古語試験:意味集団<063>ブロック=[25]


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〈A〉さすが【流石・遉】
《上代の副詞「然すがに」の別読み語で、前述の内容を受けつつ「そうは言っても・・・」という逆接に加えて、現代語同様の「流石!」として後述の讃辞を導く用法もある。形容動詞としても用い、副詞同様の逆接を表わす他、事態を否定的に受け止める「やはり何となく気が咎める」の意も表わす。》
〔形動ナリ〕{なら・なり/に・なり・なる・なれ・なれ}(1)〈(相反する内容を持つ前後の脈絡をつないで)逆接的陳述を導く。〉・・・ではあるが、そうは言ってもやはり~である。いくら・・・だとしても、~はあるまい。  (2)〈(特に照応する直前の脈絡を持たずに)事態に対する否定的な心情を表わす。〉気が咎める。 〔副〕(1)〈(相反する内容を持つ前後の脈絡をつないで)逆接的陳述を導く。〉・・・ではあるが、そうは言ってもやはり~である。いくら・・・だとしても、~はあるまい。  (2)〈(特に照応する直前の脈絡を持たずに)予想・期待・評判通りの事態であることを強調的に表わす。〉さすがは

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〈B〉さり【然り】
文脈語で、文脈では同じ「然り」と書いても「しかり」と読む。様態の副詞「然」に動詞「在り」が付いた「然在り」の略形で、「そのようになっている」の意。終止形「然り」の形で「その通り」として相手の言い分に和する承認感動詞としても用いる。》
〔自ラ変〕{ら・り・る・る・れ・れ}(1)〈(終止形「然り」の形で、感動詞的に用いて)相手の発言に対する肯定の返事として用いる。〉そうだ。  (2)〈(既に述べた内容を受けて)そのような状態である、の意を表わす。〉そのようである。

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〈C〉さてしもあるべきことならず【然てしも有るべき事ならず】
《「そのまま放置しておくわけには行かない」の意で多用される連語。「さてしもあらず/さてもあるべきならず」など略形の亜種も多く、短絡的反語形「さてしもやは」なら「そのままでよい筈もあるまい」、「さてしもありぬべし」なら「そのままでよさそうである」の意になる。》
〔連語〕《さて〔副〕+しも〔副助〕+あり〔自ラ変〕+べし〔助動ク型〕推量+こと〔名〕+なり〔助動ナリ型〕断定+ず〔助動特殊型〕打消》〈(直前に述べた事態について)そのまま放置しておいては不都合がある。〉そのままにはしておけない

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〈B〉さもや【然もや】
《間に入る係助詞「も」に大した意味はないが、末尾の「や」は疑問推量を表わし、「そのように・・・だろうか?/ではなかろうか?」の意を表わすのが基本。「さもやあらむ」の略形として「そうかもしれない」の意を表わす使用例も多く、入試でも好んで出題される。》
〔連接語〕《さ〔副〕+も〔係助〕+や〔係助〕》(1)〈(物事の様態について)疑問推量の意を表わす。〉そのように・・・であろうか?/ではないのか?  (2)〈(「然もや有らむ」の略)確たる根拠のない漠然とした推量を表わす。〉そうではなかろうか

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〈C〉さるに【然るに】
《漢字表記「然るに」の現代語読み「しかるに」(逆接の陳述)がそのまま古語としての語義となる。》
〔接続〕〈直前の内容に対する逆接の陳述を導く。〉それなのに

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〈B〉さるもの【然る者】【然る物】
《「然る物」は「そのような物」として直前に述べた物事を具体的に指すが、「然る者」となると、話者の主観や世間的常識に照らして「そういう人物」としているだけで、具体的指示内容が文中に存在せず、「大人物」の意になることさえあるなど、意外な用法が多い厄介な語。》
〔連語〕《さる〔連体〕+もの〔名〕》【然る者】(1)〈(直前に具体的な指示内容がある/なしにかかわらず)ある人物が(読み手・聞き手にもわかるような)何らかの特性を有していることを表わす。〉ああいう人。  (2)〈(話者の主観的な判断基準に照らして)それなり以上評価される者。〉なかなかの人物。  【然る物】(3)〈(「・・・をばさるものにて」の形で)直前に述べた事柄に加えて、更に別の何かが加わることを表わす。〉・・・は当然として。  (4)〈(「・・・をばさるものにて」の形で)直前に述べた事情に納得しつつ、その上で更に別の事情があることを表わす。〉・・・なのはもっともだが、その一方で。  (5)〈直前に述べた物事を具体的に指す。〉そのような物事。

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