おひさきみゆ【生ひ先見ゆ】〔連語〕

   [324] おひさきみゆ【生ひ先見ゆ】〔連語〕

〈C〉 おひさきみゆ【生ひ先見ゆ】
《音だけ聞くと「老い先見ゆ」(=老後の惨めな様子が目に浮かぶ)という夢も希望もない表現みたいだが、実際には「若人の将来」が「目に浮かぶ」の意で、「素晴らしく成長した将来の姿が、今から目に浮かぶ」という希望と期待の表現である。》
〔連語〕 《おひさき〔名〕+みゆ〔自ヤ下二〕》
  (1) 〈(若い人に関して)将来成長した姿に期待・希望が持てるさま。〉 将来性がある。先々が楽しみだ。末頼もしい。今後の成長が期待される。大きくなったらさぞ美人(立派な男)になることだろう。
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【おひさき見ゆ】で見えてるものは?
 「もう先は見えてる」+「老い先短き我が身かな」÷2=「おひさきみゆ・・・老後の人生真っ暗け」と誤解する人が多そうな古語だが、「生ひ先見ゆ」の実際の意味は「成長した先の人生に於いて、輝くばかりに立派になっている人物の姿が、今からもう見えるようだ」である。
 古文での使い方の多くは、「まだ幼い女の子」の姿に「美人に成長した女性」の姿が二重写しになって見えるというもの(光源氏の将来の妻となる「紫の上」の、「若紫」時代の描写など)だから、前途有望な未来の美女を、若い身空惜らしなびさせたりせぬように。
 似たような古語に「生ひ先籠る」がある。「前途有望」の意味であって、「成人後、部屋に引き籠もる」のような脱線解釈はせぬように。

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コメント (1件)

  1. the teacher
    ・・・当講座に「man-to-man指導」はありませんが、「コメント欄」を通しての質疑応答ができます(サンプル版ではコメントは無効です)

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