▲ | ▼ [1009] とみに【頓に】〔副〕
■
〈B〉
とみに【頓に】
《現代語「頓挫」(いきなり挫折)に含まれる「頓」の音の表記「とに」が「とみ」に転じてできた語とされる。「いきなり」の意だが、否定語と共に「すぐには・・・ない」とする例が多い。》
〔副〕
(1) 〈(多く、打消の表現を伴って)時を移さずすぐに。〉 すぐには・・・ない。にわかには・・・かねる。いきなり・・・というわけにも行かない。
presented by http://fusau.com/
〔副〕
(1) 〈(多く、打消の表現を伴って)時を移さずすぐに。〉 すぐには・・・ない。にわかには・・・かねる。いきなり・・・というわけにも行かない。
presented by http://fusau.com/
■
【とん】から【とに】経て【とみ】になり
———-
現代語でも「近頃とみに有名になった***」などとして「にわかに・急に・いきなり」の意味で用いる「とみに」であるが、これは元来漢語「頓」の「トン」から生じた外来語。ただ、撥音文字「ん」は中古末期までの日本語には存在しなかったため、代替文字として「に」を用いて「とに」と表記して「トン」と読んでいた・・・現代人の感覚にはストンと腑に落ちる話ではないが、とにかくそういう状態で推移するうちに、いつの間にか(そう急に、ではなかったようだが)この「とに」が「とみ」への変態を遂げ、中古以降「ん」文字が登場したにもかかわらず「とん」に戻ることもなく「とみ」のまま定着してしまったものだという。
古語としての「頓に」は、現代語のように「とみに・・・する」のような肯定形ではなく「とみには・・・ず」の否定形での使用が多いことも覚えておこう。
古語としての「頓に」は、現代語のように「とみに・・・する」のような肯定形ではなく「とみには・・・ず」の否定形での使用が多いことも覚えておこう。
———-
コメント (1件)