▲ | ▼ [441] かなし【愛し】【悲し・哀し】〔形シク〕
■
〈A〉
かなし【愛し】【悲し・哀し】
《「耐えおおせる」の意の補助動詞「かぬ」と同根語とされ、「耐えかねるほど痛切な思い」が原義。現代では「個人的悲嘆」のみを表わすが、古語では「胸キュンの愛しさ」・「魅入られる趣深さ」・「感に堪えぬ見事さ」・「胸が痛む気の毒さ」など、表現範囲が遙かに広い。》
〔形シク〕 {しから・しく/しかり・し・しき/しかる・しけれ・しかれ}
【愛し】 (1) 〈(どうしていいのかわからないほどに)可愛くて愛おしくて仕方がない。〉 身にしみて愛しい。たまらなく可愛い。 (2) 〈(思わず見入ってしまうほど)強く心引かれる何かがある。〉 しみじみと趣深い。身にしみる興趣がある。心を揺さぶる魅力がある。実に興味深い。 (3) 〈(多く、連用形「かなしく」・「かなしう」の形で)思わず感心してしまう。〉 お見事。ご立派。素晴らしい。さすが。あっぱれ。拍手したくなる。やんややんや。いいぞ。
【悲し・哀し】 (4) 〈(傍で見ていて)自分のことのように辛く感じる。〉 気の毒で仕方がない。あまりにかわいそうだ。身につまされる思いだ。見るからに哀れだ。 (5) 〈(理想と現実との食い違いを前にして)心が満たされず、やりきれない。〉 悲しい。辛い。残念だ。遺憾だ。嘆かわしい。溜息が出る。 (6) 〈(受身表現の連用形「かなしう・・・る/らる」の形で)他者の仕打ちに対し憤るさまを表わす。〉 何ともひどいことに。くやしくも。いまいましいことに。しゃくに触ることには。残念ながら。手ひどく。あまりと言えばあんまりなことだが。
presented by http://fusau.com/
〔形シク〕 {しから・しく/しかり・し・しき/しかる・しけれ・しかれ}
【愛し】 (1) 〈(どうしていいのかわからないほどに)可愛くて愛おしくて仕方がない。〉 身にしみて愛しい。たまらなく可愛い。 (2) 〈(思わず見入ってしまうほど)強く心引かれる何かがある。〉 しみじみと趣深い。身にしみる興趣がある。心を揺さぶる魅力がある。実に興味深い。 (3) 〈(多く、連用形「かなしく」・「かなしう」の形で)思わず感心してしまう。〉 お見事。ご立派。素晴らしい。さすが。あっぱれ。拍手したくなる。やんややんや。いいぞ。
【悲し・哀し】 (4) 〈(傍で見ていて)自分のことのように辛く感じる。〉 気の毒で仕方がない。あまりにかわいそうだ。身につまされる思いだ。見るからに哀れだ。 (5) 〈(理想と現実との食い違いを前にして)心が満たされず、やりきれない。〉 悲しい。辛い。残念だ。遺憾だ。嘆かわしい。溜息が出る。 (6) 〈(受身表現の連用形「かなしう・・・る/らる」の形で)他者の仕打ちに対し憤るさまを表わす。〉 何ともひどいことに。くやしくも。いまいましいことに。しゃくに触ることには。残念ながら。手ひどく。あまりと言えばあんまりなことだが。
presented by http://fusau.com/
■
「たまらねー」のが【かなしー】の
———-
現代ではひたすら「悲しい」ばかりだが、古典時代には「かわいー!」や「すばらしー!」の感慨をも表わした「かなし」は、語源的には「かぬ」につながる語。「耐え<かぬ>=我慢できないーっ!」と考えれば、耐え難いほどの「悲しさ」にも、たまらんほどの「かわいさ」にも、感に堪えぬ「趣深さ」にも通じるその本質がわかるであろう。
———-
コメント (1件)