意味集団<056>ブロック=[05]


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〈A〉 をとこ【男】
上代の日本には「若返る」の意の「復つ・変若つ」という語があり、これが「をつ→をと」となり、更に「子」が付いた語が「男」「女」が付いた語が「乙女・少女・処女」。若くて元気な男性でも、女の結婚相手として意識されない/身分が低い場合は「をのこ」と呼ばれた。》
〔名〕
  (1) 〈(結婚適齢期にあり、女性から見て結婚相手たり得る)若くて活力に満ちた男子。〉 成人男子。若い盛りの男。若者。   (2) 〈(性別に言及し)(女性と対照した)一般的な意味での男性。〉 男。男性。男子。男児。   (3) 〈(恋愛の相手として)(妻と対照した)愛する男性。〉 夫。恋人の男。旦那様。彼。いいひと。   (4) 〈(親から見た)男の子供。〉 息子。男の子。男子。男児。子息。   (5) 〈(僧侶から見た)出家せず俗界に留まっている男性。〉 世俗の男性。俗人。   (6) 〈(主人・貴人から見た)下働きの男性。〉 下男下僕。召使いの男。従僕の男。   (7) 〈(髪型・服装・文字などの)男性風の様式。〉 男性風。男文字。男流。男型。漢字。

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〈A〉 をのこ【男子・男】
《「をのこ」は「めのこ」と対になる語。「め」が「女」と同時に動物の「雌・♀」をも想定させるように、「を」にも「男」のみならず人間以下の生き物の「雄・牡・♂」の響きがある。「をのこ」の語義全般に、「をとこ」よりも一段低い存在としての含みがあるのはそのためである。》
〔名〕
  (1) 〈(結婚適齢期以前/身分が低い、などの条件から、女性から見て結婚相手とはみなされない)若い男子。〉 男の子。男子。少年。若い男。   (2) 〈(性別に言及し)(女性に対する)一般的な意味での男性。〉 男。男性。男子。男児。   (3) 〈(主人・貴人から見た)下働きの男性。〉 下男下僕。召使いの男。従僕の男。   (4) 〈(宮中清涼殿殿上の間伺候する)雑用係の男性。〉 蔵人御側近くに控える男。

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〈C〉 をとめ【少女・乙女】
《若さを取り戻す意の上代「復つ・変若つ」が「をと」になったものを、女性を意味する「女」に付けて、「若い未婚女性」の意を表わした語。星座「乙女座」が英語で”Virgo(処女宮)“であるように「性交渉未体験の女性」の意や、「五節の舞姫」という特殊語義もある。》
〔名〕
  (1) 〈若くて未婚の、または、性交渉未体験の女性。〉 少女。処女。乙女。生娘。娘。ヴァージン。   (2) 〈(文物の中で)五節舞姫。〉 五節舞姫

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〈C〉 せうと【兄人】
《女性から見た兄弟・夫・恋人など、親密な男性を指す「兄・背」に「」を付けた「兄人・背人」のウ音便形。平安期には、女性から見た「兄・弟」または、それに擬すべき「親密な男性」を指した。後に「男の兄弟」の意が加わり、やがて「」のみに限定されるようになる。》
〔名〕
  (1) 〈(女性から見た)男の兄弟。〉 兄。弟。兄弟。   (2) 〈(女性からの視点ではなく、一般的に)男の兄弟。後代には、兄。〉 男兄弟。兄。お兄さん。兄貴。兄者。   (3) 〈(女性から見た)親しい関係の男性。〉 特別親しい男性。いい人。

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