▲ | ▼ [655] こよなし【こよなし】〔形ク〕
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〈A〉
こよなし【こよなし】
《語源は「越ゆるもの無し」とも「此より勝るもの無し」とも言われ、他者との相対比較上の優越性を意味する・・・筈だが、日本は古来、比較対象を明確に見据えることをせぬ「絶対文化圏」につき、「こよなし」も比較級というより絶対最上級的ツキヌケ独善讃辞の色彩が濃い。貶して「最悪」の意に用いる場合もある。》
〔形ク〕 {から・く/かり・し・き/かる・けれ・かれ}
(1) 〈(最上級的賛辞として)とにかくひたすらに素晴らしい。〉 この上ない。格別だ。段違いだ。比べようがない。比類なき素晴らしさだ。 (2) 〈(良きにつけ悪しきにつけ)他に比較して格段の相違がある。〉 段違いだ。格段に優る(劣る)。甚だしく・・・だ。雲泥の差だ。月とすっぽんだ。
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〔形ク〕 {から・く/かり・し・き/かる・けれ・かれ}
(1) 〈(最上級的賛辞として)とにかくひたすらに素晴らしい。〉 この上ない。格別だ。段違いだ。比べようがない。比類なき素晴らしさだ。 (2) 〈(良きにつけ悪しきにつけ)他に比較して格段の相違がある。〉 段違いだ。格段に優る(劣る)。甚だしく・・・だ。雲泥の差だ。月とすっぽんだ。
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「絶対最上級」を【こよなく】愛する日本人
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現代日本語では形容詞としては死語と化したが、副詞形の「こよなく」だけはそのまま残る古語。これが生き残っているのは、それが日本人の感性に見事合致したからこそだろう:「こよなし=超ゆる物無し=最高=金メダル!」・・・銀メダル以下の尊い成果も、そこに至るまでの汗と涙の過程も、共に戦った素晴らしき仲間も、負かしたにせよ負かされたにせよいずれにせよ忘れ得ぬ思い出のライバルたちも、一切無視した「結果としてそこにある最上級の金メダル!」のみ持て囃すこの国の「結果亡者/過程音痴」な人々の(西欧人から見て最もイケ好かない)体質は、「こよなく/こよなう=とにかくひたすら最高!・・・or最悪!」という有無を言わさぬ絶対最上級的言辞に千年来変わらぬ永続的生命という「古語には稀」なる金メダルを与えているわけである。
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