いかで【如何で】〔副〕

   [119] いかで【如何で】〔副〕

〈A〉 いかで【如何で】
《形容動詞「如何なり」の連用形「いかに」に手段・方法の格助詞「して」が付いた「いかにして」が「いかにて」に転じたものが音便化した「いかんで」から「ん」が消失したものが「いかで」。脈絡に応じて「疑問」・「反語」・「願望・意志」へと意味が分かれる。》
〔副〕
  (1) 〈(疑問)(様態に関し)疑う意を表わす。〉 どのようにして・・・か。いかに・・・だろうか。どう・・・したものか。   (2) 〈(反語)(様態に関し)疑問の形を取りつつ、実質的に否定の意を表わす。〉 どうして・・・なものか。・・・ないではないか。   (3) 〈(願望・意志)(「じ」・「てしがな」・「にしがな」・「ばや」・「まほし」などの語句を伴い)(いかなる手段を用いてでも)そうしたいと強く望む意を表わす。〉 是非とも。何とかして。どうにかして。何としても。何が何でも。
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【如何で】=How…?/How…!
 元来「様態」を表わす古語の「いかで(如何で)」は、英語の「How」に等しい;ということは、「疑問文」と「反語」と「感嘆文」との掛け持ち表現、ということになる:
古文1)如何で其を為さむ
英文1)How should I do that?
現代語訳1)それをどうやってしたらよいだろうか?
・・・このように「推量助動詞(む・むず等)」と抱き合わせなら、「いかで=疑問」が多い;が、時には次のように「疑問」の形を取った否定=「反語」ともなる:
古文2)如何で敢へなむ
英文2)How can I bear it?
現代語訳2)どうして私がそれに耐えられるだろうか、耐えられるものではない。
・・・願望系統の語と共に使えば、また意味が違ってくる:
古文3)如何で其を得てしがな
英文3)How I want to get it! / I want to get it by all means.
現代語訳3)どうにかしてそれを我がものにしたいものだなぁ。
・・・「いかで」=「願望・意志」の例である。この用法に付き物の語句としては、次のようなものを覚えておくとよいだろう:
いかで+「じ」=「何が何でも・・・するものか!」
いかで+「てしがな」/「にしがな」/「ばや」/「まほし」=「是非とも・・・でありたいものだ!」

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コメント (1件)

  1. the teacher
    ・・・当講座に「man-to-man指導」はありませんが、「コメント欄」を通しての質疑応答ができます(サンプル版ではコメントは無効です)

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