意味集団<092>ブロック=[20]


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〈B〉 たぐふ【類ふ・比ふ・副ふ】
《「異なる複数の物事の質・水準が釣り合い、一緒に存在するのが似付かわしい」が原義。本来異質のものどうしの近似性を表わす語で、「違ふ」との同源説もある。物理的な並置を表わすだけ/対等・似合いの存在としての類似性を表わす、の二系統の語義を持つ。》
〔自ハ四〕 {は・ひ・ふ・ふ・へ・へ}
  (1) 〈(物理的に)同じ場所に存在する。〉 一緒にいる。連れ立つ。連れ添う。随伴する。同行する。伴う。   (2) 〈(価値判断を含んで)対等・似合いの存在である。〉 似合う。よく合う。調和する。釣り合いが取れている。対等だ。匹敵する。相当する。肩を並べる。比肩する。   
〔他ハ下二〕 {へ・へ・ふ・ふる・ふれ・へよ}
  (1) 〈(物理的に)同じ場所に存在させる。〉 並ばせる。合わせる。一緒にいさせる。伴わせる。同行させる。   (2) 〈(他の物事に)近い存在として引き合いに出す。〉 なぞらえる。例える。比べる。比較する。   (3) 〈(他の物事に)類似の様態を取る。〉 似せる。真似る。近付ける。

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〈A〉 まさる【勝る・優る】【増さる】
《語源的には「増す」に同じ。現代語では「(多く、・・・よりも)優れる」の語義が支配的だが、古語では「(動詞連用形か名詞に続けて)数量・程度が増す」の意を補助動詞的に表わす場合も多い。》
〔自ラ四〕 {ら・り・る・る・れ・れ}
【勝る・優る】   (1) 〈(他者との相対比較上)(能力や地位などが)上である。〉 優れる。でる。優る。勝っている。より高い。
  【増さる】   (2) 〈(多く、動詞連用形や名詞に続けて)(数量・程度・回数などが)増す。〉 盛んになる。増える。多くなる。支配的になる。いやましに・・・になる。

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〈C〉 こころおとり【心劣り】
《「心が劣っている」という意ではなく、「現実の姿が、事前の予想を下回る」の意味で、「幻滅」を表わす。「心勝り」(=予想外に良い)の対義語。》
〔名・自サ変〕 {せ・し・す・する・すれ・せよ}
  (1) 〈(他者に関して)(予想よりも劣った事態に)がっかりすること。〉 幻滅。期待外れ。見劣り。落胆。失望。

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〈A〉 さうなし【左右無し】【双無し】
《語源も宛字も意味も違う古語の一揃い。「左右無し」なら「(あれこれ迷うこともなく)すんなり事が運ぶさま」及び「(深く物事を考えもせず)慌ててするさま」の意、「双無し」だと「並ぶものがないほど凄い」の意。ひらがな表記の場合は脈絡に応じて解釈し分ける必要がある。》
〔形ク〕 {から・く/かり・し・き/かる・けれ・かれ}
【左右無し】   (1) 〈(あれこれ迷ったりすることもなく)すんなりと事が運ぶさま。〉 たやすい。容易だ。造作もない。ためらわず・・・。すんなり・・・。すらすら・・・。あっさりと・・・。何ということもなく・・・。何も考えず・・・。一も二もなく・・・。   (2) 〈(深く物事を考えることもなく)慌ててするさま。〉 後先も考えない。大慌てだ。何が何だかわからない。あたふた・・・。どたばた・・・。パニクって・・・。
  【双無し】   (3) 〈(比較の対象が存在しないほどに)超絶的に優れている。〉 この上なく素晴らしい。比類がない。比べようがない。無類のものだ。例えようもない。並ぶものがない。天下無双だ。

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〈A〉 こよなし【こよなし】
《語源は「越ゆるもの無し」とも「此より勝るもの無し」とも言われ、他者との相対比較上の優越性を意味する・・・だが、日本は古来、比較対象を明確に見据えることをせぬ「絶対文化圏」につき、「こよなし」も比較級というより絶対最上級的ツキヌケ独善讃辞の色彩が濃い。貶して「最悪」の意に用いる場合もある。》
〔形ク〕 {から・く/かり・し・き/かる・けれ・かれ}
  (1) 〈(最上級的賛辞として)とにかくひたすらに素晴らしい。〉 この上ない。格別だ。段違いだ。比べようがない。比類なき素晴らしさだ。   (2) 〈(良きにつけしきにつけ)他に比較して格段の相違がある。〉 段違いだ。格段に優る(劣る)。だしく・・・だ。雲泥の差だ。月とすっぽんだ。

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