えん【艶】〔名〕〔名・形動ナリ〕

   [289] えん【艶】〔名〕〔名・形動ナリ〕

〈A〉 えん【艶】
《漢語に由来し、上代には(男女双方の)「華麗でのある美」、中古漢詩文では外観上の魅惑的な美(妖艶)の意で用いたが、漢学の素養のある平安女流文学の筆者達が各人各様の「魅惑的」の感覚で濫用し出して以降、定義困難な多様性を持つ語となった。》
〔名〕
  (1) 〈(鎌倉初期に藤原俊成が唱えた)和歌の余情美を表わす歌論用語。〉   
〔名・形動ナリ〕 {なら・なり/に・なり・なる・なれ・なれ}
  (1) 〈(外観上の)人目を引くような際立つ美。〉 華麗なる美しさ。やかさ。優美さ。しっとりとした美。   (2) 〈(人の容姿・態度からそれとなく発散される)肉感的な魅力。〉 官能的魅力。色っぽさ。っぽさ。あだっぽさ。なまめかしさ。悩ましさ。ほのかな色気。   (3) 〈(人が)風情あるものや恋愛の情緒を好む態度。〉 風流心。好色。多感。多情。情緒的。色好み。   (4) 〈(人の態度から感じられる)何かしらわけがありそうな感じ。〉 いわくありげ。思わせぶり。訳あり。ほのめかし。含み。含蓄示唆   (5) 〈(景色・物に対する個人的印象としての)何となく心引かれる趣。〉 情趣。風情。風流。魅惑。そこはかとない趣。奥深さ。   (6) 〈(歌論語として)華麗にして奥深い余情美。〉 妖艶優雅にして官能的。華やかになまめかしい。
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コメント (1件)

  1. the teacher
    ・・・当講座に「man-to-man指導」はありませんが、「コメント欄」を通しての質疑応答ができます(サンプル版ではコメントは無効です)

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