意味集団<123>ブロック=[05]


   1   ♪♪ <質問箱> [古語試験] 
〈A〉 おもふ【思ふ・想ふ】
《頭と心が宿し得る各種の思考・感情を広く表わす語。類義語の「心」は「内面の思いが外向性の行動として働く」ことに重点を置くのに対し、「思ひ・想ひ」は「人間の内面に於ける様々な心の働き」に重点がある。》
〔他ハ四〕 {は・ひ・ふ・ふ・へ・へ}
  (1) 〈(頭脳の働きにより)論理的に物事を処理する。〉 思考する。思う。考える。判断する。考察する。理解する。認識する。える。   (2) 〈(感情の作用により)他のものよりも殊更に大事に思い、心引かれる。〉 愛慕する。愛する。愛好する。う。恋する。しく思う。気に入る。好きである。   (3) 〈(自分にとって好ましくない事態について)心の中で重く受け止める。〉 苦悩する。思い悩む。懸念を抱く。案ずる。心配する。   (4) 〈(過去の事柄を)記憶の中から呼び出す。〉 かしむ。思い出す。回想する。追想する。追憶する。追慕する。懐古する。   (5) 〈(未来に於いて)何事かが実現することを期待する。〉 希望する。願う。望む。希求する。思い描く。心中かに期す。   (6) 〈(事態が実現する前に)ある種の事態の発生をめ思い描く。〉 予想する。予測する。期する。覚悟する。想像する。   (7) 〈(心の中の思いを)表情に表わす。〉 気持ちを顔に出す。・・・といった顔付きをする。・・・げな表情である。

   2  ♪♪ <質問箱> [古語試験] 
〈A〉 おぼゆ【覚ゆ】
《動詞「思ふ」に上代の助動詞「ゆ」が付いて「おもはゆ」となり、これが「おもほゆ」→「おぼほゆ」→「おぼゆ」と転じたもの。感覚・想念が自然発露的に浮かぶ意を表わし、現代語「思い出す」に通じる記憶・想起系の語だが、「他の何か・誰かに似ている」の語義には要注意。》
〔自ヤ下二〕 {え・え・ゆ・ゆる・ゆれ・えよ}
  (1) 〈(意志・作為を伴わず)自然発生的に何らかの感覚が浮かぶ。〉 ・・・と感じられる。・・・の気がする。・・・に思われる。   (2) 〈(意識せずに)自然発生的に何らかの記憶が浮かぶ。〉 思い出される。思い浮かぶ。思い起こされる。記憶にる。   (3) 〈(他の何かに)似ていると感じられる。〉 似通う。・・・に似ている。・・・そっくりだ。・・・を思い起こさせる。・・・風なところがある。・・・を彷彿とさせる。   (4) 〈(他者から)何らかの評価を受ける。〉 ・・・とみなされる。・・・だと思われる。・・・扱いされる。・・・として世間で通る。世に・・・と言われる。   
〔他ヤ下二〕 {え・え・ゆ・ゆる・ゆれ・えよ}
  (1) 〈(記憶の中から)自然に思い出す。〉 思い浮かべる。思い付く。想起する。   (2) 〈(記憶の中から)思い出して他者に語る。〉 思い出話をする。昔語りをする。   (3) 〈(記憶の中に)意識して刻み込む。〉 覚え込む。記憶する。暗記する。忘れずにいる。

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   4  ♪♪ <質問箱> [古語試験] 
〈A〉 おぼす【思す】
《動詞「思ふ」に上代の尊敬助動詞「はす」を付けた「おもはす」が、母音転化現象で「おもほす」に変わり、更に「おぼほす」を経て「おぼす」に縮まった、「思う」意を表わす尊敬語。連用形「思し+・・・」の形で他の動詞と結合して数多くの複合語を形成する。》
〔他サ四〕 {さ・し・す・す・す・せ}
  (1) 〈「思ふ」の尊敬語。〉 お思いになる。お考えになる。お感じになる。す。

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