めづ【愛づ】〔他ダ下二〕〔自ダ下二〕

   [1318] めづ【愛づ】〔他ダ下二〕〔自ダ下二〕

〈A〉 めづ【愛づ】
《自然の美しい景観や美女など、見た目に美しいものを「賞美する」が原義。それが持続的・常習的な行動になると「愛好する・可愛がる」になる。これら二つの語義の中間に位置する評価系のものとして「褒め讃える」の語義もある。》
〔自ダ下二〕 {で・で・づ・づる・づれ・でよ}
  (1) 〈(自然の美観や美しい女性など)見た目に美しいものに心が引き付けられる。〉 賞美する。一目見て素晴らしいと思う。心かれる。魅了される。   
〔他ダ下二〕 {で・で・づ・づる・づれ・でよ}
  (1) 〈(対象について)素晴らしいという思いを言葉や態度にはっきりと表わす。〉 賞賛する。め讃える。感心する。   (2) 〈(人や物を)魅力的なもの、大事なものとして扱う。〉 愛する。好む。愛好する。可愛がる。大切に思う。
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(×)【めづらし】 (○)【めでたし】
 現代語には「愛でる(めでる)」の形で残る古語が「愛づ(めづ)」。「メデル」だと小学生駄洒落的には「出目金(でめきん)」だの「目ん玉飛び出る(ほど値段が高い)」あたりを思い浮かべそうだが、古形「めづ」の連想は至極自然に「めづらし(珍し)」に結び付くことであろう・・・が、この連想は語源学的には少々ズレていて、「めづらし」=「目+連らし」=「目線を外さずにいつまでも目撃し続けていたい(シャッター押しっぱなしで連写しちゃいたい)・・・それほどまでに滅多に見られぬ(すばらしい)ものだ」が正解である。
 言語学的に言えば、「愛づ」の形容詞形は「めづらし」ではなく、「めでたし」である。その組成は、この動詞を連用形「愛で」で名詞に変換したものに「いたし(甚し)」を付けた「愛で+甚し=愛好心旺盛or愛らしさ全開」である。
 もっとも、「愛づ」の気持ちはどこから生じるかと言えば「目で」見て「美しい」と感じるところから、というのが基本であるから、「目+連らし」も「めでいたし=目で見てホレる気持ちがイタいほど強い」も、根源的に異質なものではないと言えるだろう。

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コメント (1件)

  1. the teacher
    ・・・当講座に「man-to-man指導」はありませんが、「コメント欄」を通しての質疑応答ができます(サンプル版ではコメントは無効です)

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