▲ | ▼ [161] いと【いと】〔副〕
■
〈A〉
いと【いと】
《程度の甚だしさを表わす形容詞「甚し・痛し」の語幹「甚」の母音交替形で、「甚く・痛く」と同根語。「いたく(いとう)」が主に動詞を修飾するのに対し、「いと」は主に形容詞・形容動詞・副詞を強調する。「いといと」・「いとしも」・「いとも」などの強調形もある。》
〔副〕
(1) 〈(主に形容詞・形容動詞・副詞を修飾して)程度が甚だしいさまを表わす。〉 とても。非常に。たいそう。大いに。それはもう。本当に。全く。実に。 (2) 〈(下に打消の語を伴って)程度がはなはだしくないことを表わす。〉 それほど・・・ない。あんまり・・・ない。たいして・・・ない。さほど・・・ない。さして・・・ない。
presented by http://fusau.com/
〔副〕
(1) 〈(主に形容詞・形容動詞・副詞を修飾して)程度が甚だしいさまを表わす。〉 とても。非常に。たいそう。大いに。それはもう。本当に。全く。実に。 (2) 〈(下に打消の語を伴って)程度がはなはだしくないことを表わす。〉 それほど・・・ない。あんまり・・・ない。たいして・・・ない。さほど・・・ない。さして・・・ない。
presented by http://fusau.com/
■
【いと、いと】=【アタっ、アタっ】
———-
古典の素養皆無の現代日本人でも、「いと+**し(形容詞)」と口走ればそれだけでそれとなく古文っぽい雰囲気が演出できる御気軽記号が古典副詞「いと」だが、その語源が「痛!」であることもついでにひけらかせば、いささか軽薄な古語通気取りに、多少なりとも博識っぽい雰囲気を上乗せできるかもしれない。
「いと」は「いとう」の詰まった音であり、「いとう」は「いたく」のウ音便であって、「いたく」は「甚く」で、これは時代劇にも(かなり改まった文語でなら現代日本語にも)登場する強調的副詞であるが、その原義が実に「痛く=ガツーンと精神的に衝撃を受けるほどに強く」なのである。
つまり「いと」だの「いと、いと」だの連呼は、「痛っ!あ痛ッ!!」に等しく、ブルース・リー(Bruce Lee)のカンフー怪鳥音「アタッ、アタァーッ!」(or『北斗の拳』のケンシローの「あたたたた・・・」)にも通じそうな「痛覚演出音」なのである・・・そう考えると、雅び気取って「ouch! ouch!」を連発する図の「イタさかげん」も、「いと、いと、甚し」と言うべきか。
「いと」は「いとう」の詰まった音であり、「いとう」は「いたく」のウ音便であって、「いたく」は「甚く」で、これは時代劇にも(かなり改まった文語でなら現代日本語にも)登場する強調的副詞であるが、その原義が実に「痛く=ガツーンと精神的に衝撃を受けるほどに強く」なのである。
つまり「いと」だの「いと、いと」だの連呼は、「痛っ!あ痛ッ!!」に等しく、ブルース・リー(Bruce Lee)のカンフー怪鳥音「アタッ、アタァーッ!」(or『北斗の拳』のケンシローの「あたたたた・・・」)にも通じそうな「痛覚演出音」なのである・・・そう考えると、雅び気取って「ouch! ouch!」を連発する図の「イタさかげん」も、「いと、いと、甚し」と言うべきか。
———-
コメント (1件)