▲ ♪ ▽ 2 △ ♪♪ <質問箱> [古語試験] 「古語随想」
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〈A〉
きこゆ【聞こゆ】
《古典的貴族社会では、意志性・主体性は「下賤の者の特性」であり、他者を介して事を為さしむるのが「尊い」ので、「自然に耳に入る」意の「聞こゆ」は、「意図的に尋ねずとも、自然にその耳に入る」=「(目下から目上に)申し上げる」の意を表わす謙譲語としても用いた。》
〔自ヤ下二〕 {え・え・ゆ・ゆる・ゆれ・えよ}
(1) 〈(物音や人の声が)自然に耳に届く。〉 聞こえる。耳に入る。 (2) 〈(人・物に関し)その話題が世間に広く伝わる。〉 噂に聞く。評判になる。世に知られる。世に喧伝される。 (3) 〈(見聞きした情報から)特定の様子であろうと判断される。〉 ・・・と感じられる。・・・に思われる。・・・と解釈できる。・・・に見受けられる。・・・のように受け取られる。 (4) 〈(否定形の「聞こえぬ」、あるいは完了助動詞を伴う「聞こえたる」の形で)(他者の行動・発言が、論理や慣習に照らして)理解可能である。〉 納得できる。訳がわかる。道理に叶う。意味が通る。筋が通っている。一理ある。 (5) 〈(ある特定の)臭いを漂わせる。〉 ・・・の臭いがする。・・・の香りがする。
〔他ヤ下二〕 {え・え・ゆ・ゆる・ゆれ・えよ}
(1) 〈「言ふ」の謙譲語。〉 申し上げる。お話しする。お伝えする。 (2) 〈(人や役職の名を表わす語+格助詞「と」+「聞こゆ」の形で)名称を表わす。〉 ・・・という名である。・・・と申し上げる。・・・とお呼びする。世に・・・と称する。 (3) 〈(手紙などの)通信文を差し上げる。〉 お便り申し上げる。お手紙差し上げる。書簡を通じてお伝えする。 (4) 〈「願ふ」の謙譲語。〉 お願い申し上げる。意向をお伝えする。嘆願差し上げる。
〔補動ヤ下二〕 {え・え・ゆ・ゆる・ゆれ・えよ}
(1) 〈(動詞の連用形に付けて)謙譲の意を表わす。〉 ・・・申し上げる。お・・・する。・・・させていただく。
〔自ヤ下二〕 {え・え・ゆ・ゆる・ゆれ・えよ}
(1) 〈(物音や人の声が)自然に耳に届く。〉 聞こえる。耳に入る。 (2) 〈(人・物に関し)その話題が世間に広く伝わる。〉 噂に聞く。評判になる。世に知られる。世に喧伝される。 (3) 〈(見聞きした情報から)特定の様子であろうと判断される。〉 ・・・と感じられる。・・・に思われる。・・・と解釈できる。・・・に見受けられる。・・・のように受け取られる。 (4) 〈(否定形の「聞こえぬ」、あるいは完了助動詞を伴う「聞こえたる」の形で)(他者の行動・発言が、論理や慣習に照らして)理解可能である。〉 納得できる。訳がわかる。道理に叶う。意味が通る。筋が通っている。一理ある。 (5) 〈(ある特定の)臭いを漂わせる。〉 ・・・の臭いがする。・・・の香りがする。
〔他ヤ下二〕 {え・え・ゆ・ゆる・ゆれ・えよ}
(1) 〈「言ふ」の謙譲語。〉 申し上げる。お話しする。お伝えする。 (2) 〈(人や役職の名を表わす語+格助詞「と」+「聞こゆ」の形で)名称を表わす。〉 ・・・という名である。・・・と申し上げる。・・・とお呼びする。世に・・・と称する。 (3) 〈(手紙などの)通信文を差し上げる。〉 お便り申し上げる。お手紙差し上げる。書簡を通じてお伝えする。 (4) 〈「願ふ」の謙譲語。〉 お願い申し上げる。意向をお伝えする。嘆願差し上げる。
〔補動ヤ下二〕 {え・え・ゆ・ゆる・ゆれ・えよ}
(1) 〈(動詞の連用形に付けて)謙譲の意を表わす。〉 ・・・申し上げる。お・・・する。・・・させていただく。