おはします【御座します】〔自サ四〕〔補動サ四〕

   [322] おはします【御座します】〔自サ四〕〔補動サ四〕

〈A〉 おはします【御座します】
《尊敬の意の「御座す」の連用形に尊敬の補助動詞「ます」を重ねたものとも、尊敬語「坐します」に尊敬の接頭語「」を添えたものとも言われる。いずれにせよ意味そのものは「おはす」と同じだが、敬意は当然「おはします」の方が強い。》
〔自サ四〕 {さ・し・す・す・す・せ}
  (1) 〈「あり」・「居り」の尊敬語。〉 (・・・に)いらっしゃる。(・・・に)おられる。(・・・に)お住まいだ。(・・・に)御滞在中だ。   (2) 〈「行く」・「来」の尊敬語。〉 行かれる。来られる。いらっしゃる。おいでになる。訪問なさる。来訪なさる。お出かけになる。お越しになる。   
〔補動サ四〕 {さ・し・す・す・す・せ}
  (1) 〈(用言の連用形、及びそれに接続助詞「て」を付けたものに続けて)尊敬の意を表わす。〉 ・・・ていらっしゃる。・・・ておいでになる。・・・なさる。・・・であられる。・・・であらせられる。
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【おはします】は丁寧語以前に「在り・居り・行く・来」で【御座います】
 「御座」の当て字をすればわかるであろうが、「おはします【御座します】」の原初的意味は「ある場所に動かずじっとしている」であり、「在り」・「居り」の尊敬語である(ある場所に存在するための移動動作としての「行く」・「来(く)」の尊敬語にも転用された)。
 やがてこの「おはします」は、「動詞連用形+おはします」あるいは「動詞連用形+て+おはします」の形で「尊敬の補助動詞」にも転じることとなり、巡り巡って現代標準語の「・・・(で・に)ございます」なる丁寧語(というにはやや慇懃無礼に近い大袈裟な表現)や、関西ローカルの「・・・でおます」にその名残を留めている。

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コメント (1件)

  1. the teacher
    ・・・当講座に「man-to-man指導」はありませんが、「コメント欄」を通しての質疑応答ができます(サンプル版ではコメントは無効です)

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