われる。中古以降は「べ」・「べ」とも表記される。形容詞「うべうべし(むめむべし)」、動詞「うべなふむべなふ)」などの元になった語。》
〔形動ナリ〕{なら・なり/に・なり・なる・なれ・なれ}〈(道理に照らして)納得できるさま。〉もっともだ。 〔副〕〈(事態に対して)納得する気持ちを表わす。〉なるほど

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〈A〉うしろめたし【後ろめたし】
《「後ろ目痛し」=「後ろで見ていて、この先どうなることか心配だ」が原義とも、「後ろ方痛し」=「自分の視線が直接届かない未知の場・時に於ける状況が心配だ」に由来する語とも言われる。》
〔形ク〕{から・く/かり・し・き/かる・けれ・かれ}(1)〈(今後の状況の展開が)どうなってしまうことかと思うと、心安らかでいられない。〉気懸かりだ。  (2)〈(相手・状況の今後の動向に対して)警戒怠るわけには行かない。〉要注意だ。  (3)〈(自分に落ち度があるために)他人が自分をどう思っていることかと思うと、心安らかでいられない。〉後ろ暗い

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〈A〉まばゆし【目映ゆし・眩し】
《「目」+「映ゆし」で、強い光が目に当たって直視できず「まぶしい」が原義で、転じると讃辞光り輝く」となる。古語特有の語義としては、視覚的眩惑を「正常状態からの逸脱」と見た貶し言葉としての「(自身が)恥ずかしい」・「(他者が)見るに堪えない」がある。》
〔形ク〕{から・く/かり・し・き/かる・けれ・かれ}(1)〈(物理的に)強い光が目に当たって、直視できぬ感覚を表わす。〉まぶしい。  (2)〈(比喩的に)まるで光り輝く太陽のように立派なさま。〉目映いばかりに見事だ。  (3)〈(自分自身について)人とまともに顔を合わせられないほどに引け目を感じる心理を表わす。〉恥ずかしい。  (4)〈(他者の様子について)あまりにも度を超していて目をそむけたくなるさまを表わす。〉見るに堪えない

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  95  ♪♪   単語集へ
〈C〉こころだましひ【心魂】
《知・情・意の中核(英語では"mind・heart・soul")の「心」+「魂」("spirit")=「精神」の意と、生得的理解能力「心」+才気「才」+修練技能「徳・能」+精神的適性「器」+これらを活用した実務処理能力「大和魂」を包含する総括的な「心と頭の働き」の意を表わす欲張りな語。》
〔名〕(1)〈(知・情・意の中枢としての)心の働き。また、心が正常に働く精神状態。〉精神正気。  (2)〈(生得的な)思考能力。(実用的な)対処能力。〉の働き。

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  96  ♪♪   単語集へ
〈A〉すぐす【過ぐす】
《「過ぐ」の他動詞形。「年月を過ごす」・「やり過ごす」は現代語の類推で判る語義。「最後までやり終える」は「過ごす」というより「済ます」の感じ。「通常の範囲を越える」は「出過ぎる」の感覚で、動詞連用形に続けて補助動詞的に「・・・し過ぎる」の形でも用いる。》
〔他サ四〕{さ・し・す・す・す・せ}(1)〈(時間的に)過ごす。(ある状態で)生活する。〉年月を過ごす。暮らす。  (2)〈(物事の移動や、事態の展開について)何の対応もせずそのまま過ぎるに任せる。〉やり過ごす。  (3)〈(行事や仕事などを)最後までやり通す。〉済ます。  (4)〈(年齢が)望ましい段階を既に越えている。〉かなりの年齢である。  (5)〈(妥当と思われる水準を)超越している。また、(技能などが)普通以上の水準である。〉度を超している。並外れ優れている。 〔補動サ四〕{さ・し・す・す・す・せ}〈(動詞の連用形に付いて、補助動詞的に)妥当な限度を超えている意を表わす。〉・・・し過ぎる。

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〈B〉けうとし【気疎し】
《「対象に対する自身の関係の薄さ」を意味する「疎し」に、「何となく・・・の感じ」の意の「気」を付けて婉曲化した語。やがてその原義の「疎ましさ」の語感が失われ、連用形「けうとく」の形で「(良かれ悪しかれ)程度が甚だしい」を表わす用法も生じた。》
〔形ク〕{から・く/かり・し・き/かる・けれ・かれ}(1)〈(何となく)親近感が持てない。〉親しみにくい。  (2)〈(家屋やその一帯に)人間の存在する気配がない。また、そのため精神的に不安を感じる。〉物寂しい薄気味悪い。  (3)〈(何となく)すんなりと受け入れ難い。〉しっくりこない。  (4)〈(多く、連用形「けうとく」の形で他の形容詞を修飾して)(良かれ悪しかれ)程度が甚だしいことを表わす。〉物凄い

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  98  ♪♪   単語集へ
〈A〉おぼす【思す】
《動詞「思ふ」に上代の尊敬助動詞「はす」を付けた「おもはす」が、母音転化現象で「おもほす」に変わり、更に「おぼほす」を経て「おぼす」に縮まった、「思う」意を表わす尊敬語。連用形「思し+・・・」の形で他の動詞と結合して数多くの複合語を形成する。》
〔他サ四〕{さ・し・す・す・す・せ}〈「思ふ」の尊敬語。〉お思いになる。

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  99  ♪♪   単語集へ
〈A〉いさむ【諫む】【禁む】
《「人はいさ心も知らず」(=人の心は、さぁて、どんなものかわかりません)の句(紀貫之)や、「いさかひ(諍ひ)」(=口論喧嘩)に含まれる拒否抑止系の語「いさ」に「む」を付けて動詞化し、相手の行動に対し否定的に作用する「禁止忠告」の語義を持たせたもの。》
〔他マ下二〕{め・め・む・むる・むれ・めよ}【禁む】(1)〈(権威強制力を伴って)相手の行動を差し止める。〉禁止する。  【諫む】(2)〈(道理に照らして)相手に、その行動の不当性訴える。〉忠告する。

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  100  ♪♪   単語集へ
〈A〉など【など】
《「何と」の転で、「疑問」(どうして・・・か?)/「反語」(どうして・・・なものか。・・・ないではないか)の意を表わす。文末は連体形で係り結びを形成するが、対応する語句を省略して「など」の中にその意を込める用例も多い。類例を列挙する「」との混同に要注意。》
〔副〕(1)〈(疑問)原因・理由に関する疑問を表わす。(多く、非難の調子を含む)〉何故・・・か?  (2)〈(反語)形は疑問文ながら、否定の意味を表わす。〉どうして・・・なものか

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〈A〉いふ【言ふ】
《現代語同様の「口に出して言う」のみならず、「求愛行動としての言い寄り」・「詩歌の吟詠」・「噂の流布」・「動物の鳴き声」など多様な語義を持つ古語。》
〔自ハ四〕{は・ひ・ふ・ふ・へ・へ}〔他ハ四〕{は・ひ・ふ・ふ・へ・へ}(1)〈思うことをに出して表現する。〉言う。  (2)〈(多く「・・・言ふ」の形で)名称が・・・である。〉・・・というの。  (3)〈広く世間でそのように言われている。〉する。  (4)〈(恋愛目的で)異性優しい言葉をかける。(結婚を)異性申し込む、または、約束する。〉言い寄る求婚婚約)する。  (5)〈詩歌を高らかに声に出して読み上げる。〉吟詠する。  (6)〈動物が鳴き声を出す。〉鳴く

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  102  ♪♪