けうとし【気疎し】〔形ク〕

   [543] けうとし【気疎し】〔形ク〕

〈B〉 けうとし【気疎し】
《「対象に対する自身の関係の薄さ」を意味する「疎し」に、「何となく・・・の感じ」の意の「気」を付けて婉曲化した語。やがてその原義の「疎ましさ」の語感が失われ、連用形「けうとく」の形で「(良かれ悪しかれ)程度が甚だしい」を表わす用法も生じた。》
〔形ク〕 {から・く/かり・し・き/かる・けれ・かれ}
  (1) 〈(何となく)親近感が持てない。〉 親しみにくい。ましい。よそよそしい。他人行儀だ。   (2) 〈(家屋やその一帯に)人間の存在する気配がない。また、そのため精神的に不安を感じる。〉 物寂しい。薄気味悪い。人気がない。れている。不気味だ。恐ろしげだ。ぞっとする。   (3) 〈(何となく)すんなりと受け入れ難い。〉 しっくりこない。違和感がある。どこか違う。納得行かない。得心できない。理解できない。解りかねる。よくわからない。   (4) 〈(多く、連用形「けうとく」の形で他の形容詞を修飾して)(かれしかれ)程度がだしいことを表わす。〉 物凄い。とてつもない。とんでもない。素晴らしい。たいそう・・・だ。だ・・・だ。
presented by http://fusau.com/
【け】=「なんとなく・・・」な感じぃ、みたいなー
 日本語は(英語などに比すれば歴然と)論理性に欠ける言語であるが、その分、感覚的表現には富んでいる(ブッ飛んでるやつも少なくはないが)。接頭語としての「け=気」や「ほの=仄」、「なま=生」、「もの=物」あたりが表わす「はっきりしないけど、何となく・・・っぽい」の感覚は覚えておいて損はないであろう。これらは何も「根拠・正体不明の曖昧さ」のみを表わすわけではないが、以下のような語に於ける語感は(現代日本人の感覚的表現を借りれば)「ナニゲに・・・っポ(例:そのハナシぃ、ナニゲにウソっポくね?)」である:
◆「けうとし」=何となくウザったぃ
◆「ほのしらる」=チョイわかった気がする
◆「なまわろなり」=ビミョーにブザマっちぃ
◆「ものはかなし」=ナニゲにショボくねー?

———-

コメント (1件)

  1. the teacher
    ・・・当講座に「man-to-man指導」はありませんが、「コメント欄」を通しての質疑応答ができます(サンプル版ではコメントは無効です)

コメントは受け付けていません。