▲ | ▼ [621] 【低し】=「ひきし」は微妙な古語
「古文単語千五百Mastering Weapon」 No.【低し】
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「古文単語千五百Mastering Weapon」 No.【低し】
現代日本語の感覚からすれば「ひくし」であるべき「低し」だが、「ひくし」の読み方が成立するのは室町時代に入ってからであり、それ以前の読みは「ひきし」であった。
もっとも、平安時代には、ク活用形容詞「低し(ひきし)」の代わりに、漢文脈では形容動詞ナリ活用の「低なり(ひきなり)」が用いられており、鎌倉期に入って『平家物語』あたりに「かほおほきに、せい’ひきかり’けり(=デカ顔のチビすけであった)」のような形で使われるようにはなったが、中古の和文には「低し(ひきし)」の確実な文献はないと言われる。
その意味で、「丈低からぬ(たけひきからぬ)」の記述を内包する『扶桑語り』第一作「ゆめにねぶるむすめ」は、文献学的には「鎌倉時代の、漢文訓読の流れを引く文物」ということになろう(・・・実際には西洋紀元2000年代に書かれた擬古文なのであるが)。
それでは、平安時代には「低し(ひきし)」の意味をどうやって表わしていたか、と言えば:
1)「背丈が低い」の意味は「短し」で表わす。
2)「身分が低い」の意味は「浅し」で表わす。
ということだったようである。
ちなみに、「身分の低さ」は「背丈の低さ」よりも後発の語義らしく、「声・音声」の「低音」もやはり後発語らしい。「低音の歌声」は「声を’引き’」の感じ(高音だと声を’張り’の感じ)なので、もしかしたら「低し(ひき+し)」と「引き(ひき)」とは関係あるのかも・・・「他人or平均orその他の水準」から「-(引き算)」した分だけ「ひきし(低し)」なのかな・・・的な想像も出来ぬでもないが、文献学的裏付けに乏しい話だけに、ここらで幕引きにしておくほうがよさそうである。
もっとも、平安時代には、ク活用形容詞「低し(ひきし)」の代わりに、漢文脈では形容動詞ナリ活用の「低なり(ひきなり)」が用いられており、鎌倉期に入って『平家物語』あたりに「かほおほきに、せい’ひきかり’けり(=デカ顔のチビすけであった)」のような形で使われるようにはなったが、中古の和文には「低し(ひきし)」の確実な文献はないと言われる。
その意味で、「丈低からぬ(たけひきからぬ)」の記述を内包する『扶桑語り』第一作「ゆめにねぶるむすめ」は、文献学的には「鎌倉時代の、漢文訓読の流れを引く文物」ということになろう(・・・実際には西洋紀元2000年代に書かれた擬古文なのであるが)。
それでは、平安時代には「低し(ひきし)」の意味をどうやって表わしていたか、と言えば:
1)「背丈が低い」の意味は「短し」で表わす。
2)「身分が低い」の意味は「浅し」で表わす。
ということだったようである。
ちなみに、「身分の低さ」は「背丈の低さ」よりも後発の語義らしく、「声・音声」の「低音」もやはり後発語らしい。「低音の歌声」は「声を’引き’」の感じ(高音だと声を’張り’の感じ)なので、もしかしたら「低し(ひき+し)」と「引き(ひき)」とは関係あるのかも・・・「他人or平均orその他の水準」から「-(引き算)」した分だけ「ひきし(低し)」なのかな・・・的な想像も出来ぬでもないが、文献学的裏付けに乏しい話だけに、ここらで幕引きにしておくほうがよさそうである。
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